西郡住宅闘争 追い出しと徹底対決 3人を併合し第2回裁判
西郡住宅闘争
追い出しと徹底対決
3人を併合し第2回裁判
4月21日、大阪地裁で西郡住宅闘争が大きく力強く前進を始めました。
前日の京都大学での「外登法・入管法と民族差別を撃つ関西集会」に西郡住民と八尾北命と健康を守る会、八尾北医療センター労組も参加し、国際連帯と労働者の団結をともにかちとり、確信を新たにしました。
そして、翌21日、大阪地裁での西郡住宅明け渡し第2回裁判の傍聴闘争に決起しました。国労、教労などの関西の労働者・学生も参加し、前日の集会の熱気をそのまま引き継いだ闘争として闘われました。
今回は、3人の裁判が一つに併合されて、実質的な初裁判でした。裁判そのものは、私たちが傍聴席に陣取り、「さてこれから」と思っているうちに、弁護側が出した準備書面の確認で「あっ」という間に終わってしまいました。しかし、傍聴席を満席にする気迫あふれる闘いは、裁判長に対して「これは社会的に関心の大きな事案なんだ」と構えさせる意味があり、八尾市をさらに追いつめるものとなりました。また、全国連西郡支部と支援の労働者、学生、これと弁護団の闘う絆(きずな)と闘志を大きく固め前進しました。
今回提出した準備書面では、あらためて、応能応益家賃制度を俎上(そじょう)にのせて新たな住宅裁判闘争として全面的に争うことを明らかにしました。裁かれるべきは3人ではありません。「応能応益絶対反対」を掲げ供託で闘う西郡住民の団結を破壊し、見せしめに住宅から追い出し、民営化で解放運動を一掃しようとする八尾市と国家権力です。
新自由主義攻撃が本格化する中で、96年に公営住宅法・改良住宅法が改悪され応能応益家賃制度が導入されました。住宅に対する国の責任を投げ捨て、市場原理に委ねたのです。
来年4月、公営住宅の入居基準が政令月収20万円から15万8千円に狭められます。下から25%基準の収入がこれだけ下がったから見直すというのです。改良住宅の基準はなんと11万4千円にされてしまいます。ワーキングプア化がここまで進行し、定職があれば追い出されてしまうのです。
最高裁がどんな判決を下そうが、土地や建物をタダ同然で提供して協力し、闘って建てさせた住宅です。一律低家賃で西郡に住み続ける権利があるのです。
3人への明け渡し訴訟、年金・給与が振り込まれた直後の28名への貯金差し押さえは、分納という全面屈服路線に引きずり込む脅しです。労働者階級への信頼を見失い、絶対反対で国家権力との非和解的激突を恐れた時、体制内融和主義へと転向が始まりました。
西郡支部はきっぱりとこれを拒否し、八尾北医療センター労働組合が住宅闘争を自己の課題とし、闘いの軸に立つことで、新たな住宅闘争が始まったのです。地域の労働者、学生たちとの共同の闘争が2月24日の全国闘争に発展し、4大産別と並ぶ階級決戦へと押し上げられました。
いまやアメリカをはじめ住宅闘争は世界の労働者の共同の要求であり、新自由主義の全面的破綻(はたん)を告げ知らせ、世界革命を切り開く実力闘争の火点になっています。不屈に闘う西郡住民は11月労働者集会に出会い、さらに先日の「4・20外登法・入管法と民族差別を撃つ関西集会」で「これまでのどんな集会よりも強くみんな仲間なんだと感じた」と感動しています。世界の労働者階級はひとつです。「万国の労働者団結せよ」。資本と国は、労働者が階級的に団結すると革命になってしまうから差別をもちこんで分断しようとするのです。応能応益絶対反対を貫くことこそ、体制内融和主義への転落をぶっとばし、組織を拡大する道です。
次回は6月9日(月)午前10時15分大阪地裁806号法廷です。
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(投稿/八尾北医療センター労組員・青木麻季)