2008年5月19日

日誌 2008年 5月7日〜13日

週刊『前進』06頁(2343号4面4)(2008/05/19)

日誌 2008年 5月7日〜13日
 米帰還兵の80%が心にダメージ/「宇宙基本法案」が衆院可決

●中国主席10年ぶり来日 福田首相が中国の胡錦濤(フーチンタオ)国家主席と首相官邸で会談した。中国国家主席の訪日は、98年の江沢民以来10年ぶり。福田首相と胡主席との会談は昨年12月の福田訪中以来2回目。「戦略的互恵関係」を進める指針を盛り込んだ、10年ぶりの「共同文書」に署名した。福田は会談後の共同記者会見で、東中国海のガス田の共同開発について「大きな進展があり、長年の懸案に解決のめどが立った」との認識を示した。(7日)
●米軍、伍長に有罪判決 広島市で昨年10月、日本人女性を集団暴行したとして、統一軍事裁判法違反の罪(強姦など)で訴追された米海兵隊伍長に、米軍岩国基地(山口県岩国市)の軍法会議は、有罪の判決を言い渡した。強姦の成立は認めなかったが「不法な性的接触があった」と認定した。日本の検察当局が不起訴とした米軍人を軍法会議にかけるのは異例。(8日)
●普天間基地所属の2海兵隊員逮捕 宜野湾署は、閉店後の飲食店に侵入したとして、建造物侵入容疑で普天間基地所属の在沖米海兵隊伍長と上等兵を逮捕した。事件は、在沖米軍が米兵の外出を禁止している時間帯に発生した。(8日)
●ビルマで国民投票 ビルマ(ミャンマー)の新しい憲法案の賛否を問う国民投票が始まった。同国史上最悪の災害となったサイクロンから1週間。投票延期を求める声が国内外で強かったが、軍事政権は被害が甚大な一部地域を除き実施に踏み切った。新憲法案は、国家元首として新設する大統領の資格に「軍事知識」を挙げ、二院制議会では議席の4分の1を軍人に割り当てるなど、10年に予定する総選挙の後も軍の権力を維持する条文が盛り込まれている。(10日)
●帰還兵の80%、心にダメージ 「イラクやアフガニスタンからの帰還米兵の80%が精神的ダメージを受け、正常に判断できる状態ではない」。元米陸軍大佐・元外交官のアン・ライトさんが沖縄市内で講演し、米国帰還兵局の統計データなどを報告した。「軍がカウンセリングしなければ、何をするか分からない兵士を放置することになる」と警告した。(11日)
●空母配備、浚渫「差し止め」棄却 神奈川県横須賀市にある米海軍横須賀基地に原子力空母を配備するために国が行っている横須賀港の浚渫(しゅんせつ)工事をめぐり、横浜地裁横須賀支部は、工事の差し止めを求める市民らの訴えを棄却する判決を言い渡した。浚渫の結果として入港する原子力空母が事故を起こした場合の危険性や、海底掘削による環境汚染の可能性を指摘し、工事差し止めを求めていた。原子力空母ジョージ・ワシントンは8月に横須賀へ配備される予定で、浚渫工事は5月に終了する見通し。(12日)
●宇宙基本法案、衆院可決 自民、公明、民主3党は、従来非軍事を原則としていた宇宙利用を改め、防衛省による偵察衛星の開発運用などを認める「宇宙基本法案」を衆院本会議で可決した。法案は1969年の国会決議以来の宇宙開発利用の非軍事原則を緩和。軍事目的の利用に道を開く内容になっている。ミサイル防衛の中核となる高度なミサイル監視衛星(早期警戒衛星)も持てるとされる。(13日)
●米軍機騒音苦情195件 米軍機騒音に対する市民の苦情を受け付ける宜野湾市の「基地被害110番」の苦情が07年度に195件あり、03年度の設置以来最多となった。苦情で最も多かったのはヘリコプターの騒音で64件、次いで午後10時から翌朝6時までの夜間騒音が42件だった。「ヘリが低空飛行して今にも落ちてきそうで不安」など墜落の不安は22件あった。(13日)