法大ストを打ち抜こう 国際的団結でサミット決戦爆発へ “監獄大学”の暴力支配ぶち破る
法大ストを打ち抜こう
国際的団結でサミット決戦爆発へ
“監獄大学”の暴力支配ぶち破る
「38人の逮捕は無抵抗の学生の逮捕ではない。すべての労働者の怒りを代表し、闘って、闘い抜いて逮捕された。法大生の最も怒りを持つ部分と魂の結合ができる最高の闘いだ」
前日に逮捕され、獄中で一報を聞いた全学連の織田陽介委員長は檄(げき)を飛ばした。
5月29日昼休みの法政大学市ケ谷キャンパス。正門は封鎖され、キャンパス中央の広場は立入禁止。正門の外には公安刑事百数十人が鈴なりとなっている。アリのはい出るすきもない弾圧体制とはこのことか!
だが、「サミット粉砕」「処分撤回」を掲げた法大生と全国の学生が超戒厳体制をぶち破って学内に次々と登場し、集結。学内デモだ。この瞬間、キャンパスは完全に学生のものになった。恐れをなした警察権力は百数十人の公安刑事を突入させた。
学生は固くスクラムを組み、一歩も引かない。公安刑事どもの襲撃をことごとく撃退、逮捕された仲間を何度も全員で果敢に奪還し、最後の1人が逮捕されるまで闘い抜いたのだ。
第1章 団結でかちとった勝利だ
目撃者は語る。85年10・20三里塚戦闘を経験した同志だ。「襲いかかった私服刑事どもを押し返した時は本当に感動的だった。10・20戦闘よりすごかった」
「本当の団結を感じた。逮捕がこんなに楽しいとは思ってなかった。サミット決戦の大爆発は不可避だ」——逮捕された学生の言葉だ。そう、これが団結なのだ。
ビラ・立て看板・マイク演説・クラス討論・集会・デモ……法大ではすべて禁止されている。灰色ジャージ姿でそろえた暴力専門職員が「殺してやる」と襲いかかる。大学周辺には常時、公安警察がうごめく。29人が逮捕された06年3・14弾圧以来、延べ83人の逮捕者を数える。
だが学生の不退転の覚悟は、監獄大学を革命の砦(とりで)へと転化させる闘いとして貫かれたのだ。5・29闘争は、弾圧体制を見事なまでに打ち破ったのだ。数十年の学生運動の水準を革命的に塗り替える決起だ。
学生がキャンパスに登場するだけで逮捕! 大学において、ここまで支配階級の露骨な暴力支配が露呈するのは革命直前かクーデター、他国軍隊による占領の時ぐらいである。しかも5・29闘争は、このような支配階級の公然たる暴力弾圧を引き出し、なおかつ、それと真正面から衝突し、闘争を貫徹したのである。
「世界と並ぶ闘いが法政から始まった」。逮捕された学生が叫んだ。
まったくそのとおり! これこそがサミット決戦だ。階級的激動期を労働者階級が自らつくる闘いだ。若き革命家たちの身をなげうつ決起によって日本階級闘争の内乱的発展の展望がついに切り開かれたのだ。革命の現実性を現実の革命に転化する決起だ。
獄壁を越えて闘う法大生、全学連の学生は勝利感に満ちている。「38人の逮捕こそ支配階級の恐怖の現れだ。闘いに誇りを感じる」「これだけの弾圧でしか大学の支配もサミットもできない。われわれは勝利している」
法大闘争は、帝国主義の暴力支配を突き破り、日帝と直接対決する闘争になっている。支配階級に決定的な敗北感を強制している。
大学や警察の幻想も権威もすべて化けの皮がはがれた。いや、日帝支配階級そのものの権威が失墜し、その物質力が雪崩を起こして崩壊を始めているのだ。法大闘争の展開は、そのことを象徴的かつ衝撃的に全社会に示した。そして、法大闘争自身が帝国主義の階級支配の基盤を揺るがしているのだ。
確かに、どんなに矛盾があっても支配階級が強固で資本主義社会が安定している時は、圧倒的大多数の労働者や学生は闘いの外側に立つだろう。逆に闘う者に対しては権力の弾圧が見せしめとして襲いかかる。
