2008年4月28日

洞爺湖サミット粉砕を プロレタリア世界革命の勝利へ万国の労働者は団結して闘おう 革共同の6〜7月サミット決戦宣言

週刊『前進』10頁(2341号7面1)(2008/04/28)

洞爺湖サミット粉砕を
 プロレタリア世界革命の勝利へ万国の労働者は団結して闘おう
 革共同の6〜7月サミット決戦宣言

 世界革命の時代が始まっている。世界を貧困と戦争にたたき込んできた帝国主義を、労働者階級の国際的階級的団結の力で根底から打ち倒す時代がやってきた。7月洞爺湖サミットを粉砕し、日本の地からプロレタリア世界革命への道をこじあけよう! 全世界での決起と連帯し、6〜7月サミット決戦に総決起しよう。闘う全労働者の職場からの総決起と全国学生ゼネストをぶちぬき、首都を揺るがす万余の大デモを実現しよう。

 第1章 Ⅰ 全世界で労働者階級人民のストや暴動が激発している

 時代は完全に世界革命情勢に突入した。帝国主義世界経済は今や、1929年大恐慌をも上回る世界金融大恐慌の爆発に向かって、破局への坂をまっさかさまに転げ落ちている。帝国主義にはもはやこの危機をのりきる力も、その手段も一切ない。
 この世界金融大恐慌は、資本主義・帝国主義の最後の延命策としてあった1980年代以来の新自由主義の全面破産がもたらしたものだ。それは、20世紀の戦争と革命の時代をくぐりぬけて21世紀へと生き延びてきた帝国主義の、積もりに積もった矛盾の全面的で最終的な爆発だ。資本主義社会そのものが、すでに根幹から腐り果て、社会として崩壊を始めている。
 だがこの資本主義・帝国主義は、プロレタリア革命によって打倒されないかぎり、どこまでも腐臭を放ちながら全世界を飢餓と貧困と戦争の奈落の底に引きずり込んでいく。もう一刻のがまんもならない。労働者階級がその団結した力によって資本家階級から直ちに一切の権力を奪い取り、生産手段を掌握して全社会を根底から再組織することが必要だ。この闘いにおいて労働者階級には鉄鎖以外に失うものは何もない。獲得するのは全世界だ!

 第1節 史上3度目の革命期

 今始まっているのは、史上三度目の世界革命情勢の到来である。一番目は第1次大戦末期、1917年のロシア革命の勝利を頂点として、全世界を覆いつくした革命の嵐。二番目は、1930年代から第2次大戦を経て戦後革命期に至る、革命と反革命との世界史的な大激突。そして戦後革命の敗北から半世紀以上を経てついに今日、プロレタリア世界革命がみたび歴史の正面舞台にのぼる時が来たのである。
 1917年ロシア革命の偉大な挑戦を引き継ぎ、第2次大戦後の戦後革命の敗北をのりこえて、今度こそ世界革命を最後まで完遂する闘いをやりぬこう。革命を裏切り変質させ、帝国主義の世界支配の補完物となってきたスターリン主義をも帝国主義とともに打倒しよう。この反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命の実現に唯一、労働者階級はもとより、農民、被抑圧民族を始め全世界人民の解放がかかっている。
 今日の情勢の特徴は、このプロレタリア革命の主体である労働者階級のまったく新たな、巨大な決起が全世界いたるところで爆発的に始まっていることだ。
 世界金融大恐慌突入下で、「労働運動の力で革命を」という日本の闘う青年労働者のスローガンが、全世界の闘う労働者の魂をつかむ時がやってきている。「生きさせろ!」の叫びは今や世界中にとどろいている。帝国主義国であると新植民地体制諸国であるとを問わず、労働者のストライキとデモがすべての国で起こっているではないか。さらに食糧暴動が激発し、市街戦への発展も始まっている。
 労働者階級を国際的にも国内的にも徹底的に分断してその階級的決起を抑え込んできた、帝国主義の戦後支配の大崩壊が始まったのだ。体制内改良主義のもとでのあらゆる幻想が打ち破られ、資本・権力に対する労働者階級の絶対非和解の決起がせきを切って噴出し始めた。

 第2節 体制内突き破る決起

 何よりも、ストライキ! ストライキ! ストライキ! このうねりが世界を覆っていることは決定的である。しかもそれが、とりわけ帝国主義国において、大衆的怒りの激しさのもとで既成の体制内労働運動の壁を下から突き破って闘われていることである。
 アメリカでは、AFL—CIO(米労働総同盟・産別会議)の基軸組合であり、典型的な体制内労働運動であるUAW(全米自動車労組)の中から、アメリカン・アクスル社の労働者3600人が2カ月を超える長期ストに決起している。010同社はGM(ゼネラルモーターズ)の子会社で、ストで部品供給が止まりGMの全工場が操業停止に追い込まれた。多くのGM労働者がレイオフされたが、しかしその労働者は圧倒的にアメリカン・アクスルのストを支持して、ともにピケットラインに立っているのだ。UAWは昨年、年金と医療制度の全面破壊攻撃に対してGMで形だけの全国ストを打ったが、わずか2日で中止した。これへの怒りが組合員の中にあふれている。
 05年にAFL—CIOから分裂したCTW(勝利のための変革)の中心組合であるSEIU(サービス従業員国際労組)でも、体制内化した執行部を打倒する現場組合員の決起が始まっている。「新潮流」を名乗りながら実際には資本と癒着したSEIU本部に、カリフォルニア州の医療・福祉労働者の組合UHW(15万人)が公然と反旗をひるがえした。
 さらに、サブプライムローンの破綻(はたん)で住宅を差し押さえられた労働者が、立ち退き命令を実力で拒否する闘いに全米で続々と立ち上がっている。
 この中で、ILWU(国際港湾倉庫労組)はイラクとアフガニスタンからの即時撤兵を要求し、5月1日のメーデーで米西海岸の全港湾を封鎖する闘いに立つことを決定した。ILWUローカル10のジャック・ヘイマン氏は、昨年動労千葉が参加した国際会議での決定に基づき、戦争を止めるには労働者は「自らの生産点で力を行使しなければならない」と宣言し、全米の労働者に決起を呼びかけている。これがアメリカ階級闘争をさらに決定的な段階に押し上げることは確実だ。

 第3節 世界を覆うストの波

 ドイツでは、鉄道労働者が昨年夏から半年間にわたり、ドイツ労働総同盟本部の制止を突き破って、ドイツ全土を揺るがす長期ストに決起した。この闘いは、今年に入って総同盟の最大の中心労組である統一サービス労組(組合員230万人)に波及、ベルリンを始めとする公共部門労働者の大規模な闘いに発展した。
 2月以降、ベルリンのバス・地下鉄労働者を先頭に、各地の都市交通、空港、病院、学校、保育園、清掃部門などの労働者が「警告スト」に繰り返し突入。都市機能がストップする事態となった。4月下旬にはさらに、郵便労働者13万人が全面的な物ダメストに突入する。これらの闘いは、統一サービス労組本部との激突を貫きつつ、山猫ストも含めて進められている。
 イギリスでは、PCS(国家公務員と民営化された公共企業の労働者、約35万人)が波状的なストを続けてきたが、ドイツと同様、今やゼネスト情勢を迎えている。決定的な突破口を開いたのはNUT(全英教職員組合)だ。NUTは大幅賃上げを要求し、サッチャー政権下で解体攻撃にさらされて以来21年ぶりの全国ストに突入した。
 フランスでは、青年労働者の使い捨てをもくろむ新規雇用契約を撤回させた06年の闘いを引き継ぎ、サルコジ政権の新自由主義攻撃との闘いが激化している。昨秋の公務員・公共企業労働者の大規模ストに続き、この4月、高校生を先頭に4万人がサルコジ「教育改革」反対のデモに立ち上がった。

