2008年5月26日

市東さん耕作権裁判 “測量せず土地特定”?! NAAのデタラメを追及

週刊『前進』06頁(2344号4面3)(2008/05/26)

市東さん耕作権裁判
 “測量せず土地特定”?!
 NAAのデタラメを追及

 5月19日、千葉地裁で三里塚反対同盟・市東孝雄さん耕作権裁判の第7回弁論が開かれ、反対同盟を始め90人が傍聴・支援に駆けつけた。
 2007年2月、成田空港会社(NAA)は、市東さんが祖父の代から耕作し続けてきた天神峰の畑に対し「不法耕作だから出ていけ」という訴訟を起こした。あれから1年3カ月で6回の弁論が開かれたが、その悪らつな意図にもかかわらず、被告席の市東さんと弁護団が、原告NAAのデタラメを徹底追及する闘いになっている。
 NAAは、土地の位置・形状の特定がまったくいい加減で測量もくい打ちもやってないことを指摘され、しどろもどろになっている。そしてこの期に及んで「空港反対運動の激化で、現地での境界立ち会いや測量ができなかった」などと苦し紛れに言い出したのだ。ふざけるのもいい加減にしろ! こんなデタラメな訴訟は即刻取り下げられなければならない。
 弁護団は求釈明の準備書面を読み上げて、市東さんの土地の隣接地について「立ち会いがあったか、実際に耕作していたのはだれか、確認書がないのはなぜか」と一つひとつ具体的に明らかにするよう鋭く迫った。また独自の測量・調査にもとづき、祖父・市太郎さんの入植以来の市東家の耕作状況を明らかにした。菅原崇裁判長は、当初の拙速裁判のもくろみを打ち砕かれ、原告に釈明を促すしかなかった。
 終了後、弁護士会館で記者会見と報告会が開かれた。冒頭に市東さんが、「今は力のあるものが『正義』ということになってるが、そうはさせない。法廷でおかしな点があればすぐ手を挙げて指摘できるようにがんばります」と決意を述べ、大きな拍手を浴びた。さらに弁護団による詳細な解説が行われた。
 反対同盟事務局長の北原鉱治さんは「30年前の今日、開港阻止決戦を闘った私は千葉刑務所から出てきた。成田空港はいまだに完成のめどさえ立っていない。農業切り捨てを許さず、未来をかけて闘おう」とあいさつした。
 動労千葉を支援する会の山本弘行事務局長は、動労千葉がスト態勢に入っていることを報告し、「三里塚闘争は世界とつながっている」と世界の労働者との国際連帯行動の意義を訴えた。市東さんの農地取り上げに反対する会代表の井村弘子さん、関西実行委の松原康彦さん、群馬実行委の青柳晃玄さんが地元での取り組みと決意を語った。
 最後に事務局次長の萩原進さんが「裁判闘争は敵の土俵ではあるが、裁判官を圧倒し人を引きつけることもできる。過密なスケジュールだが歯を食いしばって闘おう。6・8現地闘争の会場はうちの畑だ。全力で結集を」と訴えた。
 次回期日は9月1日。市東さんが耕す畑は、すべて市東さんに権利がある。NAAには指一本ふれる資格もない。傍聴に大挙結集し、「訴訟継続断念」に追い込もう!