2008年6月 2日

人事評価制度に反対しよう “仲間と競争する必要ない” 東京労組交流センター自治体労働者部会のビラから

週刊『前進』08頁(2345号3面3)(2008/06/02)

人事評価制度に反対しよう
 “仲間と競争する必要ない”
 東京労組交流センター自治体労働者部会のビラから

 東京労組交流センター自治体労働者部会のビラを紹介します。(編集局)
 人事評価制度に絶対反対! 職場の仲間同士で評価され、点数で上下の差がつくのは本当にいや〜なことです。〈A・B・C・D・E>の評価で仲間を分断することにどんな意味があるのか。
 みんなで拒否しよう。〈面接拒否>〈自己評価シート提出拒否>——職場に団結と誇りを取り戻す良い機会です。これは一人ひとりが隣の仲間との団結を取り戻す職場闘争です。
 どんなに言葉巧みに言い繕っても、評価によって職場の仲間に〈上下>の差をつけることは、職場のまとまりや助け合い、人間関係まで破壊するものです。
 忙しい部署では、互いに手伝ったりして業務をまわしています。それぞれ要領の良し悪しや業務の得手不得手、経験の違いをフォローしながら働いています。
 これが個人の点数として評価されるようになったら職場はどうなるでしょうか。自分の担当業務が最優先になって、仲間が大変そうでも知らん顔。いえ、自分の評価を高めるために、業務の知識や経験をまわりに教えないなんてこともあるかもしれません。
 すでにいまの職場でも、要員が足りず、本当にゆとりがありません。そんな中でも個々人で努力もしているし、互いに助け合っています。そこへ無理やり職場の仲間同士で評価を競争させることにどんな意味があるのか。
 今でも私たちの職場にはたくさんの分断があります。正規職員と臨時職員、業務の違い、管理職と非管理職、男性と女性、子どもがいる人いない人……多種多様なのは当たり前です。だけど人が足りず多忙な職場では、それが対立的な関係にされてしまいます。
 人事評価制度は、私たち労働者にとって百害あって一利なしです。すでに多くの仲間がメンタルヘルスで休職したり、生命を奪われています。これ以上、疲弊感に満ちた息苦しい職場をつくらせてはならないと思うのです。
 総務省は、人事評価制度を全国の自治体に3年で導入しようと考えているようです。約400万人の公務員全員を〈A・B・C・D・E>にランク付ける恐るべき攻撃です。
 福田政権は、道州制や市町村合併、民営化を通して、自治体職場を半分に減らし、200万人の余剰人員化—大リストラを狙っています。『週刊東洋経済』の「公務員200万人がワーキングプアになる日」と題する特集は衝撃的でした。
 希望退職であれ、分限免職であれ、民間への身分移管であれ、2人に1人の労働者が職場から追放される攻撃です。80年代国鉄分割・民営化型の攻撃が自治体職場に襲いかかろうとしているのです。実際、社保庁では年金機構への改編でC・D評価の労働者700人が解雇されようとしています。
 人事評価制度の狙いは明白です。労働者の分断と競争です。同じ職場で一緒に働く仲間、飲みに行って上司の悪口を言っていた仲間が互いに足を引っ張りあい、蹴落とし合う関係にされるのです。
 奴隷根性が蔓延(まんえん)する職場はまっぴらごめんです。でも逆に隣の仲間との関係や団結、労働組合について考える良い機会です。職場を動かしているのは私たち労働者なのです。
 みんな怒っています。業務をちゃんと回すにはきちんと要員を確保することです。競争と分断でうまくいくわけがない。〈労働者は競争反対! 団結しよう>——労働組合の当たり前の原則を職場に取り戻そう。
 自治労は「4原則(公平・公正性、透明性、客観性、納得性)と2要件(労働組合の関与・参加、苦情解決制度)」が満たされればOKと言っています。反対のポーズでさえありません。公平・公正なら仲間のクビを差し出すのか!
 世界中で労働者が怒って、闘っています。1世紀に1、2度あるかないかの階級闘争の時代です。欧州を中心に国鉄や教員、郵便、自治体などの公務員労働者のストが頻発しています。世界は史上3度目の革命情勢に入ったと言われています。
 労働者は怒って当然なんです。世界金融大恐慌の情勢です。インフレや食糧危機に直面した労働者や農民が「生きさせろ!」の闘いに立ち上がっています。私たち自治体労働者も労働者です。怒って当然、闘っていいんです。
 私たちの先輩たちもこんな闘いをやってきたのです。人事評価制度拒否や土日開庁拒否など、職場に団結を取り戻し、労働組合を復権させる職場闘争をやろう。