 第4節 「生きさせろ」の闘い

 韓国でも、労働争議の圧殺を最大課題として登場したイミョンバク(李明博)新政権との一大激突が始まっている。3月11日には、コスコム非正規労働者の座り込みを大量の警官隊が襲撃し、殴るけるの暴行を加えて強制排除した。19日には政府が「不法集団行動の根絶」を掲げた。民主労総へのこの宣戦布告に対し、ソウル地域本部を始めとする闘う労働者はこれを、労働者の団結に対する敵の恐怖の現れとして真っ向から対決して闘いぬいている。
 さらに、欧州各地で、中東で、全世界で、数え切れないほどの大規模なスト、デモ、食糧暴動が次々と発生している。ロシアでは鉱山労働者が、ルーマニアでは自動車工場の労働者が無期限ストに入った。スイスの鉄道労働者はストで民営化を阻止。エジプトでは警察によるスト圧殺の工場占拠と対決して労働者数千人が市街戦に決起。バングラデシュでは女性労働者2万人が食料品価格高騰に抗議して街頭にくりだし、警官隊と衝突した。ハイチでは流血の食糧暴動が全土に拡大した。
 そしてついに、中国でもスターリン主義政権への歴史的な大反乱が始まった。010チベット人民の決起は、中国スターリン主義の民族抑圧に対する怒りの爆発にとどまらず、中国の労働者と農民のスターリン主義体制打倒へ向けた全土にわたる革命的決起の弁を開くものだ。13億中国人民の本格的大決起と国際プロレタリアートの闘いとの結合は、世界革命の現実性を一挙にたぐりよせるものになる。

 第5節 階級闘争の新時代へ

 そして最も重要なことは、これら全世界の労働者階級の闘いの先頭に、その牽引(けんいん)車として、11月労働者集会に結集する日韓米の闘う労働者・労働組合が立っているということだ。とりわけ3・16イラク反戦5周年全世界一斉デモの爆発は、職場と街頭を結びつける青年労働者の闘いをとおして、「革命をめざす労働運動」を時代の前面に公然と登場させた。国際階級闘争の勝利の新時代がここに決定的に切り開かれたのだ。
 闘いはいよいよこれからだ。7月サミットに向かって、帝国主義の危機はさらに進行する。サミット厳戒体制を打ち破り、3・16で切り開いた闘いの地平をさらに強力に発展させよう。革命を正面から掲げて闘う労働運動が、今こそ最前線に躍り出よう。世界の労働者とひとつになって闘おう!

 第2章 Ⅱ 新自由主義の完全な破産と世界金融大恐慌への突入

 資本主義・帝国主義の体制崩壊の危機はあらゆる予測をこえて進行している。われわれの眼前に広がっている、この革命的情勢の広さと深さをはっきりさせよう。

 第1節 危機が底無しに拡大

 アメリカ経済の住宅バブルの崩壊とサブプライムローンの破綻は、帝国主義世界経済をついに、1929年の大恐慌をも超える新たな世界金融大恐慌へと引きずり込んでいる。
 米欧日の金融機関の損失は昨年夏のサブプライム危機発生以来、拡大に次ぐ拡大を続けている。IMF(国際通貨基金)は4月に入って、世界の金融機関の損失総額が最大で9450億㌦(約95兆円)に達すると発表した。それすら現時点での予測にすぎず、この先どこまで膨張するか分からない。
 決定的なのは、3月中旬に起きた米の大手証券会社ベアー・スターンズの経営破綻だ。財務面では問題のない十分な資本金をもっていたにもかかわらず、急激な信用収縮により資金繰りが一気に行きづまり、わずか3日で手元資金が底をつく事態に陥った。FRB(米連邦準備制度理事会)が異例の介入をして連鎖倒産の発生を食い止めたが、米金融恐慌が完全に本格化した。
 欧州や日本の金融機関も、米の住宅ローン担保証券などを大量に購入し、米のバブルに依拠して巨額の利益を上げてきた。それがすべて逆転し、恐慌対策に各国が必死となっている。日欧からの大量の資金流入が米の巨額の経常赤字を補てんしていた関係が崩壊し、ドルの大暴落が現実化している。
 さらに今や、信用収縮に続いて実体経済の収縮が始まっている。米の住宅バブルの崩壊は、その極限的なバブルの上に成り立ってきた世界経済の全体を失速させ、株価の下落が世界的に止まらない状態だ。米経済のバブルと一体で進行してきた中国経済のバブルも実際には崩壊寸前である。
 ドルの大暴落と中国経済の破綻は、世界経済崩壊の最後の引き金となる。帝国主義世界経済におけるドルの基軸通貨としての機能の喪失は、米帝の戦後世界支配の崩壊だ。だが米帝にとって代われる帝国主義など存在しない。世界経済は分裂し、収縮し、奈落の底まで落ち込んでいく以外ない。
 この情勢下で、これまでをはるかに超える大量首切りの嵐が労働者階級の頭上に襲いかかってきている。アメリカでは金融・自動車・航空・流通・ハイテク部門などの全産業で、昨年を上回るリストラ計画が次々と発表されている。大恐慌下で独占資本が生き残りをかけた巨大合併に走っていることがこれを促進している。1930年代のような、膨大な労働者が職を失い、住宅からも追い出され、路上やテント村での生活を強いられる光景がすでに全米いたるところに現出しているのだ。

 第2節 インフレと食糧危機

 そして決定的に重大なことは、全世界で原油や食糧価格が高騰し、インフレが急速に爆発し始めていることだ。
 各国が恐慌対策として行った市場への巨額の資金供給は、信用収縮をおしとどめるのではなく、投機マネーとなって原油・穀物など商品市場に流入し暴走を始めている。原油価格は1バーレル=100㌦をはるかに突破し、いまや120㌦に迫っている。石炭価格は昨年の2・3倍、鉄鉱石は3倍に引き上げられた。小麦やコメなど主要穀物の価格はこの半年で1・5〜2倍に高騰し、さらに上昇する勢いだ。
 これらは全産業に巨大な影響を与えると同時に、何よりも労働者人民の生活を恐るべき勢いで直撃するものとなりつつある。とりわけ深刻なのは食糧危機だ。一方で大失業・リストラの嵐がますます吹き荒れ、賃金が大幅に切り下げられていっている中で、労働者家族のいのちをつなぐ食糧が2倍、3倍に値上がりしていったらどうなるのか! すでにアフリカ・中東・中南米やアジア諸国を中心に、世界各地で大量の人民が飢餓状態にたたき込まれ、怒りの暴動的決起が続発している。
 この穀物価格の高騰は、農民には一切還元されない。すべて資本の野放図な投機とバイオ燃料戦略などによるもので、逆に農業と農村をも破壊する。世界の帝国主義ブルジョアジーが、ハイパーインフレによる全世界の人民からのすさまじい大衆収奪によって生き延びようとするところに、その正体がある。
 最末期の帝国主義が、貧しい労働者に詐欺同然の手口で高利の住宅ローンをおしつけ、暴利をむさぼってきた上に、それが破綻(はたん)するや今度は食糧という、人民の生命と生活を成り立たせている土台を食い物にしている。本当におぞましい限りだ。腐敗の極にある帝国主義を、一刻も早く打倒しなければならない。