しかしながら、今日の帝国主義はその物質的存在基盤が土台から崩れ始め、その幻想は日々破られつつある。法大の学生の就職率は約4割。青年労働者の2人に1人は一生フリーターだ。こんな資本主義と運命をともにするわけにはいかない。ところが大学当局は露骨に隣の学生を蹴落とし、奴隷として生きていけと公言する。そして人間的主体性も自由も一切奪い尽くすのだ。
第2章 新たな革命家が続々登場
学生の怒りはもう氾濫(はんらん)寸前なのだ。競争を拒否して、団結に生きよう! 権力は万能ではない。学生の団結で打ち破ることできるのだ——これが今回の闘争のすごさだ。帝国主義の階級支配の最後の手段である暴力と弾圧、これが学生の団結の前に敗北したのだ。
「学生は……かけがえのない団結をかちとる存在だ。資本主義社会はそれを認めない。とことんまで競争させて分断し尽くし、奴隷へと人間をつくり変えようとする。授業も単位も就活も、幻想をあおってあたかも学生自身の選択かのようにみせているが、本質は分断だ。支配と化した授業を団結の力で粉砕し、奪還しよう」(5・29包囲デモを呼びかけるビラ)
法大闘争は現代の戦艦ポチョムキンである。
——蛆(うじ)のわいた腐肉スープ。食べることを拒否した十数人の水兵。処刑を命ずる強圧的な上官。1人の水兵が叫ぶ。「兄弟たち、誰を撃つつもりか」。反乱が始まる……。
一切の犠牲を恐れず、権力の暴力支配を打ち破る闘いこそが、大量の学生や青年労働者の一挙的な革命的変化を生み出すのだ。だからあらゆる職場で法政大学のように徹底的に闘おう。学生・労働者は革命的存在であり、革命の主体として自ら変革し、飛躍する存在なのだ。
06年3・14以後の学生の闘いはまさにそうした闘いだった。今回の闘争で逮捕された学生の半数が初逮捕だ。3・14以後の決起が非常に多い。これこそが革命にかける学生や青年労働者を一挙に創出する闘いなのだ。
法大を先頭に全国の大学キャンパスで新たな闘いが始まっている。法大では5・29当日も、33人が逮捕された直後から文化連盟の主催で抗議集会が行われ、法大包囲デモも貫徹された。無期限ハンストも闘われている。1年生、2年生の活動家が「自分が織田委員長になり代わる」と決意して闘いを再構築している。5・28〜29闘争は、法大と全国のキャンパスに革命の新たな指導部を瞬く間に生み出している。
これこそが法大闘争の展望だ。獄中の学生もキャンパスに残った学生も獄壁を越えて団結をより強固にし、自らを革命家として鍛え上げるのだ。
28日に逮捕され、6月3日の裁判に獄中から出廷した新井拓君は「世界中、日本中に革命の火薬が詰まっている。われわれが火花だ」と語り、サミットに対し「ストライキ」の5文字を首都・東京のど真ん中に打ち立てる、と宣言した。
労働者同志の1人は語る。「感動した! 泣いた! そして心底奮い立った。彼らを限りなく誇りに思う。団結したい。6・29サミット決戦で彼らの勝利の本当の意味を日帝国家権力に嫌というほど教えてやる」
学生の決起に続こう。5・28〜29決起を真に21世紀の「10・8羽田闘争」とするかどうかは6・29代々木の闘いにかかっている。
第3章 “闘いはこれからだ” 京大で緊急集会
京都大学で5・29の翌日、緊急集会を行った(写真)。残った仲間が夜を徹してビラを書き、プラカードを作り、組織化に走った。闘いはこれからだ!
「学生の団結が国家権力を追いつめた。これは完全な勝利だ。暗黒の時代じゃない。団結で革命やるんだ」
1時間の昼休みで数百枚のビラが配られた。雨後の竹の子のように学生の決起が生まれている。弾圧が学生の力を引き出しているのだ。「自分が織田委員長だ」と決起している。
(京大A)