2008年5月12日

“不当処分撤回せよ” 都立高卒業式 被処分者が人事委提訴

週刊『前進』06頁(2342号3面3)(2008/05/12)

“不当処分撤回せよ”
 都立高卒業式 被処分者が人事委提訴

 今年3月の卒業式で「日の丸・君が代」強制を拒否して不起立・退席で処分された被処分者のうち、都立高の教育労働者13人が、4月25日、処分取り消しを求めて東京都人事委員会に不服審査請求を行った。
 不服審査を請求した後、「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会が記者会見。3人の被処分者が処分撤回へ闘い抜く決意を力強く述べた。
 2回目の不起立をした男性労働者(減給1カ月処分)は、「04年卒業式で処分された後は、校長に『戦力外通告』を受けて異動になった。今年3月は卒業学年の担任。3年間一緒にいた生徒の前では自分の気持ちにウソをつきたくないと、卒業式で不起立を貫いた。不起立に対する処分はどうしても許せません」と、怒りで声を震わせながら訴えた。
 同じく不起立2回目の女性は、「卒業式で不起立したら、直後に4月からの新1年生の担任をはずされた。教員としての大事な仕事を取り上げられたのは許せない」と述べ、「どれだけ卒業式を大事にしたいか、どんなに生徒をお祝いしたいか。しかし今、都教委の命令ゆえ、毎年の卒・入学式では、立つ人も座る人も、99%の教員がつらい思いをしている」と弾劾した。
 定年退職の直前に初めて不起立した男性(戒告処分)は、「卒業式で会場内に入ることになったら、何度も校長室に呼ばれて『先生の行動によっては、来年うちの学校はどうなるかわからない』と、暗に座るなと脅してきた。『あなたは受付に出してもいいんですよ』とも。座っている生徒がいると司会が『立ちなさい』と言って、立つまで『君が代』斉唱を始めない学校もあった。そういう中で、胃が痛くなるほど悩んだが、座るしかないと決断した。先輩たちが頑張ってきた反対運動の聖なる火をリレーしたい」と語った。
 都教委は「日の丸・君が代」強制のために、回を重ねるたびに重くされる累積加重処分に加え、強制異動、担任はずし、再発防止研修、さらには定年退職後の職のはく奪など、あらゆる手段を使ってきた。しかしこれらを敢然とうち破り、03年「10・23都教委通達」以来5年目の卒・入学式でも、不起立・不服従の闘いが貫かれた。
 とりわけ今年の卒業式の不起立は、「クビになっても抵抗を貫く」という根津公子さんを先頭に「絶対反対」で闘い、職場と地域に団結をつくり出して根津さんの解雇策動もうち破るという画期的な勝利を切り開いた。
 「日の丸・君が代」強制の狙いは、教育労働者の団結破壊だ。団結破壊に対しては団結の拡大と強化で反撃し、「日の丸・君が代」被処分者を先頭に「闘う日教組」をつくり出そう!