2008年5月19日

“万国のプロレタリア 団結せよ” 第19回全国入管集会民族・国境こえて合流 民主労総ソウル本部が訴え

週刊『前進』06頁(2343号6面1)(2008/05/19)

“万国のプロレタリア 団結せよ”
 第19回全国入管集会民族・国境こえて合流
 民主労総ソウル本部が訴え
 新たな入管闘争始まる 

 「万国のプロレタリア、団結せよ!——160年前にマルクスと当時の労働者階級が万感の思いを込めて発したこの言葉こそ、私たちの思いであり実践です。民族差別・排外主義と入管体制を打ち破り、この場から新たな入管闘争を始めましょう!」との力強い基調報告——第19回外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会に集まった580人が一つに団結した瞬間だった。4・20関西集会に続き、5・11横浜で新たな入管闘争がスタートした。(本紙/室田順子)
 5月11日、横浜市教育会館ホールの正面に「打ち破ろう分断! 取り戻そう団結! 民族差別・排外主義と入管体制を打ち破り、全世界の労働者は団結しよう!」のスローガン、右手に急逝された林歳徳さんの遺影が白い花に囲まれていた。
 冒頭、林さんに黙祷した後、全国実行委員会が90年におよぶ林さんの激しい生涯を振り返り「林さんが名付けた『星火団』の一員として天皇制日本帝国打倒を誓う」と追悼の言葉を述べた。
 呼びかけ人あいさつで婦人民主クラブ全国協議会代表の西村綾子さんは「分断の壁を打ち砕き、民族、国籍、国境を越えて労働者階級の団結を固める新しい入管闘争こそ、私たちの未来を託せるものだ」と訴えた。
 連帯のあいさつの最初に、今春「君が代」不起立を闘いぬいた2人の女性教育労働者がサミット決戦への熱い決意を語った。次に部落解放同盟全国連合会西郡支部の末光道正事務局長と、八尾市に貯金を差し押さえられた供託者が登壇、「新自由主義と真っ向から闘う労働者の団結があれば、住宅闘争は勝てる。西郡から日本を変える」と宣言した。
 さらに憲法と人権の日弁連をめざす会の高山俊吉代表が、日弁連会長選挙戦の手ごたえを語り、「弁護士も団結をして自分の部署で頑張っている」と連帯を表明した。

 第1章 日立と闘い40年

 外国人への差別を許すな・川崎連絡会議事務局長で日立就職差別裁判元原告の朴鐘碩(パクチョンソク)さんは、「国籍を理由に就職を取り消した日立を訴えたのが19歳。勝利判決後、22歳で日立に入って何が見えたのか、大学に招かれて講演した」と話し始め、大企業での労使協調の実態を暴露し、「日立闘争は民族差別の不当性を訴えたものだったが、結局は国籍や性、宗教、思想、障害の有無、学歴など関係なく、人間が人間として当たり前に生きられる社会を求める闘いだった。このことを職場の労働者が置かれている状況を見て理解できるようになった。私は自分の足元から始めようと職場で悩み、チャレンジしている」と語った。
 この朴鐘碩さんの職場実践の報告を受けて、全国実の代表が基調報告に立った。

 第2章 「断固たる自分」

 「昨年、この横浜で開かれた第18回全国集会で『11月労働者集会に結集し、階級的共同闘争の道を進もう』と呼びかけて1年、仲間を信じて闘って、この日本に革命をもたらすメンバーがここにそろいました。私たちは星火団になって林さんの思いを受け継いでがんばります!」
 さらに「いよいよ世界は革命情勢です! 3・16世界一斉イラク反戦デモは『生きさせろ』の叫びから『生きてやる!』の闘いとなって燃え広がり、今やストライキは『やらねば。やれない』ではなく、『やりたい! やれる!』になったのです」と熱い提起が続き、「かつて故・高英三(コヨンサム)さんは、『断固たる自分』を確立し、団結して闘おうといつの時も話していました。国際連帯で闘う労働者とともに進むことを、入管闘争のあるべき姿として早くから高さんはめざしていたのです」と指摘、「私たちは信頼できる裏切らない仲間です。信頼し団結しともに闘うこと、それを実践しようとする私たちを支配階級は恐れています。それを武器にして闘いましょう。この場から新たな入管闘争を始めましょう!」。この提起を支持する満場の拍手が鳴り響いた。

 第3章 牛久収容所から

 牛久収容所問題を考える会の田中喜美子さんが大勢の滞日外国人とともに登壇し、「さまざまな国・地域から日本に来ている難民や移住労働者とともに世界の労働者は一つだと確認したい」と訴え、恋人や家族を引き裂く入管収容所、強制退去の実態を語った。ビルマでは死者10万人以上というサイクロン被害の中、軍事政権が憲法国民投票を優先させていると弾劾し、被災者支援を呼びかけた。
 次いで民主労総ソウル本部の4人が紹介され、パクミョンソク副本部長が「労働者はひとつだ! 日韓労働者の連帯闘争で移住労働者の権利をかちとろう」と力強く呼びかけた。(要旨別掲)
 アリメカ西海岸の全港湾をメーデーストで封鎖したILWU(国際港湾倉庫労組)のビデオを上映した後、動労千葉の田中康宏委員長が「労働者は百パーセントの自信と確信をもって一番困難なところ、自らの職場で闘いを開始しよう。それが全世界の労働者につながっていく。それが国際連帯だ」と訴え、さらに「きょうの集会も新しいジャンプ台になった。あとは実践、実践の中にこそ団結があり、革命がある」と言いきった。

 第4章 サミット粉砕へ

 決意表明では、「体制内指導部と闘って組合員除名処分をかちとりました!」と、職場の仲間との本物の団結をかちとった勝利を晴れやかに宣言した青年労働者が5・18沖縄闘争への檄(げき)を発し、全学連の織田陽介委員長が「世界の労働者が一つになるスローガンが洞爺湖サミット粉砕! 6・29を1万人で闘おう!」と訴えた。
 呼びかけ人の入江史郎さん(全国労組交流センター代表運営委員)が「世界の労働者は革命をめざし団結ガンバロー! トゥジェン!」。インターナショナルを合唱し、団結を固めた。