2008年6月30日

6・29渋谷 サミット粉砕へ団結の底力見たか 法政大決戦に続き実力デモが爆発 労働者が権力の厳戒を破った

週刊『前進』06頁(2349号1面1)(2008/06/30)

6・29渋谷 サミット粉砕へ団結の底力見たか
 法政大決戦に続き実力デモが爆発
 労働者が権力の厳戒を破った

 動労千葉が呼びかけた「サミット粉砕!6・29全国労働者総決起集会」に全国から2150人が集まった。集会後、デモに出た参加者はサミット厳戒体制をガタガタに粉砕し、渋谷を解放区にする戦闘的大デモを打ち抜いた。この闘いは多くの海外メディアをつうじて全世界にとどろいた。支配階級よ、団結した労働者の力を見たか!

 第1章 激突!激突!勝利!勝利!

 この日、早朝から渋谷の街は異様な緊張に包まれた。会場の代々木公園周辺にはすき間なく機動隊の大型バスが並び、全国動員の数千人の私服刑事・機動隊が埋めつくした。渋谷駅や主要交差点などにも多数の機動隊が配置された。しかも東京都公安委員会は6月27日、実行委員会が申請した渋谷駅前を通るデモコースを不許可とする前代未聞のサミット弾圧を加えてきた。
 しかし警察権力の総力を注いだこの弾圧体制は、労働者を抑え込むどころか逆に、その怒りと団結の力を根底的に解き放つものとなった。
 集会を終えた参加者は力強いスクラムデモで進み、公園通り入り口のデモ出発点に集結した。実行委員会の労働者が次々とマイクをとり、デモ禁圧攻撃を加えてきた国家権力を激しく弾劾した。「デモ禁止、上等じゃないか!」「渋谷を実力で解放するぞ!」「資本家も国家権力もビビってんじゃねぇ! 団結した力でこの世界をわれわれの手に奪い返そう!」——意気天をつくアジテーションが響き渡った。
 いよいよデモに出発。必死に押しとどめる幾層もの機動隊の壁を突き破り、デモ隊が渋谷の街に飛び出した。朝からの雨にもかかわらず、多くの青年が沿道に集まりデモに大注目している。「デモだ!」と走ってくる若者も多数いた。外国人の姿も目立った。
 デモ隊は、固くスクラムを組んで渋谷駅前に向かった。機動隊や公安刑事どもは、ひたすた防戦一方。デモコースと歩道の間に二重三重に鉄柵(てっさく)や阻止線を築き、渋谷駅前方面に向かう交差点(神南1丁目)には何台も大型バスを並べて完全に交通を遮断した。若者たちの怒りに火がつきデモに大合流する現実性に心底から震え上がっているのだ。
 参加者はこの日、全員が「法政大のように闘おう!」「動労千葉、米ILWU(国際港湾倉庫労組)や韓国・民主労総のように闘おう!」と決意して闘いに臨んだ。サミット弾圧を完全に粉砕した5・28〜29法大決起を労働者の魂で受け止め、ひとつの闘いとして大デモを打ち抜いた。
 警察権力は不当にもデモ中に8人の青年労働者・学生を逮捕した。しかしデモ隊は、終始攻勢をとり、警察権力を圧倒し続けた。サミットはズタズタにじゅうりんされ、渋谷の街中が解放感にあふれた。
 「今日のデモに完全勝利したぞーっ!」——解散地で青年労働者・学生が高らかに勝ちどきをあげた。勝利感あふれる笑顔がはじけた。いくら全国から機動隊をかき集めても、全然たいしたことない。団結した労働者は絶対に負けない!——6・29渋谷デモは、このことを全国、全世界の労働者に示した。

 第2章 “次は7・6札幌だ!”

 この日の集会は「ヨッシーとジュゴンの家」の力強い演奏で始まった。その間にも朝から降り続く雨をついて、参加者が続々と集まった。
 基調報告は動労千葉の田中康宏委員長だ。田中委員長は権力のサミット弾圧を激しく弾劾すると同時に、労働者の怒りの爆発に心底からおびえる支配階級の姿を浮かび上がらせた。(要旨別掲)
 圧巻は5・28〜29法大決起を闘った全学連の発言だ。5月29日に逮捕された東北大生は「学生の闘いは全世界の労働者の闘いがつくりあげたものだ。留置場で秋葉原事件や韓国100万人決起を知り、『本当に革命がやりたい!』と思った」。決死のハンストに決起した法大生は「わずか世界の1%の支配者のためにこの社会はあるんじゃない。奪われた富を奪い返そう!」と叫んだ。
 辺野古で闘う青年労働者は「革命の火薬庫=沖縄から東京に火を付けにきたぞ!」と檄(げき)を発した。また国鉄、教労、全逓、自治体、医療、合同労組などの労働者が、自らの職場闘争とG8サミットへの怒りを語った。万人を獲得し、誰もが奮い立つような素晴らしい発言が続いた。
 また、連帯のあいさつとして三里塚芝山連合空港反対同盟事務局長の北原鉱治さん、憲法と人権の日弁連をめざす会事務局長の武内更一弁護士、部落解放同盟全国連合会西郡支部などが熱いアピールを行った(発言次号)。
 6・29デモはハンギョレ新聞(韓国)、ロイター通信、AP通信など多くの海外メディアをつうじて全世界に伝えられた。韓国では先週、連日連夜の闘いが爆発し、警察権力を圧倒する闘いへと発展している。6・29渋谷デモはこれと完全にひとつの闘いだ。
 次は7・6札幌だ! さらなる怒りを結集し札幌現地に総結集しよう。