 第3節 帝国主義の死の苦悶

 重要なことは、今日の世界金融大恐慌への突入は、第2次大戦後の帝国主義が過去に何度か直面した危機とはその性格がまったく異なることである。
 戦後の帝国主義は、1974〜75年恐慌の爆発でその戦後発展の実質的な終末を迎えた。世界的な過剰資本・過剰生産力状態に突入した帝国主義は、その矛盾をバブル経済を何度も繰り返すことで必死にのりきり、危機を拡大させながら延命してきた。ソ連崩壊後の旧スターリン主義圏や中国経済の世界市場への組み込みもそれを促進した。しかしこのバブルに次ぐバブルはその過程で膨大な矛盾をつくり出し、とりわけ「金融帝国」と化した米帝の主導のもとで、金融を実体経済とはかけ離れた巨大な化け物のような存在に仕立て上げてきた。
 全世界をまきこみ、もはやブルジョアジー自身もコントロール不能なものに成長したこの末期的なバブルが、ついにその中心部で破裂した。これは世界の金融資本を土台から存立の危機にたたき込んでいる。もはやどんな逃げ道も、のりきり策もない。
 その根底には、帝国主義の最後の延命策としてあった、新自由主義そのものの破産がある。
 新自由主義とは何か。その核心は、労働者階級に対するむきだしの階級戦争にある。74〜75年恐慌でいったん体制崩壊の危機に直面した帝国主義は、そこからの脱出のために戦後の国家独占資本主義的政策を大転換し、規制緩和・民営化の大攻撃にうって出た。帝国主義がそれまで労働者階級の反乱を防ぐために支配の安定装置としてきたはずの戦後的諸制度を、自ら全面的に解体し、資本に無制限の搾取の自由を与える体制へと転換したのである。
 1980年代の米帝・レーガン、英帝・サッチャー、日帝・中曽根政権のもとで本格的に始まったこの攻撃は、労働組合の破壊と労働運動の圧殺によって広範な労働者の極端な低賃金化・非正規職化・無権利化を生み出した。この労働者階級への徹底した強搾取と貧困の強制が資本にもたらした利益はばく大である。他方で新自由主義は、金融独占資本に対しては、もうけるためには何をやってもよいという自由を与え、経済の投機化・バブル化を果てしなく推し進めるものとなっていった。その結果がサブプライムローンを生み、今日の世界金融大恐慌をたぐり寄せたのだ。
 今や帝国主義は、恐慌対策と称して新自由主義攻撃をこれまで以上に満展開し、一切の矛盾と犠牲を労働者階級に押しつける以外ない。そして帝国主義同士が世界の資源・市場・勢力圏の支配をめぐって激突し、争い、究極的には新たな世界戦争に絶望的に突き進んでいく以外ない。
 だがこんな攻撃がやすやすと通ると思ったら大間違いだ。80年代以来の新自由主義攻撃のもとで蓄積された労働者階級の怒りは、今や全世界で体制内指導部をぶっとばして大爆発していく情勢に突入しつつある。内への階級戦争と外への侵略戦争は一体であり、すべて資本家階級の利益を守るためにほかならない。世界の労働者が「単一の階級」として今こそひとつに団結し、本当にひとつの軍勢となって、プロレタリア世界革命へ向け進撃する時代がやってきたのである。

 第4節 世界再分割戦に突入

 1929年を上回る世界大恐慌の爆発は同時に世界経済の分裂化・ブロック化への突入である。それは第一に、世界各地での資源の争奪戦としてすでに激しく進行している。第二にFTA(自由貿易協定)締結をテコとした、世界の大国による市場の囲い込みと勢力圏化の攻撃として激化している。第三に、この資源・市場の争奪戦は不可避に、帝国主義による侵略戦争の拡大と結びついて進行する。
 第四に、それは帝国主義同士の激しいつぶし合いを伴う。そこに旧スターリン主義国のロシアや、残存スターリン主義の大国である中国をもまきこんで、各国の生き残りをかけた文字どおりの死闘が繰り広げられることになる。結局は世界の再分割をかけた新たな帝国主義戦争、世界戦争に行き着く以外ない。軍事力が他の何よりもモノを言う時代に突入するのだ。米帝を始め各国はすでにそれを想定し、大軍拡へと走り出している。イラク戦争のイランへの拡大や北朝鮮・中国への侵略戦争策動も、この脈絡の中にある。
 7月サミットは、その歴史的な転換点になるだろう。そして帝国主義のこれらの動きの一切が、労働者階級への階級戦争を最大の軸におき、それと一体で進行するのだ。

 第5節 イラク情勢の重大化

 とりわけイラク情勢は重大である。
 米帝はイラク・中東の石油資源の強奪と再支配のためにイラク侵略戦争に突入した。だが今日、イラク人民の不屈の民族解放闘争の継続によって、米軍のイラク占領はそれ自身が米帝にとって新たな危機を生み出している。米帝は弱体なマリキかいらい政権を支えるためにシーア派を利用し、クルド人を利用し、ついには一部のスンニ派部族に武器を与えて利用してきたが、それらはイラクの内戦を激化し、一切の元凶である米軍への怒りと憎しみをますますかき立てている。
 さらにイラク侵略戦争の泥沼化は、米帝の国内支配の危機にはね返り、アメリカ労働者階級の階級的目覚めと即時撤兵を求める怒りの決起を呼び起こしている。増大するイラク戦費の重圧は米の国家財政を直撃している。それでも米帝はイラクから絶対に撤退できない。引き揚げればイラクだけでなく米帝の中東支配全体が崩壊する。
 世界経済における米帝の基軸国としての地位が今、グラグラに揺れている中で、米帝はその世界最強の軍事力にとことんしがみつき、侵略戦争の絶望的激化・拡大にひたすらのめり込んでいくしかない。これが帝国主義間の石油強奪戦、世界再分割戦に一層火をつける。他方で闘うイラク人民を始めとする全世界の労働者階級人民の帝国主義打倒の怒りの決起を促進する。まさに「戦争と革命の時代」の到来だ。

