2008年6月16日

東京中郵廃局阻止闘争の地平 労組解体と大首切り攻撃に党の団結を固めて勝利開く

週刊『前進』06頁(2347号4面2)(2008/06/16)

東京中郵廃局阻止闘争の地平
 労組解体と大首切り攻撃に党の団結を固めて勝利開く

 5月7日、われわれは東京中央郵便局廃局・銀座移転攻撃を打ち破って、勝利者として銀座局に登場した。日帝国家権力の東京中郵廃局にかけた狙いである革命党解体と労働者の団結破壊の攻撃を、中郵細胞の強化を軸にした地区委員会の団結の強化・拡大によって打ち破った。

 第1章 「銀座移転」でなく「中郵廃局」攻撃だ

 今回の闘いを振り返って決定的なことは、攻撃を「銀座移転」ではなく「中郵廃局」攻撃としてはっきりさせて闘いぬいたことだ。ここに階級的労働運動路線の核心と勝利の道筋をつかんだ。この対極に体制内派の協会派・中郵支部執行部と日本共産党・郵産労があった。
 われわれは、中郵廃局攻撃としてとらえ切ることで、これが大都市部での郵便局統廃合攻撃と2万4千人首切りの突破口であることを突き出した。そして攻撃の狙いは、闘う労働者の団結の解体にあること、したがって「闘って団結が固まれば勝利」として闘いぬくことができ、「絶対反対方針で闘う以外にない!」と確信をもって貫いたのである。
 一方、体制内労働運動は、今回の攻撃を単純な「銀座移転」としてしか見ようとしなかった。「配転一時金4万円の実現」(支部執行部)、「200項目の要求を出す」(郵産労)という方針ならざる方針しか出せず、廃局攻撃に完全に屈服・加担した。
 われわれは昨年10月の民営化攻撃に対して「郵政民営化絶対反対」路線で闘い、その後もその立場を貫いてきた。しかし、昨年の単純な延長で今回闘いぬけたわけではない。1〜2月、組合が闘う方針を出さず、本部が移転を認めてしまっている中で、現場労働者の不安や怒りがバラバラにされていく現実との必死の格闘の中で、敵の攻撃は「移転ではなく廃局攻撃だ!」ととらえ切り、絶対反対で闘いぬくことができたのである。
 次に確認したいことは3・16闘争を「銀座移転・統廃合絶対反対5000人集会」として闘いぬく方針を持ったことだ。6人の青年労働者の不当逮捕攻撃を粉砕してかちとられた3・16闘争は、資本や国家権力との非和解的闘いを貫くことで労働者階級としての団結・共同性を取り戻し、労働者として自らの持つ力を自覚することの決定的な意味を明らかにした。また新自由主義という帝国主義の最後の破産的攻撃に対して、団結の実現・拡大をもって総括していくという闘い方のみが勝利を切り開くことができることを示した。この3・16闘争を闘いぬいた労働者が4月職場闘争の先頭に立ったのだ。

 第2章 「超勤拒否」の職場闘争が展望を開く

 3・16闘争を闘いぬいた中郵の闘う労働者は4・21集会を設定し、「超勤を拒否して集会に集まろう」と連日、職場実力闘争を闘った。この闘いに追い詰められた当局は、集会当日、先頭で闘う労働者に対して「本日、超勤を行え」という業務命令を出してきた。「ついにやった。業命を引き出した。これで勝利した」と中郵の仲間は確信した。4・21集会は、この労働者を先頭に、超勤を拒否して結集した中郵の労働者を始め120人の参加でかちとり、終了後、全員で中郵前までデモ行進を闘いぬいた。
 この4月の職場実力闘争は、中郵の闘う仲間にとってギリギリした飛躍の連続であった。すさまじい欠員状態の中で「自分が超勤拒否したら、本当に事業が破綻(はたん)する」ような職場の現実の中で、超勤拒否を貫くことは大変なプレッシャーがあった。4・21集会へ向かう過程での集会実行委員会での討論を通じて中郵の仲間は、このプレッシャーを跳ね返して、積極的攻勢的な方針として超勤拒否闘争を実現したのである。
 そして、この職場実力闘争の方針を牽引(けんいん)したのが、職場ニュース「だんけつ」であった。職場ニュース「だんけつ」は、それぞれの時点で職場の労働者の気持ちをとらえて闘いの方針を打ち出し、職場情勢を動かした。とりわけても、当局が中郵廃局のために強行実施しようと打ち出したデタラメな「班別シミュレーション」に対して、実施絶対反対方針を打ち出した第28号は、職場の空気を一変させた。その「だんけつ」28号で打ち出した「労働者に権力をよこせ」が、まさに大衆の声となって浸透したのだ。
 この職場闘争での総括で重要なことは、1人の労働者の決起が事態を切り開いたということだ。
 職場では、体制内労働運動が資本・当局と一体となり、闘いに立ち上がる労働者をつぶしていく役割を担っている。過激派キャンペーン、レッテル張り等々。彼らは「闘ったら団結が乱れる」という逆転した論理をもって、資本・当局に従う「団結」を言っている。資本に忠誠を誓う体制内労働運動の「団結」によって、職場は労働者が個々バラバラにされている。資本をふやすために労働者同士が競争させられている。「会社あっての自分」というように、労働者の階級性が奪われているのだ。そんなのは労働者の団結ではない。
 労働者の階級的団結は、資本と非和解的に闘う中でのみつくられる。1人の決起は大変困難だが、「資本・当局のやり方は間違っている」「現場の怒りに正義性がある」ということを貫くことによって、労働者は自分が誇り高き労働者だと実感する。やはり、自らが先頭で闘う姿を見せて、職場で1人でも2人でも、より多くの職場の仲間を立ちあがらせることが重要だ。団結には軸が必要だ。軸があれば必ず労働者は団結する。まず、その団結の軸に自分がなるということが決定的だ。1人の労働者の闘いに無限の可能性がある。このことを、今回の闘いは明らかにしたのである。

