2008年6月30日

“すべて私の賃借地” 市東さんが堂々意見陳述 08/06/24

週刊『前進』06頁(2349号3面3)(2008/06/30)

“すべて私の賃借地”
 市東さんが堂々意見陳述

 6月24日千葉地裁で、三里塚反対同盟・市東孝雄さんが千葉県を訴えた行政訴訟の第4回口頭弁論が開かれた。
 市東家が祖父の代から90年耕している土地の強奪をたくらむ成田空港会社(NAA)に「許可決定」を与えたのが千葉県・堂本知事だ。絶対に許さない! 怒りに燃え反対同盟を先頭に70人の労働者・農民・市民が傍聴・監視に詰めかけた。
 だが農民の命を奪う「許可」を与えておきながら、県とNAAは、市東さんが一度も耕作していない土地まで「契約地」と言い張るデタラメぶりだ。前回この点を追及されると千葉県側は「そこが契約地でないと言うのなら訴えの利益がないので原告適格を欠く」などと言いだし、堀内明裁判長もそれに加担する発言をした。強盗の居直りだ! 土地の位置や境界も満足に特定できないで出された「許可」など一切無効。今すぐ白紙に戻せ!
 今回の弁論では、こうした点で被告側の「釈明」がまったく釈明になっていないことを弾劾し、葉山岳夫弁護士を始め原告代理人が再度の求釈明を突きつけた。
 原告席の最前列に座る市東孝雄さんが手を挙げ、用意した陳述書を読み上げた。冒頭「訴えの利益がない」と主張する県とそれに加担する裁判長に、強い怒りを表明した。そして「私が現在耕している畑のすべてが私の賃借地です」とまなじりを決して宣言した(要旨別掲)。この堂々の陳述に傍聴席からは大きな拍手。裁判長は制止することもできず、市東さんに向け「公平に扱いますから……」などと弁明に努めた。
 終了後に弁護士会館で記者会見と報告集会が開かれた。市東さんがあらためて「裁判所は信用できないが、言ったとおり公平にやらせていく」と決意を述べ、各弁護士がポイントを解説した。
 事務局長の北原鉱治さんは、43年間の闘争の歴史を踏まえ「実力で闘うしかない」と決意を述べた。さらに市東さんの農地取り上げに反対する会の三角忠さん、産直野菜の消費者が連帯の発言を行い、動労千葉の滝口誠さんがサミット粉砕決戦への決起を訴えた。
 関西から駆けつけた全関西実行委代表世話人の永井満さんは、三里塚との出会いをへて飛躍した関西新空港反対闘争の歴史を感慨深く振り返り、「三里塚をわが闘いとし、反対同盟を全力で支えぬく」と決意を語った。群馬実行委の青柳晃玄さんは、地元での「反対する会」旗揚げをめざしての奮闘を報告した。
 本部役員の鈴木幸司さんは「あの土地は私のものだ、との市東さんの強い意志を受けとめ闘おう」とあいさつした。
 最後に事務局次長の萩原進さんが、「空港をわれわれ人民が裁く裁判をやらなくてはならない。かつて友納知事を出廷させたように、法廷に堂本を引きずり出す。今日を上回る大結集で裁判所を包囲デモするような闘いを」と熱く呼びかけた。
 次回は9月30日。全力で集まろう。