2008年5月19日

6・8三里塚闘争へ 09年度北延伸開業を許すな 闘う市東さんの農地守りぬこう

週刊『前進』06頁(2343号5面1)(2008/05/19)

6・8三里塚闘争へ
 09年度北延伸開業を許すな
 闘う市東さんの農地守りぬこう

 全世界で労働者階級人民のストや暴動が激発している。これら全世界労働者階級の闘いの牽引(けんいん)車として、11月労働者集会に結集する日韓米の闘う労働者・労働組合が立っている。規制緩和・民営化、労組破壊の攻撃とともに、農民・農業切り捨て攻撃が襲いかかっているが、三里塚芝山連合空港反対同盟は、市東さんの農地強奪・成田軍事空港化攻撃に対して敢然と闘っている。プロレタリア革命の勝利に向けて、労農同盟の砦(とりで)=三里塚を拠点に、洞爺湖サミット粉砕・新自由主義攻撃粉砕へ猛然と闘おう。6・8三里塚現地闘争へ全力結集しよう。

 第1章 “労農連帯の力で革命を!”

 世界は革命情勢だ。全世界でプロレタリアート人民が立ち上がっている。階級的労働運動路線の白熱的な展開をかちとり、プロレタリア革命を本格的に闘いとろう。
 マルクスは『賃労働と資本』冒頭の部分で1848年の革命を総括し、「あらゆる革命的反乱は、その目標はまだ階級闘争とは縁遠いかに見えようとも、革命的労働者階級が勝利するまでは失敗せざるをえない。およそ社会改造は、プロレタリア革命と封建的反革命とが世界戦争において武器をもって勝負を決するまでは空想たるにとどまる。われわれはそのことを証明した」と表明した。つまり“革命までは負け続けるんだ”“最後の決着はプロレタリア世界革命でつけるんだ”と強気の総括をしたのである。『共産党宣言』にも「労働者はときどき勝利するが、その勝利は一時的なものだ。本当の成果は、直接の成功にあるのではなく、労働者の団結がますます広がっていくことにある」と燃えるような革命的精神で、階級的団結を総括軸にする重要性を訴えている。
 3・16イラク反戦闘争を頂点とする1〜3月の闘い、それを引き継ぐ4〜5月の闘いは、階級的労働運動路線の白熱的実践として決定的な前進を切り開いた。あらゆる体制内的な思想や運動と決別し、「労働運動の力で革命をやろう!」と真っ向から提起して闘う青年労働者の隊列が、職場と街頭に公然と登場した。
 これと一体でかちとられた動労千葉の春闘24時間ストを始めとして4大産別を軸に闘いがまきおこっている。資本の支配とそれに屈服した体制内指導部のもとで労働者は徹底的に分断されている。しかし、職場で資本との非和解の闘いが開始されていった時、すべての分断はぶち破られ、労働者階級としてひとつに団結していくことが可能になるのだ。労働者階級のこの団結した力こそが階級社会を転覆していく原動力となるのだ。
 3・30三里塚全国総決起集会は、天神峰・市東さんの畑を会場に全国から1520人の労働者・農民・学生・市民を結集して闘いとられた。職場での闘いを貫き、3・16全世界一斉デモを爆発させ不当な弾圧を打ち破った青年労働者が先頭で決起した。「労農連帯の力で革命を!」の息吹が、42年の歴史を誇る闘いに新たな生命力を与えた。

 第1節 同盟と動労千葉が両輪で

 3・16が切り開いた新たな闘いの中心が、動労千葉三里塚反対同盟だ。動労千葉は三里塚を闘って団結を強化し、三里塚は動労千葉との連帯に支えられてきた。まさに動労千葉と三里塚は日本階級闘争の革命的戦闘的発展の両輪だ。この労農同盟の固い団結こそ、日本帝国主義が最も恐れているものだ。
 三里塚は、「農地死守・実力闘争」を貫き42年の不屈の歴史をもっている。その闘いは、労農同盟として強固に発展しつつある。
 三里塚の42年とは、どんな闘いであったのか。三里塚闘争が一貫して貫いてきたものは、「空港絶対反対」「農地死守・実力闘争」「一切の話し合い拒否」の原則だ。その闘いの根本思想は、帝国主義との対決の中で革命的正義、権力との徹底非妥協・非和解を一切のあいまいさなく貫くことであった。そうであるからこそ社共と決別し、カクマルの敵対を粉砕し、脱落諸党派との闘いを厳しく貫いてきた。71年強制代執行阻止闘争、78年開港阻止決戦、85年10・20の機動隊徹底せん滅戦の蜂起、数々のゲリラ戦——日本階級闘争を戦闘的に牽引してきた実力闘争の実現は、権力との徹底非妥協の神髄であり、それが今日、労農連帯・国際連帯の発展として花開いているのだ。