 第6節 日帝は「最弱の環」だ

 この中で、最も深刻な危機に追いつめられているのがほかならぬ日本帝国主義である。
 そもそも日帝経済は、90年代の長期不況、97〜98年恐慌を根本的にはまったく脱却できていない。この間一時的に経済が上向くように見えたのは、90年代半ばからの非正規職化・低賃金化による労働者階級への極限的な搾取強化と、米・中経済のバブルに乗じた輸出の拡大によるものでしかない。逆に1000兆円もの天文学的な財政赤字は、国家破産の現実そのものだ。米のバブル崩壊と世界金融大恐慌への突入は、この日帝を一気に奈落の底にたたきこむ。
 しかも日帝は、帝国主義間の争闘戦が激化し、世界経済のブロック化が進み、世界が新たな戦争の時代へと急速に突入する中で、これに対応する戦争体制と帝国主義的・強権的な国内支配の体制をいまだに確立できていない。憲法9条の戦争放棄条項の公然たる撤廃を掲げながら、そこにまっしぐらに突き進むこともできず、逆に改憲攻撃それ自身が政治支配の重大な危機をつくり出している。日帝・福田政権はもはや、統治能力の喪失をさらけ出すに至っている。
 だが日帝には、そうであればあるほど、80年代国鉄分割・民営化以来の新自由主義攻撃をますます貫き、戦争・改憲と民営化・労組破壊の道を突き進む以外にどんな道もないのだ。福田政権が6月に閣議決定しようとしている「骨太方針08」は、日本経団連・御手洗の掲げる「生産性向上」をスローガンに、労働者階級への一層の搾取と収奪に突っ走ろうとしている。
 これこそ決定的なチャンスである。すでにこの間の「構造改革」攻撃が労働者階級にワーキングプア化を強制する中で、最も矛盾をしわ寄せされる2000万青年労働者と学生の中から「生きさせろ!」の叫びがふつふつと沸き起こっている。この叫びは「こんな資本主義はぶっ倒せ!」という怒りの決起に必ずなる。現にその闘いは3・16で本格的に始まっている。
 さらに、自治体丸ごとの民営化、社会保障制度の全面解体、首切り・リストラ、大増税と物価高騰、そして労働者階級と農民の犠牲の上に推し進められる戦争政策への怒りは、これからますます全社会に広がっていく。まさに革命情勢だ。これへの恐怖が日帝ブルジョアジーをしめつけている。
 ここにおいて日帝は、動労千葉を先頭とする階級的労働運動の前進を阻むこと、「動労千葉派」の闘いを押しつぶすことにあらためて現体制の存亡をかける決断をして臨んでいる。4大産別がその焦点だ。ここでの攻防が一切を決する情勢に突入した。

 第3章 Ⅲ 階級的労働運動の大前進で職場を団結の砦に変えよう

 3・16イラク反戦5周年闘争を頂点とする本年1〜3月の闘い、それを引き継ぐ4月の闘いは、階級的労働運動路線の白熱的実践として決定的な前進を切り開いた。あらゆる体制内的な思想や運動と決別し、「労働運動の力で革命をやろう!」と真っ向から提起して闘う青年労働者の隊列が、職場と街頭で公然と登場したのである。これと一体でかちとられた動労千葉の春闘24時間ストは、「闘う春闘」をよみがえらせる先頭に立つものとなった。さらに、闘う教育労働者の「君が代」不起立の絶対非和解の決起は、その団結の力で根津公子さんの解雇を実力阻止するという偉大な勝利を実現した。
 今や労働運動の内部で、体制内的なものと革命的なものとの鋭い分岐が生み出され、階級闘争全体の大流動化が始まっている。既成の体制内指導部は反動化と変質をますます深め、資本・当局と完全に一体化して、闘う労働者を圧殺する側に回った。これに対して青年労働者を先頭に、体制内指導部と激突して職場に労働者の団結を奪い返し、労働組合を再生していく闘いが全国各地で実際に始まったのである。

 第1節 職場に本物の団結を

 その最大の核心は、労働者が本来もっている階級的自己解放の力を全面的に解き放って闘うことにある。そのことは資本によるあらゆる分断を徹底的に打ち破り、職場に本物の階級的団結を形成して闘う中で可能になる。
 資本家階級とその手先である連合中央の労働貴族は、現に自分の前にいる労働者の中に世界を変える力があるなどとは思っていない。この点では日本共産党=スターリン主義者も、社会民主主義者も、さらに塩川一派などの血債主義者も実はまったく同じだ。しかしこれは根本的な誤りだ。社会の真の主人公は労働者だ。労働者階級はその自覚と誇りに目覚め、団結して闘うことを知ったとき、賃金奴隷の鎖を自らの手で引きちぎり、全社会を変革する力を急速に獲得していくのだ。
 賃労働と資本は絶対非和解である以上、労働者はどんな困難な状況に置かれていても必ず資本との闘いに立ち上がる。労働者が闘えないでいるとすれば、それは労働者に闘う力がないからではなく、団結が奪われ、破壊しつくされているからだ。
 現に今、資本の支配とそれに屈服した体制内指導部のもとで労働者は徹底的に分断されている。正規と非正規の分断を始め、同じ職場の中でも雇用形態の別や性別・出身・国籍等々、あらゆる口実を設けて無数の差別分断支配がまかりとおっている。しかしそこにおいて、資本との非和解的闘いが実際に開始されていった時、すべての分断はぶち破られ、労働者階級として一つに団結していくことが可能になる。
 この階級的団結の形成は同時に、資本主義社会=階級社会のもとで破壊され奪われてきた人間的共同性の全面的な奪還である。そこでは一人ひとりの労働者の中に個々人の能力をも超えたまったく新しい巨大な力が呼び起こされてくる。労働者階級のこの団結した力こそが階級社会を転覆し、差別も抑圧もない社会を本当につくりだしていくことのできる原動力なのだ。ここにプロレタリア革命とプロレタリア独裁の核心がある。
 労働者階級への信頼とは、この力をとことん信頼することだ。塩川一派はこれを拒否し、否定したことによって今日、完全な反マルクス主義に転落し変質したのである。

 第2節 資本との非和解貫け

 階級的団結は、資本・権力との絶対非和解の対決を貫く中で形成される。一切は、職場生産点を資本家と労働者のどちらが支配していくのかをめぐる激突から始まる。ここでの非和解的・内乱的激突とそれをとおした労働者階級の団結の拡大こそが決定的なのだ。この団結の究極的拡大が革命だ。
 ストライキがなぜ重要か。労働者のストライキの意義は、ストをやってどれだけの成果をかちとったかという点にあるのではない。そのストライキをとおして労働者の団結が飛躍的に強化され、拡大される点にある。なぜならストライキは、この職場は誰が動かしているのかということ、職場の主役は資本家ではなく労働者であることを、敵階級の眼前に突きつける闘いだ。労働者は虫けらではない、誇り高い人間でありこの社会の真の主人公だということを、実力をもって全ブルジョア社会に知らしめる闘いだからである。
 体制内労働運動は、単に闘わないからダメなのではない。たとえストをやったとしても、ストは要求を通すための単なる圧力手段でしかなく、労働者を自己解放の主体ではなく救済の対象としか見ていないからだ。これに対して動労千葉は、闘っても1円もとれないストライキを、労働組合の団結を守りぬくことを最大の目的に闘い続け、そのことによって20年にわたる国鉄分割・民営化との闘いに唯一勝利してきた。それは労働者の自己解放性を信頼し、そこに徹底して依拠して闘ってきたからだ。

