2008年5月26日

帝国主義強盗会議粉砕へ サミットのテーマを斬る ④ 核保有・開発巡り争闘戦 青森“核サミット”粉砕を エネルギー・核問題

週刊『前進』06頁(2344号4面2)(2008/05/26)

帝国主義強盗会議粉砕へ
 サミットのテーマを斬る ④
 核保有・開発巡り争闘戦
 青森“核サミット”粉砕を
 エネルギー・核問題

 7月の洞爺湖サミットに先がけて、日・米・英・仏・独などの帝国主義国のエネルギー相会議(ロシア・中国・インド・韓国やIAEA〔国際原子力機関〕・世界銀行などの5国際機関も参加)が、6月7〜8日、青森市のホテル青森で開かれる。議長国の日帝は六ケ所再処理工場・核燃サイクル基地がある青森県をわざわざ開催県に選んだ。断じて許せない。

 第1章 「原発=クリーン」の大ウソを暴け

 今回のサミットはエネルギー・環境問題を主要議題に掲げている。だが、労働者人民を貧困・飢餓と戦争の中にたたき込み、環境を徹底して破壊してきた世界の帝国主義強盗どもは、環境保護どころか放射能を大量につくり出す環境破壊・被曝(ひばく)労働の大元凶=原発を「地球環境に貢献する」「クリーンエネルギー」と大ウソをついて世界中で推進しようとしている。日帝は「原子力の活用による地球温暖化対策を参加各国に働きかける」(4月12日の経産相・甘利発言)などと叫び、青森エネルギー・サミットを、この憎むべき核犯罪の共謀の場に仕立てあげようとやっきになっている。
 06年、米帝ブッシュ政権は、「国際核エネルギ・パートナーシップ」(GNEP)構想を発表した。世界恐慌への突入情勢下で死の苦悶(くもん)にあえぐ最末期帝国主義・米帝にとって、核を基軸とした軍事力は世界支配の最後の拠り所にますますなっている。だがその基盤をなす再処理・高速炉・原発の核産業における日帝・仏帝の追い上げ、またインドの核武装国家化などの核拡散の進行によって、米帝の従来の核支配体制は大きく破綻し始めている。
 GNEPの狙いは何か。①核兵器用プルトニウム生産の要である再処理・高速炉を最重点に、日帝・仏帝などが持つ最新核技術を米帝のもとに掌握し、米帝の利益に沿う形でコントロールしていく。②原発建設の大規模な推進をうちだし、日帝など他帝の資本を引き寄せ、共同で中国、インド、東南アジア、中近東など世界中に原発を大量輸出して暴利獲得をたくらむ。この2点だ。
 GNEPは「核拡散の種」と「死の灰」を全世界にばらまき、核戦争とチェルノブイリ事故再現の危機を激しく促進する。青森—洞爺湖サミットは、これに輪をかけるものにほかならない。
 核燃サイクル施設を保有し、独自の核武装と原発輸出を策動してきた日帝は、GNEPに飛びつき、米帝との間で日米原子力エネルギー共同行動計画=日米核同盟を結んだ。そのもとで日本最大の軍事資本の三菱が、米エネルギー省との間で、日本原燃とフランスのアレバ社とともにGNEPへの共同参画の契約を締結した。日帝は三菱を押したて、再処理・高速炉開発・稼働を公然と国内外で展開することをとおして、独自の核武装への決定的道筋をつけようとしているのだ。
 六ケ所再処理工場と高速増殖炉「もんじゅ」の主幹製造企業であり、原発の主力メーカーでもある三菱は、同時にH2Aロケット・軍事衛星の製造・打ち上げ事業を独占。さらに米軍再編攻撃のなかで、MD(ミサイル防衛)への参加、イージス艦建造、パトリオットミサイル3の生産などを推し進めている。
 「日本の核弾頭を積んだ大陸間弾道ミサイルは三菱重工がつくる」——とんでもないことだ。米・日帝国主義による核先制攻撃を柱とした東アジアへの新たな侵略戦争、日帝核武装への道を断じて許すな!
 六ケ所村にある日本原燃の再処理工場は、周辺を監視カメラと高圧線付きの二重の塀で囲み、工場間を地下道でつなぎ、人を寄せ付けない核軍事施設だ。アクティブ試験段階の現在、1日あたり派遣会社の労働者も含め下請け会社の労働者が1300人、全部で3000人以上の労働者が交代勤務しているという。

 第2章 労働運動の力で核武装化阻もう

 死の灰がぎっしり詰まった使用済み核燃料をばらばらに切断し硝酸に溶かして核分裂性物質のプルトニウムを取り出す再処理は、最も危険な作業だ。すでに19歳の下請け青年労働者がプルトニウムを吸って内部被曝したのを始め、相次ぐ内部被曝が起きている。
 また偽装請負のみならず、派遣労働者の告発で二重派遣の犯罪も明るみに出た。放射能汚染の最も強い工場中枢の現場に派遣労働者・下請け労働者が投入されている。
 再処理工場・高速増殖炉・原発、そして原子力機器製造企業の労働者こそ、日帝の核武装を阻止する決定的カギを握っている。金もうけと核武装・核戦争のため、被曝労働を強い、労働者の生き血を吸う資本主義・帝国主義を労働者階級の団結・国際連帯の力でぶっ倒そう。6・7〜8青森現地で”核サミット”阻止闘争を爆発させ、6・29東京・代々木公園に大結集しよう。
 (河東耕二)