 第3章 マル青労同の団結の力で危機を突破

 今回の闘いの過程では4月初めが決定的な転換点となった。党として4・21集会・デモ方針を打ち出したが、4月初めに職場細胞の団結が大きく揺らいだ。地区委員会での討論が職場で先頭で闘う青年労働者の苦闘と思いと一体化した討論としてやりぬけなかった。そのことが、闘いを危機に追い込んだ。職場の厳しい現実の中で、地区委員会として職場細胞の同志とりわけ先頭で闘う青年労働者に、どこで事態を切り開くのかを提起できなかったのだ。
 この危機を突破した力は、マル青労同の団結の力であった。そこではっきりさせたことは、「まず自分が党として職場でぶっ立つ」ということ。中郵廃局攻撃は、新自由主義攻撃そのものとしてあり、攻撃の核心は党の団結破壊をつうじて、職場・労働者をバラバラにするという団結破壊攻撃だ。これを跳ね返し勝利する力は、揺るがぬ党(職場細胞)の団結の強化にある。このことをはっきりさせた時、事態は大きく進んだ。
 党の団結が情勢を動かした典型的事態は、4月18〜21日の過程で起きた。4月18日の昼、マル青労同の討論にもとづいて出した「だんけつ」28号が職場の雰囲気を一変させた。そして、その夜に緊急に開催した首都圏全逓委員会での討論は中郵細胞の団結を強化し、中郵細胞の団結を軸に全逓委員会が強固な団結を固め、翌朝の局前情宣を決定した。
 翌19日朝、全逓委員会の同志を先頭に地区が決起し、中郵前で横断幕を広げた情宣を貫徹した。この早朝情宣は、中郵の労働者に強烈なインパクトを与えた。後日、4・21集会に参加した労働者が「あれを見て『もう引けないな』と思った」と語ったように、党の団結が職場の団結を実現したのだ。マル青労同の団結、産別委員会の団結、そして地区委員会の団結が新たな決起を切り開いたのである。またこの過程では、地区で毎週貫徹した中郵前での『前進』売りの情宣活動は、職場細胞の闘いを激励しともに職場情勢を動かす力となった。

 第4章 5・7銀座移転後は「二重権力状態」に

 今、職場は完全な「二重権力状態」になっている。われわれは廃局阻止闘争を闘うことで、一個の「権威」「権力」を職場につくり出したのだ。もちろん、これは道半ばにすぎない。いまだ組合権力は、体制内労働運動派が握っている。しかし、われわれは今回の中郵廃局阻止闘争の中で「必ず勝てる」という展望と確信をつかむことができた。「だんけつ」編集委員会を拡大して、実質的な職場闘争委員会として闘いぬき、必ずや連合執行部を打倒して、われわれ階級的労働運動派が組合権力を獲得していく。
 当面する課題は、体制内労働運動に代わってわれわれが職場で職場闘争の先頭に立ち、原則的で階級的な労働組合運動を実践すること、そして、この実践を土台に、大胆な組織拡大闘争に打って出ることだ。
 機関紙を拡大し、マル青労同・党として職場の仲間を同志に獲得していく、この組織拡大の闘いが次の大闘争を切り開く。そのためにも地区委員会・職場細胞の団結を固めて、6・29サミット粉砕闘争−11月労働者集会1万人結集へ全力で闘いぬく。
 〔革共同・東京中部地区委員会〕