 第3節 1人の決起が決定的

 したがって、この団結は資本・権力との直接対決だけでなく、ブルジョア社会が流すあらゆる反動的価値観との徹底対決とその粉砕を日々闘いとっていく中でこそかちとられる。それは資本の支配を日々打ち破る闘いであり、そのことをとおして、労働者階級が資本主義社会を転覆し新たな社会を形成する力を日々自らの内に育て上げていく闘いだ。資本の命令には従わない職場の団結をつくり出すこと。そして団結した労働者が職場を支配することそのものが革命であり、プロレタリア独裁樹立への闘いなのである。
 プロレタリア革命の勝利は、こうした職場を全国いたるところに、とりわけ4大産別と基幹産業の中に無数につくりだし、労働者階級が社会的生産を掌握しつくす中でこそ切り開かれる。
 何よりも、資本とどこまでも絶対非和解で闘いぬく労働者を職場に1人、つくり出すことだ。自分自身がその1人になることだ。この1人が2人になり、5人、10人になっていく時、職場の中に事実上の二重権力状態が生み出される。3・16闘争は、そうした闘いの上にかちとられた。この闘いの継続こそが世界革命につながるのだ。

 第4節 生きたマルクス主義

 こうした闘いは、マルクス主義の実践そのものである。階級的労働運動とは、労働者自己解放の思想であるマルクス主義を、労働者階級の現実の闘いに貫き通す運動だ。動労千葉労働運動の中には、まさに生きたマルクス主義が体現されている。
 国鉄分割・民営化攻撃=新自由主義攻撃に真っ向からストライキで闘いを挑み、しかもつぶされることなく団結を守りぬいて生き残ってきた組合は、世界に唯一、動労千葉しかない。それを可能にしたのは、労働組合運動を目先の利益ではなく労働者階級の根底的解放=革命を闘いとる立場から位置づけ、団結を一切の総括軸にして闘ってきたからだ。
 「資本がつねに言う『会社あっての労働者だ』という言い方に対して、『じゃあ労働者を食わしていけないようなやつはやめりゃいいんだ』『俺たちがやってやる』、そういう気概を持たない限り、労働組合運動も成り立たない」(中野洋著『甦(よみがえ)る労働組合』)
 労働者は日々生きるために闘うだけでなく、賃金奴隷制からの解放を求めて自ら立ち上がることができ、そのためにどんな困難をもはねのけて団結できる。この確信に立ち切って闘ったからこそ動労千葉は、新自由主義攻撃に絶対反対を貫き、勝利してきたのだ。逆にここで絶対反対を貫いて闘えなかった者はすべて、屈服と敗北への道を突き進んだのだ。
 「動労千葉のように闘えば世界を変えられる」——このことを今こそ全労働者に訴え、闘う労働者を圧倒的に動労千葉派に獲得しよう。全国・全産別で、自らの職場を革命の根拠地に変えて闘おう。

 第4章 Ⅳ プロレタリア革命の展望は4大産別決戦の勝利にある

 階級的労働運動の実践が死活をかけて問われているのは、国鉄・教労・全逓・自治体の4大産別の労働運動である。5〜6月の闘いで、ここでの地殻変動的情勢をこじあけよう。

 第1節 階級的団結論の実践

 革命的情勢が急接近する情勢において何よりも問題となるのは、闘う主体の側における革命への強烈な意志と、そのもとでの団結の形成である。この「革命への意志と団結」が不屈に発揮されるならば、革命的情勢は現実の革命に向かってぐいぐいと引き寄せられる。4大産別こそ、プロレタリア革命をかちとる階級的労働運動路線の真価を最も発揮すべき、階級決戦の最大の戦場である。
 だからこそ日帝ブルジョアジーは、4大産別の壊滅、とりわけその階級的団結の解体に総力をあげている。新自由主義攻撃は、その破綻がどんなに深まっても、執拗(しつよう)な民営化・労組破壊攻撃を4大産別に集中している。4大産別の労働運動が、国家権力機構の内在的一角に労働者の団結を形成するものとして、依然として全国津々浦々に存在している以上、そこに革命への恐怖を見いだすからだ。実際に4大産別こそ、プロレタリア独裁樹立の母体となる位置にあるのだ。
 帝国主義が最末期の危機であればあるほど、4大産別決戦はプロレタリア革命戦略にとって死活的であり、その革命論的意義は巨大になっていく。
 まさに今日の階級攻防は、4大産別の階級的団結をめぐる攻防を最大の激突点としている。しかもそこには体制内労働運動が強固に存在し、革命への最後の防波堤としての役割を果たそうとしている。いやむしろ4大産別の存在そのものが丸ごと体制内労働運動であると言ってもいい。この中に、体制内的な思想と運動を根底から食い破る、革命の意志をもった不抜の階級的団結をつくり出すことが一大決戦となっているのだ。その成否をもって、革命の展望そのものが押し開かれると言っていい。
 今日、政権末期の危機にあえぐ福田政権と日帝支配階級は、統治能力の喪失に七転八倒しながら、それゆえにこそ4大産別の労働運動圧殺にますます自らの死活をかけている。この貫徹ぬきに、小泉以来の「構造改革」攻撃のさらなる継続も、恐慌対策も、9条改憲も、何ひとつ進みはしない。小沢・民主党も、その本質は自民党と同じ穴のむじなだ。実際には自民党以上の新自由主義攻撃推進派でさえある。
 この4大産別をめぐる決戦においてこそ、階級的団結論が圧倒的に打ち立てられなければならない。そもそも新自由主義攻撃は、労働者階級のあらゆる団結形態を徹底的に破壊し分断する攻撃だ。非正規職化の攻撃も、ここに最も重要な核心がある。民営化はこの攻撃をきわめて大規模に、強力に、職場丸ごと推し進める大攻撃だ。だが、そこに絶対反対で不屈に非和解に闘う労働者が存在するなら、敵の攻撃は逆に、職場に労働者の団結を新たに形成する決定的なチャンスに転化する。
 3・9—3・16弾圧を打ち破った青年労働者の闘いは、まさにその典型を示した。権力の不当逮捕は、労働者の中から新たな革命家を続々と生み出す契機となった。この間の法政大闘争での度重なる学生への弾圧も同じだ。闘う団結の拡大こそが日帝権力を追いつめ、大敗北にたたき込んでいる。
 4大産別における階級的団結論の実践とは、このような闘いを4大産別の中に圧倒的につくり出すことである。何よりも4大産別の青年労働者を獲得していく闘いである。ここに一切があると言っても過言ではない。そしてこの青年労働者から、続々と階級の指導部を形成していくことである。今や、4大産別の全路線、運動、組織上の全政策に、青年労働者の獲得の一点が貫かれなければならない。