 第2章 空港廃港めざし闘いぬこう

 そもそも資本主義は、農民・農業問題について資本主義の方法で普遍的な形態で解決するいかなる能力も持たない。さらに新自由主義攻撃のもとでの「企業のために農民は犠牲になれ」との攻撃は、日帝の農民・農業切り捨て政策そのものだ。
 農水省は、300万戸の農家を「14万経営体」に再編し、切り捨てようとしている。新自由主義の構造改革路線のもと、ブルジョアジーが生き残るためにアジア諸国とEPA(経済連携協定)、FTA(自由貿易協定)を締結し、農業をつぶそうとしている。三里塚においても、戦後体制で保護されてきた耕作者主義(耕作者の権利)など、もはや許さない攻撃だ。日帝は農地を強奪し、農民に“ハローワークに行け”と叫んでいるのだ。
 帝国主義の最弱の環である日帝は、アジア・ゲートウェイ戦略の一環として、国際空港容量の拡大を打ち出し、成田空港の侵略拠点化を一層を進めている。EPA、FTAをとおした帝国主義間争闘戦の激化は、労働者への極限的搾取と農民圧殺の攻撃を不可避なものとしている。
 この戦略を阻止している労農連帯の砦=三里塚闘争破壊に全力をあげてきているのだ。
 その最大の焦点が「農地法を使った農地の収用攻撃」である市東さんへの農地強奪攻撃だ。日帝は今、絶望的危機の中から戦争・改憲と民営化の大攻撃に突進し、そのために4大産別の労組破壊を始めとする労働運動絶滅の攻撃に全体重をかけている。これと表裏一体で、労農連帯の砦である三里塚に対し、日帝自身の生き残りをかけた攻撃を必死にかけてきているのだ。

 第1節 急激に進む「北延伸」工事

 何よりも、市東さんへの農地強奪攻撃を絶対に許すわけにはいかない。この攻撃は、「土地はそれを耕している農民のもの」としてきた戦後の農地法も憲法も全面的に破壊するものだ。日帝の大資本が生き残るためには農業も農民もつぶすという攻撃だ。これに対して市東さんは「来るなら来い!」「この土地には一指も触れさせない」と不屈の戦闘宣言を発して立ち上がっている。この決起に断固として応え、いまこそ労農連帯の団結の力で市東さんへの攻撃を絶対粉砕しよう。
 さらに日帝は暫定滑走路の北延伸攻撃をしかけ、農家の頭上40㍍に大型ジェット機を飛ばし、深夜工事で騒音地獄にたたき込むなど、極悪の手口を総動員して農民を現地から追い出そうと躍起になっている。09年度の「暫定滑走路北延伸」の完成目標にあわせて、無理に無理を重ねた新誘導路建設、北延伸のための国道51号線の切り替えトンネル工事などの突貫工事が進められている。「自民党国際競争力調査会」は、成田・羽田両空港の相互運用による「首都圏空港の24時間化」を2020年までに実現するとの提言を出そうとしている。
 「空港廃港」を断固として掲げ、これら卑劣な攻撃の一切に猛反撃をたたきつけよう。

 第3章 労農同盟破壊する塩川一派

 三里塚闘争42年の歴史が築き上げてきた絶対非和解の闘いと労農同盟の地平が、今再び青年の心をつかむ時が来た。資本・権力・体制内派との非和解的激突と、三里塚闘争はひとつだ。ここに圧倒的な確信をもち、勝利へ向かって攻め上る闘いをやりぬこう。
 ここにおいて、階級的労働運動と三里塚闘争との結合を妨害しようとしているのが塩川一派だ。11月労働者集会と動労千葉労働運動に対する許しがたい悪罵と敵対。階級的労働運動の最先端を担い、その司令塔として存在し闘い続ける動労千葉にあらん限りの非難・攻撃を加え、動労千葉指導部を「打倒せよ」とまで叫ぶ塩川一派をどうして許すことができようか。彼らは、動労千葉との労農連帯という輝かしい成果の上にある三里塚闘争の歴史的事実を無視し、踏みにじっている。
 また、与田残党分子は部落解放同盟全国連を私物化して全国連第17回大会を強行し、「広島差別事件」のデッチあげをテコに「差別なき糾弾闘争」にのめり込んでいる。彼らは「革共同との断絶」を権力に公然とアピールし、融和主義への変質と転落を深めているのである。塩川一派はこれを美化し、全面的に賛同した。血債主義・糾弾主義を根底から克服・一掃して闘おう。
 6・8三里塚現地闘争に大結集し、6−7月洞爺湖サミット粉砕決戦に攻めのぼろう。
 (中村賢二)