2008年6月16日

6・29代々木公園から渋谷へ 世界揺るがすデモを 死すべきは資本主義だ! 38同志を奪還しサミット粉砕へ

週刊『前進』06頁(2347号1面1)(2008/06/16)

6・29代々木公園から渋谷へ 世界揺るがすデモを
 死すべきは資本主義だ!
 38同志を奪還しサミット粉砕へ

 労働者にとってあまりにショッキングな出来事が起きた。東京・秋葉原で起きた無差別殺傷事件だ。若者でにぎわう歩行者天国にトラックで突っ込み、凶器を手にしたのは25歳の派遣労働者だった。結論から先に言いたい。われわれ労働者は希望だ。労働者はこの社会を覆し革命を遂行するパワーを持っている。青年労働者・学生は革命を求めている。必要なのは闘う方針と仲間の団結、そして実践だ。死すべきは資本主義である。職場の怒りをサミット決戦の大爆発へ結集しよう。

 第1章 団結と闘いにこそ希望

 この若者が心から求めていたのは団結だった。孤立感で絶望した彼が殺傷したのは、本当は団結してともに資本や権力と闘うべき労働者や学生の仲間だったのだ。
 本来は最も人間らしい活動を行う場である労働現場で、なぜこのような絶望が生み出されるのか。われわれ労働者の生きている現実は逃れられない宿命なのか? 労働者は資本の過酷な搾取になすがままなのか? いや断じて違う!
 この社会は、われわれ自身の選択と行動によって変革できるのだ。労働者にはこの資本主義を根底から転覆して、新しい社会を生み出す力がある。青年労働者よ、絶望するな! 資本に断固反撃しよう。労働者が団結すれば勝てる。労働者が団結すれば会社も政府もぶっ倒せる。革命をやって労働者は生きよう!
 圧倒的に大多数の人間を賃金労働者として人間疎外の極地に追いやる資本主義社会が間違っているのだ。日雇いの超低賃金労働、過労死ギリギリの長時間労働、格差、貧困、不安定……われわれ労働者はこの現実を断じて容認しない。怒りは当然だ。敵をハッキリさせて、この憤激を資本や権力に向けよう。怒りを闘いに転じよう。
 世界を見よ! 韓国では、百万人規模の反政府デモが闘われている。青年労働者や学生が先頭で闘っている。インド、マレーシア、インドネシア、イギリス、スペイン……世界中で労働者と農民の闘いが高揚している。世界の労働者階級は闘って生きる展望を生み出しているのだ。

 第1節 秋葉原事件が突き出したもの

 この青年は、業務請負・派遣大手の日研総業に登録し、静岡県裾野市にある関東自動車工業に派遣されていた。関自はトヨタグループに属する自動車メーカーだ。彼は輸出用カローラの塗装点検の業務を行っていた。
 先月末、工場の責任者が200人の派遣労働者のうち150人の契約を解除すると説明した。後日、彼は一転して雇用継続が決まるが、出勤した更衣室で作業着が見つからず、激高して、工場を飛び出した。
 日研総業は、悪質な偽装請負・違法派遣で問題視されてきた業務請負・派遣会社だ。関自での契約期間は原則1年間だが1カ月前に申し入れれば期間短縮できた。これまでも資本の都合で一方的に解雇してきたのだ。
 専門業種に限定されていた労働者派遣業は規制緩和で99年に一般業務が自由化された。04年には自動車製造を含む製造業も全面緩和された。派遣労働者はほとんどが時給で、派遣先の都合で配属先や勤務時間が変えられ、簡単に解雇される。
 「ああ、住所不定無職になったのか、ますます絶望的だ」「犯罪予備軍って、日本にはたくさんいるような気がする」——契約解除を聞いた若者が書き込んだ携帯サイトの掲示板だ。たった一言の冷酷な解雇宣告。業者が借りていたワンルームマンションからの追い出し。工場で働く200人の労働者が感じた怒りと絶望はいかばかりか。
 「それでも、人が足りないから来いと電話が来る。おれが必要だからじゃなくて人が足りないから。誰が行くかよ」「仕事に行けっていうなら行ってやる。流れてくる商品全部破壊してやる」
 労働力を必要な時に必要な分だけ確保する労働力のジャスト・イン・タイム(トヨタ生産方式)。ふざけるな! 労働者はモノじゃない! 労働者の人格も生活もすべて眼中にないトヨタ資本と悪徳派遣業者。この過酷な搾取で生み出したものがトヨタの2兆数千億円の経常利益なのだ。