 第2節 JR本体での決起を

 国鉄戦線は、その最大の主戦場である。
 JRの第二の分割・民営化攻撃は、87年以来の国鉄分割・民営化の大破綻の上に、それと重なり合うようにして進行している。尼崎事故を始め、労働者の生命を奪う安全問題の爆発。日々すさまじい労働強化を生み出す要員問題の破綻。そしてJR総連解体による労働者支配の新たな大転換という危機と矛盾が、平成採の青年労働者を中心に襲いかかっている。しかし、この一切を職場生産点の階級的団結に転じ、青年労働者の獲得を推し進め、国鉄労働運動の圧倒的展望を押し開いているのが、動労千葉の存在と闘いである。
 1047名闘争の勝利は、この動労千葉のようなJR本体の職場闘争と一体化することによってのみ、洋々と切り開かれるのだ。それは限りなく、平成採の青年労働者とともにかちとる闘いとしてある。国労5・27臨大闘争弾圧裁判を、階級裁判として、まさに分割・民営化攻撃を過去・現在・未来にわたって徹底的に弾劾し、平成採労働者と団結する闘いとしてやりぬこう。

 第3節 不起立の団結拡大へ

 教労戦線では、教育労働運動が、全労働者の階級的団結を打ち固める闘いとして大きく発展しようとしている。根津さんの解雇を粉砕した闘いは、教育労働者への団結破壊攻撃を打ち破ったことにその決定的な勝利の地平がある。新採用世代を始めとして、生き地獄さながらの学校現場を根底から団結の力でつくり変える闘いが勝利的に始まったのである。北海道教組のストと一大処分粉砕闘争の開始も重要だ。
 教育をめぐる新自由主義攻撃はこれからますます激化する。教育労働者の手に職場の団結を取り戻す闘いを、不起立闘争を始めとするあらゆる創造的闘いをとおしてかちとっていこう。闘う日教組の奪還へ、職場権力をもぎとる無数の闘いを開始しよう。

 第4節 郵政民営化に反撃を

 全逓戦線では、郵政民営化絶対反対をいよいよ高々と掲げて、職場からの総反撃の炎を拡大して闘う時が来た。
 郵政民営化の破綻は、泥沼的に深まり拡大している。職場の怒りは充満している。JP労組の体制内的裏切りは破天荒なものである。しかし闘って団結しなければ、破綻は破綻とならず、怒りは怒りとして爆発せず、裏切りを裏切りとして暴くことはできない。
 まさに闘う団結こそが職場の分断と絶望を一挙に食いちぎり、職場をあっという間にぬりかえるのだ。
 超勤拒否は、まさに一点の花火が燎原(りょうげん)の火のごとく拡大していく闘いなのだ。それは正規・非正規の分断を打ち破り、青年労働者を先頭に階級の指導部を職場からつくり出す。「労働者に権力をよこせ」という革命への希求を、職場の日常的要求としてかちとる闘いとなる。
 東京中郵廃局(移転)阻止の闘いは、こうした「階級的団結」の闘いへの限りない確信をかちとっている。

 第5節 自治体は最大の戦場

 自治体戦線の闘いは、新自由主義攻撃との激突の最前線として、4大産別の先頭に躍り出なければならない。
 道州制導入攻撃のもとでの自治体の丸ごとの民営化は、全国にまたがる自治体労働者を分断し、その団結を解体して国家の官吏として動員し、戦争国家への改造に直結する大攻撃である。公務員制度改革のもとでの人事評価制度の導入は、賃金をめぐる職場の差別・分断を強化し、民営化による非正規雇用を促進し、「官製ワーキングプア」をつくり出し、公務員労働者200万人首切りを推進する攻撃である。民営化絶対反対こそ、自治体労働者の階級的団結をかちとる柱だ。それはまた、自治体に圧倒的に存在する青年労働者を膨大に獲得する闘いである。
 何よりも自治体労働者の階級的団結は、そのままプロレタリア革命とプロレタリア独裁国家樹立の実体として発展していくのである。

 第6節 医療産別と合同労組

 4大産別決戦と完全に一体で、医療・福祉産別と合同労組の闘いが重要である。
 医療・福祉産別は、4大産別と並んで全国津々浦々に存在し、プロレタリア独裁の拠点となる位置をもっている。医療・福祉労働者は、聖職論や奉仕論をのりこえ、資本や体制内労働運動と非和解的に対決して闘おう。
 合同・一般労組はけっして特殊な産別ではなく、動労千葉型のマルクス主義を実践する労働運動として、階級的団結論を総括軸に原則的に闘いぬこう。そのことが2000万青年労働者の獲得を押し開くことは間違いない。

 第5章 Ⅴ 労働者階級の国際的団結で7月洞爺湖サミット粉砕へ

 米欧日の国際帝国主義は、年1回の首脳会議=サミットを今年は日本で開催する。7月7日〜9日、北海道の洞爺湖で開かれるサミットは、アメリカ・イギリス・日本・ドイツ・フランス・イタリア・カナダの各国にロシアを加えた「G8」と呼ばれる世界の大国が、世界支配の権益を争い、分け合うための帝国主義強盗の会議だ。これを粉砕することは、帝国主義打倒への突破口だ。プロレタリア世界革命の現実性を示す国際連帯の闘いだ。
 サミット粉砕の闘いの核心は、帝国主義者が最も恐れていることをやることだ。すなわち、労働者階級が「死ぬべきは帝国主義だ。労働者に権力をよこせ」と叫んで全職場で資本との絶対非和解の闘いに決起し、その団結を拡大することだ。その中心に4大産別の労働者が立つことだ。この職場闘争を徹底的に闘うと同時に、街頭に進出し、闘う農民や帝国主義への怒りをもつあらゆる人民の力をも結集して、首都を揺るがす万余の大デモをぶちぬくことだ。闘う学生はその最先頭で全国学生ゼネストに総決起しよう!
 全世界を貧困と戦争にたたきこんできた帝国主義(およびその補完物であるスターリン主義)が、この上さらに一切の矛盾を世界の労働者と農民に押しつけて生き延びようとあがくならば、これへの回答はただ一つしかない。帝国主義打倒! スターリン主義打倒! のプロレタリア世界革命を真っ向からたたきつけることだ。この革命に向けた労働者階級の国際的=階級的団結を圧倒的につくり出して闘おう。それが6〜7月サミット決戦だ。

