「ライフサイクル深度化」 民営化の矛盾押しつけ 今こそJR体制打倒へ
「ライフサイクル深度化」
民営化の矛盾押しつけ
今こそJR体制打倒へ
JR東日本が6月1日から実施を狙っている「ライフサイクルの深度化」とは、動労千葉が「全国鉄労働者への攻撃だ」と弾劾しているように、JR労務政策の抜本的大改悪、より全面的・徹底的な外注化の突破口だ。
第1章 平成採の分断支配狙う
何よりもライフサイクルは、卑劣きわまりない団結破壊の攻撃だ。
ライフサイクルで異動が発令されれば、基本的には5年間の駅勤務になる(3年後、4年後にも運転士に戻すかどうかの振り分けがある)。運転士に戻れる保証はどこにもなく、2〜4割はずっと駅勤務に残る。指導員や指令要員などは異動対象から外される。
このように、平成採の中にありとあらゆる分断を持ち込み、団結を破壊し、当局の意のままに支配することを狙うのがライフサイクルだ。「駅から運転士に戻りたければ会社に逆らうな」「駅に行きたくなければ、仲間を蹴落として指導員か指令要員になれ」と言っているのだ。本当に汚いやり方だ。JR資本は、後述する大合理化攻撃を貫徹するためにも、現場労働者を徹底的に分断し、団結の火種を根絶やしにしたいのだ。
しかも、駅に異動になれば乗務員手当が無くなり、月5万円近くも月収が減って生活設計はズタズタにされる。JR資本はライフサイクルを突破口に、乗務員手当そのものの廃止=賃金制度の大改悪さえも狙っている。現場の運転士の誰もがライフサイクルに怒っているのはあまりに当然だ。あらゆるペテンをろうし、こんなライフサイクルについて裏切り妥結した東労組などは、まさに万死に値するのだ。
JR東日本は「第2の分割・民営化攻撃」の中で車両検査・修繕部門、保守部門(保線・電力・信号通信など)の外注化攻撃を進めてきたが、これから10年がかりで駅員・車掌もすべて契約社員に入れ替えてしまおうとしている。
第2章 駅員・車掌も非正規に
「正社員は1割。9割を非正規職に」という日本経団連路線そのものだ。そして、その結果として発生する矛盾のすべてを、ライフサイクルで平成採の運転士に押しつけようとしているのだ。
図にあるように、JR東日本は駅の専門職の養成を完全に放棄してきた。「駅業務はすべて外注化、非正規化してしまえばいい」と考えていたからだ。40歳以下の輸送職は、首都圏7支社で実に150人しかいない。
駅業務は、現在でさえもパンク寸前だ。しかも、首都圏7支社の輸送職は定数1260人だが今後10年間の大量退職期で600人が退職する。他方、すでに導入が始まっている契約社員「グリーンスタッフ(駅の営業職)」「グリーンアテンダント(車掌)」の労働者は、超低賃金でこき使われ、最長5年契約という不安定雇用で将来展望も持てず、「こんな仕事、やってられるか!」とほとんどの労働者が1〜2年で職場を辞めている。駅業務が早晩、大破綻(はたん)をきたすことは明らかなのだ。
この会社の大失策、要員問題爆発のツケを、平成採の運転士を使い回すことでのりきろうとしているのがライフサイクルだ。駅の営業職はすべて「丸投げ」的な外部委託か契約社員とし、小規模駅は無人化、輸送職はすべて運転士で回そうとしているのだ。その証拠にJR東日本当局は、団交の中で「10年後のシミュレーションでは、1300人の運転士が駅に行っていることになる」と回答している。
JR東日本は、自ら作り出した危機を逆手にとり、逆に団結破壊と大合理化の突破口にさえしようとしている。こんなふざけた話があるか! まさに将棋の駒、金もうけの道具、使い捨てではないか。駅業務をパンクさせたのはいったい誰なんだ。すべて会社の責任ではないか。
しかも、こんな泥縄的なやり方で問題が解決するはずがない。それどころか、運転職場の技術継承はガタガタになり、安全の拠点でもある駅の機能も崩壊する。根本的には、人を人とも思わず、要員削減・人件費削減にばかり血道をあげて黒字を稼いできたJR体制こそ問題なのだ。
第3章 今こそ総反乱の時だ!
JR東日本は、あらゆる側面から噴き出している民営化体制の破綻を、さらに絶望的な労働者攻撃で突破しようとしている。しかし、これは必ずJR資本の墓穴に転化する。こんな労働者をなめきった攻撃に誰が黙って従ってられるか。ライフサイクル攻撃は間違いなく青年労働者の総反乱の最後の引き金を引くものとなる。
JR体制の破産しきった姿は、新自由主義攻撃のなれの果てを鮮明に示している。何よりも、動労千葉を先頭とする現場労働者の反合・運転保安闘争と外注化阻止闘争のねばり強い展開、1047名解雇撤回闘争の継続こそ、分割・民営化体制の犯罪性を暴き出し、JR資本に破産を強制してきた。ストを配置して絶対反対で闘う動労千葉と連帯し、ライフサイクルを粉砕しよう。