2008年5月19日

洞爺湖サミット粉砕しよう(上) 全世界の労働者を一つに☆ ILWUが米西海岸の港湾封鎖 イラクでも連帯スト! 画期的な交戦国労働者の連帯

週刊『前進』06頁(2343号4面1)(2008/05/19)

洞爺湖サミット粉砕しよう(上) 全世界の労働者を一つに☆
 ILWUが米西海岸の港湾封鎖 イラクでも連帯スト!
 画期的な交戦国労働者の連帯
 世界は革命情勢だ

 5月1日メーデー。戦争当事国アメリカにおいてILWU(国際港湾倉庫労働組合)は米西海岸の全港湾封鎖の実力闘争に決起した。そして、このILWUの闘いに呼応してイラクの石油労働者がストライキに決起した。戦争による分断を突破した団結の実現だ。まさに世界革命の時代が始まった。これと同質の闘いが日本においても青年労働者・学生の弾圧を恐れぬ決起として爆発している。帝国主義の強盗どもが集まる洞爺湖サミット粉砕に怒りを爆発させて職場から総決起しよう。6・29代々木公園に総力で集まろう。

 第1章 分断を乗り越えた団結と国際的連帯

 5月1日のメーデーに、ILWUの港湾部門労働者2万6千人が米西海岸の29の全港湾を封鎖した。イラク戦争の即時停止を求めての実力行使だ。戦時下の米国で戦略的生産点を止める闘いは、階級闘争の歴史で初めてのことだ。
 アメリカ社会では近年、ラティーノと呼ばれる中南米出身の移民労働者が増加し、アフリカン・アメリカンの労働者や貧しい白人労働者との対立が扇動されてきた。ILWUのランク・アンド・ファイルの活動家たちは一昨年に1千万人が決起した移民労働者のメーデーの闘いに連帯し「差別はボスの武器」と訴え、今回のストをとおしてアフリカン・アメリカンとラティーノの団結をついに実現した。
 メーデー発祥の地でありながら、AFL・CIO(米労働総同盟・産別会議)などの体制内労働運動の制動によってメーデーがタブーとなってきたアメリカにおいて、ついにその歴史的復権がかちとられたのだ。
 この闘いにこたえてイラクのウム・カスル港では、被侵略国であるイラクの港湾労組が呼応して1時間の連帯ストに立ち上がった。イラクの石油輸出の8割、軍需物資の大半を扱う港だ。
 「最も衝撃的な連帯がイラクの港湾労働者から来た。勇気ある行動だ。彼らは占領軍の銃の下にいるのだから」
 ILWUのリーダーの1人、ジャック・ヘイマンさんはこう語った。ILWUのストもまたブッシュ政権による軍の導入の恫喝をはねのけての実力闘争だ。
 イラクでは、公共部門の労働組合を禁じるフセイン政権時代の法律がいまだ効力を持つ。イラクの労働者に団結権、団体交渉権、スト権の労働3権はない。だから今回のストは、現場の労働者の団結と実力行動にのみ依拠した決起なのだ。
 まさに、国境と戦争を越えて米国とイラクの労働者が闘う団結をつくったのだ。決起したイラク港湾一般労働組合は、「労働運動こそ政治の現状を人類の利益のために変えることのできる社会の中で唯一の要素です」と訴えている。アメリカとイラク労働者の闘いは、労働組合の存在と職場生産点での闘いこそが、占領政策と宗派的分断を越えて労働者の団結を生み出すことを鮮やかに示した。
 動労千葉とILWUの交流は03年にさかのぼる。動労千葉は同年、イラク戦争反対ストで約600本の電車を止めた。日本における新自由主義攻撃である国鉄分割・民営化に反対して唯一ストライキで闘った労働組合——ILWUが動労千葉を知った最初だった。それ以降、動労千葉とILWUは11月集会の参加など相互交流を積み重ね、徹底論議をとおして今回の闘いを実現した。
 戦争や人種、民族や宗派による分断を越えて労働者を団結させるものは何か。それは労働者の力を職場生産点で行使する実力闘争だ。
 動労千葉の田中委員長は次のように語る。「戦争を止めるには、自分の職場で労働者の力を行使する。直接行動を起こすことだ。ILWUは港湾を止める。われわれは鉄道を止める」
 その基本精神を次のように説く。「自分の職場で、地域で、どんなに困難でも資本や国家権力と闘い、仲間との団結を回復する。それは必ず全世界の労働者とつながる」
——世界中の労働者がひとつの軍勢となり、帝国主義を打倒する時代が来た。職場で必死に闘うことが一気に全世界に拡大する。サミット粉砕闘争の課題は、世界中で始まっている闘いをひとつに団結させることだ。
 世界金融大恐慌情勢が世界中の労働者の怒りをひとつにしている。インフレと食糧危機で全世界の労働者や農民が飢えに直面し、生きるための闘いが激発している。ヨーロッパ、中東、アジア、北米、南米……世界中で何十年ぶりの規模のストや暴動が起きている。もはや資本主義は終わりだ。労働者が生きるためには資本主義は死なねばならないのだ。

 第2章 『共産党宣言』の精神・内容で闘おう

 マルクスは『共産党宣言』で労働者階級の闘いを次のように描いた。
 個々の労働者と個々のブルジョアとの間の衝突は、ますます二つの階級の間の衝突という性格をおびる。そして、労働者の闘争の本当の成果は、直接の成功ではなく、労働者の団結がますます広がっていくことにある。現存の社会の中に潜む隠然とした内乱は、ついに公然とした革命となって爆発し、ブルジョアジーの暴力的打倒をとおして、労働者が自分自身の支配を打ち立てる——。
 『共産党宣言』に書いてあることがわれわれの目の前で起きている。『共産党宣言』で労働運動をやろう。「万国の労働者、団結せよ!」を真に復権する時が来た! 新自由主義とは資本主義の末期性の現れだ。資本主義の墓掘り人=国際プロレタリアートを生み出している。
 労働者階級の闘いの基本は職場生産点である。隣の労働者と団結して、労働者の職場支配権を打ち立てる闘いこそ、労働者の団結を回復し、全世界の労働者の団結をつくり出すのだ。職場の闘いが世界につながっている。ついにメーデーを復権させたアメリカの労働者階級とイラクの労働者階級に続こう。「6・29代々木公園へ」を合言葉に職場からサミット粉砕闘争に総決起しよう。
 (片瀬 涼)