 第1節 帝国主義強盗の会議

 今次サミットは間違いなく、帝国主義によるむきだしの世界再分割戦と、新たな世界戦争(第3次世界大戦)への攻撃を促進するものとなる。
 サミットのテーマは、「恐慌対策」「地球環境問題」「食糧問題」「アフリカ問題」「治安問題」等々である。いまひとつの重要議題としてイラクを始めとした「戦争問題」がある。
 第一にはっきりさせたいことは、これらはすべて資本主義・帝国主義が自ら生み出した矛盾であり、資本主義の枠内で「解決」することなど絶対にできないということだ。恐慌も食糧危機もアフリカの貧困問題も、その原因は帝国主義にあり、金もうけのためなら何でもするという資本の強欲で野放図な活動にある。それがもたらす一切の矛盾を労働者階級人民に押しつけ、社会が崩壊し人類が滅びるとしてもおかまいなし、とするのが資本主義・帝国主義の本質だ。
 地球温暖化の原因とされる二酸化炭素の排出量は現在、全世界で年間約72億炭素㌧。森林や海洋の吸収可能量は約31億炭素㌧。自然の吸収量の2倍以上が排出されている。この恐るべき現実に対して帝国主義者は実際には何の関心も「解決策」ももってはいない。ブッシュはサミットを前に、「2025年までに米国の温室効果ガスの排出量の伸びをゼロにする」との「目標」を打ち出した。これは実際には、25年までの17年間は資本の経済活動を一切に優先させ、排出量も増やし続けるという宣言である。
 日帝やEUが掲げる政策も、原子力発電の拡大や、「排出量取引」を商品化して新たな金もうけの手段にするものでしかない。プロレタリア世界革命によって資本主義・帝国主義を打倒する以外に地球温暖化問題の根本的な解決はありえない。
 第二に、サミットで実際に行われることは、帝国主義による資源と市場の奪い合いだ。「アフリカ開発」とはアフリカの石油や鉱物資源の争奪戦だ。食糧問題も、その本質は世界の穀物を誰が支配するかという問題だ。各国の金融資本が農産物市場を支配する巨大アグリビジネスなどと一体となって、コメや小麦やトウモロコシを先を争って大量に買い占め、それらを帝国主義間争闘戦の戦略物資に変えていることこそが価格騰貴の原因である。
 彼らがやっていることは、農民からは徹底的に安く買いたたき、小農民をつぶしてその土地を奪い、他方で労働者階級を中心とする消費者には独占価格による高い食糧を押しつけるというものだ。また飢餓地域への「援助」と称して食糧を買収の手段に使い、帝国主義による勢力圏化を推し進めるものだ。つまり労働者と農民の犠牲の上に資本が新たなボロもうけをする仕組みである。食糧問題とは農業問題であり、資本主義はここでの矛盾をけっして解決することができない。この点でも、もはや革命以外にない。

 第2節 イラク人民との連帯

 サミットは第三に、帝国主義による侵略戦争の一層の激化・拡大への扉を開くものだ。
 イラク駐留米軍のペトレイアス司令官は4月8日、米軍の撤退を中断し、約13万人規模の兵力をイラクに長期に維持し続けるよう提言した。ブッシュはこの提案を入れ、さらに戦争のイランへの拡大を狙い、アフガニスタンでの敗勢をも立て直そうと躍起になっている。民主党が政権を握っても、米帝が帝国主義である限りブッシュと同じ道を行くしかない。現にクリントンは、イランがイスラエルを攻撃すればイランに対して「大規模報復攻撃を行う」と発言した(4月16日)。
 洞爺湖サミットが、イラク・イラン・アフガニスタンへの侵略戦争推進をめぐる帝国主義強盗どもの協議の場となることは明白だ。サミット粉砕はイラク反戦闘争そのものでもある。さらに北朝鮮や中国スターリン主義の体制的危機の深まりを受け、米日帝による東アジアでの新たな侵略戦争への策動も強まっている。
 今、全世界で高まっている労働者階級のストライキは、資本の強搾取に対する反撃であると同時に、帝国主義の行う侵略戦争を実力阻止する闘いだ。イラクでも、米軍を絶望的な袋小路に追いつめている民族解放・革命戦争の発展を根底で支えているのは、実はイラクの石油労働者の闘いだ。帝国主義国のプロレタリアートと被抑圧民族のプロレタリアートが、帝国主義打倒のプロレタリア世界革命の同志となってともに総決起する時、その団結の力こそが戦争を止める。そして帝国主義を実際にぶっ倒すことを可能にする。
 米帝を始めとした国際帝国主義がイラク侵略戦争の泥沼にますますのめり込んでいることは、逆に世界革命への情勢の巨大な成熟だ。この戦争を帝国主義打倒の国際的内乱に転化して闘おう。何よりもまず帝国主義国のプロレタリアートが本気で決起し、自国帝国主義を打倒し、プロレタリア独裁を実現する闘いをやりぬこう。そしてイラクの労働者階級に呼びかけ、帝国主義に対するイラク人民の民族解放・革命戦争を、プロレタリア世界革命の一環として勝利させるためにともに闘いぬくことを訴えよう。
 4月20日に京都で開かれた「第17回入管法・外登法と民族差別を撃つ関西研究交流集会」は、韓国民主労総のソウル本部長と動労千葉の委員長が参加する中、民族・国籍・国境を越えた労働者階級の団結を呼びかけ、国際連帯の新たな地平を開いた。この道を断固として突き進もう。

 第3節 沖縄と三里塚の闘い

 沖縄闘争と三里塚闘争の発展は、帝国主義戦争を内乱に転化し、革命に勝利する闘いの重要な柱だ。5・15沖縄闘争(5月18日沖縄県民大会)、6・8三里塚現地闘争をサミット粉砕決戦の一環として闘おう。
 沖縄では、昨年の9・29県民大会12万人決起に対する政府・自民党と仲井真知事の必死の巻き返し策動をはね返し、青年労働者の3・16闘争と3・23県民大会が沖縄闘争の新たな激動をたぐり寄せる闘いとしてかちとられた。
 沖縄に基地を強制して侵略戦争の出撃拠点とし、「戦場の島」の現実を日々押しつけているのは日米の帝国主義ブルジョアジーだ。基地撤去と労働者階級の解放は完全に一体だ。沖縄と本土の労働者が分断を打破し、団結して立ち上がるならば日米安保体制は根底から吹っ飛ぶ。それは日帝打倒に直結し、米帝の世界支配を重大な危機にたたき込む。この意味で沖縄はまさに世界革命の火薬庫だ。
 三里塚闘争は08年、市東孝雄さんの農地強奪攻撃との激突をめぐって最大の正念場を迎えている。三里塚は動労千葉の闘いと車の両輪を形成することによって発展してきた労農同盟の歴史的な拠点であり、反戦・反権力の闘いの砦だ。その42年の不屈の闘いは全世界にとどろいている。日帝はこの三里塚闘争圧殺を、4大産別の労働運動圧殺と並ぶ第一級の「国策」として、必死の反革命攻撃をしかけている。
 これを真っ向から打ち破るかぎは、日帝打倒=プロレタリア革命勝利に向けた労農同盟の圧倒的な強化をつくり出して闘うことだ。資本・権力との非和解の激突を開始した大量の青年労働者・学生と反対同盟農民との結合をかちとり、階級的労働運動の発展と三里塚闘争の勝利をともに切り開こう。
 さらにこの5〜6月、西郡住宅闘争や狭山闘争など革命的部落解放闘争の新たな前進、裁判員制度導入など司法改革攻撃粉砕の闘い、9条改憲阻止の闘いをますます発展させ、その一切をサミット決戦の爆発につなげよう。