 第2章 革命の主体は労働者だ

 この間、派遣最大手のグッドウィルの幹部が逮捕され、日雇い派遣の「規制」問題などが議論されている。だが財界は「国際競争力が失われる」と抵抗し、厚労相の舛添も「派遣労働がみんな悪いわけではない」などとうそぶいている。
 政治家や財界は派遣労働者を「多様で自由な働き方をしている人」と言う。まったく冗談ではない。昼夜逆転、体もきつい夜間の仕事を多くの非正規雇用の労働者が担っている。この数年で非正規雇用は労働者の3人に1人へと拡大した。
 他方で国内企業の経常利益は03年度の36兆円から3年後には約54兆円へ史上最高に膨らんだ。
 われわれから搾取した労働をすべて返せ、もう奴隷労働は拒否だ!
 要するに資本主義が問題なのだ。すべてが資本の利潤、資本主義体制の強化のために存在するこの社会が悪い。革命が必要なのだ。そして資本主義社会を変革できるのは誰か? それは、ほかならぬ労働者階級だ。
 現代人の生活を支える生産は、ほぼすべて資本主義の様式で行われている。工場や機械、原材料などを社会的に独占している少数の資本家階級が多数の労働者を雇い入れ、その労働によって生産が行われる。この資本主義を支えているのは働く労働者自身なのだ。
 そして労働者階級は資本主義社会の担い手であると同時に、この社会を根本から転覆する革命の主体なのである。
 資本主義社会の最大の矛盾と問題は、人間社会を成り立たせている労働の担い手である労働者が社会の主人公ではなく、資本の支配のもとで商品としてモノ扱いされ、血も涙もない搾取を受けていることにある。
 資本主義は、人間の労働する能力、人間そのものを商品化することをとおして、労働者を支配し、搾取し、膨大な利潤をあげている。搾取される労働者が人間性のすべてをかけ、自らの置かれた現実を拒否し、資本主義を粉砕するのがプロレタリア革命である。
 資本主義が盤石の時は、大多数の労働者は、自己と家族の生活を維持するために資本のもとで働く。労働者がよりよい生活のために資本の支配のもとで一生懸命に働くのはある意味で当然だ。
 だが今や資本主義は危機の時代に突入した。資本主義の矛盾が爆発的に噴出している。労働者はもはや資本主義のもとでは生きていけない。秋葉原事件はその象徴だ。これは圧倒的多数の青年労働者が感じていることである。ブルジョアジーはこの事態に震撼せよ。

 第3章 法政大のように闘おう

 資本主義のもとではもう生きていけない——これが青年労働者や学生の叫びである。すでに資本主義はまともに自己運動できない。そしてむき出しの国家暴力以外に資本主義の支配が成立しないことを示しているのが、法政大学の現実である。
 秋葉原で逮捕された青年が最初に留置され、捜査本部が置かれる警視庁万世橋署には、くしくも5月29日の法大闘争で逮捕された学生も獄中に閉じこめられている。
 法大で逮捕された38人の学生は、自らの人間的選択と行動のすべてを団結にかけて、奴隷の鎖を断ち切る自己解放的な決起をした。国家権力の暴力—弾圧と真っ向から対決して、最後の1人まで不屈に闘いぬいた。
 法大では資本主義支配の最後の秘密が暴露されている。灰色ジャージの白色テロ専門の職員や、正門前で数珠つなぎに並んで監視する公安警察。「大学はより良い労働力にする工場」と公言する当局。法大には学問の府などという幻想は存在しない。資本と国家暴力が直接支配している。
 学生や労働者が一切の犠牲を恐れず、資本や権力のゲバルトと対決しぬいた時、一挙的な革命的変化を生み出すのだ。労働者や学生が意識的、能動的にその人間性を貫いた時、資本主義をぶち破ることができるのだ。
 だからあらゆる職場で法政大学のように徹底的に闘おう。工場を労働者の力で占拠し、ストで職場をぶっ止め、韓国の百万人デモのように街頭を埋め尽くそう。雇用破壊もワーキングプアも医療や福祉の問題も、労働者が資本主義をぶっ壊さない限り解決しない。
 米帝ブッシュを始め帝国主義の強盗どもが世界で戦争をやり、民営化・労組破壊や、失業や貧困を労働者階級人民に強制するのがサミットだ。徹底粉砕あるのみだ。
 革命の時代が来た。青年労働者・学生は革命に生きよう。6・29代々木公園から渋谷へ、サミット粉砕の世界を揺るがす大デモをやろう。韓国や法政大の闘いに続け。