 第4節 全国学生ゼネストと首都大デモで闘おう

 7月洞爺湖サミット粉砕の決戦は、労働者階級の国際的=階級的団結の力を全世界に示す闘いとなった。サミット粉砕の最大の戦場は首都東京だ。危機にあえぐ日帝・福田政権は必死の厳戒体制をしき、闘う学生や労働者の弾圧に躍起になっている。弾圧は労働者階級の総決起へのチャンスだ! 6〜7月、全国学生ゼネストと首都を揺るがす万余の大デモ、札幌現地闘争でサミット決戦の勝利を実力でもぎとり、今秋11月へ総進撃しよう。
 その突破口を切り開くのが、6〜7月全国学生ゼネストに向けた学生戦線の闘いだ。学生は今や、その大半が卒業しても就職できず、競争と分断とワーキングプア化の攻撃に日々さらされている、労働者階級の一員そのものだ。全国300万学生が競争と分断を拒否し、団結してストライキに決起し、大学の支配権を握れば帝国主義の階級支配は崩壊する。
 サミット厳戒体制の頂点として、法政大学では4月入学式以来、日帝権力、当局・ガードマンとの死闘が展開されている。アジテーション、ビラまき、クラス討論があらゆる反動を食い破って闘いぬかれ、その白熱的るつぼの中から革命的ストライキへと進撃している。全世界の労働者と連帯して、法政大を先頭にストライキに立とう。

 第6章 Ⅵ 革命に敵対し団結破壊する血債主義—塩川一派打倒を

 革命的情勢を現実の革命に転化するために求められているのは、党の大変革である。階級的団結の形成は、その中心に革命党の細胞的団結が座ることによってこそかちとられる。
 この団結は、資本・権力・ブルジョア社会全体との全面的・根底的で非和解的な対決を貫く闘いをとおして初めて形成される。何よりも職場生産点で資本の労働者支配と徹底的に闘い、資本への屈服と妥協の上に成り立つ体制内労働運動との対決をとことんやりぬくことが一切の土台である。
 3・16闘争で青年労働者が切り開いた闘いの地平が示したことは、そうした階級的労働運動の白熱的実践のないところでは、プロレタリアートの党の団結も、階級の団結も、けっして生み出されないということだ。形だけの団結はあってもそれは本物ではない。そして党の団結がかちとられないところでは、階級の団結もかちとれない。なぜなら党は階級そのものであり、階級的団結の最高形態だからである。
 今や、闘う青年労働者は、革命を心の底から求め、革命に勝利するためのプロレタリアートの党を熱烈に求めている。この青年労働者を党に獲得する闘いは、労働者階級の党、革命党としての革共同が、階級的労働運動の全面的白熱的実践をとおして階級とひとつに結合し、本物の党的・階級的団結を形成していく闘いと一体だ。革共同を丸ごと生まれ変わらせるような闘いとして、党の大変革をかちとろう。

 第1節 7月テーゼの実践を

 党の歴史的大変革をかちとるこの闘いは、7月テーゼを徹底的に実践していく闘いである。7月テーゼとは、マルクス主義の核心である労働者階級自己解放の思想の今日的再確立である。すなわち、労働者階級の解放は労働者階級自身の事業であり、プロレタリア革命とは労働者階級が自己の権力を打ち立てていく闘いであることを明確にさせたのである。階級的労働運動の実践とは、プロレタリア独裁を職場生産点における階級的団結の形成として今日的・場所的に形成・確立し、それを全社会に押し広げていく闘いだ。
 ここにおいて、血債主義・糾弾主義との闘いが決定的である。
 血債主義とは、帝国主義国、とりわけ日本の労働者階級は排外主義・差別主義に侵され堕落させられていて、そのままでは革命の主体になれないという思想である。これは、プロレタリアートの階級的本質を完全に否定する思想であり、マルクス主義とはまったく無縁なものだ。逆に資本による労働者階級への差別分断支配に屈服し、この分断を「簡単には打ち破れないもの」であるかのように描き出す。そのことによって労働者階級への不信と絶望をばらまき、階級的団結の形成を妨害し、逆に破壊していくのだ。
 それはまた、戦前・戦後の日本の階級闘争をひたすら「敗北の歴史」としてのみ総括し、そこから「日本の労働者は闘っても勝てない」という結論を引き出してくることと一体である。度し難い敗北主義・日和見主義であり、恐るべき労働者蔑視(べっし)だ。
 革共同から脱落・逃亡した塩川一派や、06年の「党の革命」で打倒された与田とその残党は、この血債主義・糾弾主義に唯一すがって、革命運動からの自らの逃亡を合理化してきた。彼らは今やあらゆる体制内勢力と一体となって、階級的労働運動への露骨な敵対と革共同破壊の策動を強めている。
 その根底にあるのは、日帝ブルジョアジーとまったく同じ、内乱と革命への恐怖である。プロレタリア世界革命が現実になる時代がついにやってきた瞬間に、恐れおののき、あからさまな転向と権力への投降に走ったのだ。
 与田残党分子が部落解放同盟全国連を私物化して強行した全国連第17回大会は、彼らの恥知らずな転向を示す画期となった。大会は「広島差別事件」のデッチあげをテコに「差別なき糾弾闘争」にのめり込み、「革共同との断絶」を権力に公然とアピールし、戦前水平社の転向にも比すべき融和主義への変質と転落を遂げた。塩川一派はこれを美化し、全面的に賛同した。
 塩川一派や与田残党分子の反革命的敵対を怒りを込めて徹底的に粉砕し、血債主義・糾弾主義を根底から克服・一掃して闘おう。

 第2節 不抜の地区党建設へ

 プロレタリア革命への最も重要な実践的方針は、マルクス主義青年労働者同盟1000人建設とマルクス主義学生同盟1000人建設である。これと地区党建設、産別委員会の建設を全一体で推し進めることである。
 とりわけ今日、階級的労働運動の実践に最先頭で決起した青年労働者同志を先頭に、地区党建設の新たな発展が爆発的に始まっている。それは職場生産点で資本・権力と闘い階級的労働運動の拠点建設にまい進する労働者同志が、常任同志とともに地区党の中心に立ち、地区党を変革し、徹底討論とあいまいさのない一致をとおして党の再団結を形成し、階級の指導部を無数につくり出していく闘いである。職場生産点での具体的な実践と密接に結びついた路線討議・政治討議を白熱的にかちとり、党の団結のもとで一人ひとりの力が何倍にも引き出されてくるような地区党建設を実現しよう。
 地区党とは〈党・労働組合・ソビエト>によるプロレタリア独裁建設の決定的な柱だ。この間の闘いは、各職場での団結形成の上に、地区の全労働者を対象とした団結形態としての地区労建設の展望をも生み出している。それはソビエトの母体となり、労働者権力の中心となっていくものだ。地区党建設と階級の指導部建設、プロ独建設が一体でかちとられていくことこそが、革命を現実にたぐり寄せるのだ。
 この闘いは、会議・機関紙・財政という党三原則の生き生きとした貫徹と必ずや結合する。とりわけ革命をもぎとるために不可欠な、非公然・非合法体制の新たな確立と革命的財政闘争の勝利を実現するものとなる。
 青年労働者の獲得と、職場の階級的団結形成に党建設の一切をかけて闘おう。闘う青年労働者と学生は革共同とマル青労同・マル学同に結集し、プロレタリア革命勝利へともに進もう!