2008年4月28日

総力あげ階級的労働運動の実践へ 革共同中央労働者組織委員会

週刊『前進』10頁(2341号2面1)(2008/04/28)

総力あげ階級的労働運動の実践へ
 今春の勝利開いた階級的団結論 よみがえるマルクスの革命思想
 革共同中央労働者組織委員会

 マルクス主義はあいまいさを許さぬ階級闘争の実践の中にこそある。われわれは、革命的情勢の到来を全身でうけとめた昨年来の激闘の勝利的前進の中で、この揺るぎない確信をつかみとった。またそれは、国鉄分割・民営化攻撃反対闘争を始めとした動労千葉の三十数年にわたる苦闘が切り開いた画期的な地平を全身で吸収することによってつかみとった確信でもある。腐り果てた帝国主義の新自由主義攻撃に怒りを爆発させ、帝国主義を打倒する時が来た。階級的労働運動路線の白熱的実践に、今こそ総力をあげて突入しよう。

 第1章 “非和解の闘い”が団結つくった

 3・16イラク反戦闘争は画期的な地平を切り開いた。闘いの組織化の先頭を担った青年は次のように訴えている。
 「革命は誰かがやることではない。私たち労働者階級が、職場闘争・階級闘争をとおして階級的団結を現場でつくり、資本主義体制をぶっ壊し、労働者階級の団結によって立つ本当の解放を手に入れること。本物の労働を資本家から奪い返すこと。07年、私たちは『革命をする』という答えをもって、今の闘いを変えよう!と訴えた。労働運動の力で革命を!と。現場で資本と非和解の闘いを開始するや、御用組合が資本と一体で襲いかかってきた。これをチャンスにする闘いをやりぬいてきた。この闘いは、自分たちで闘争方針を出し『闘うわれわれこそ労働組合だ!』という闘いにまで進んできた。この闘いで一人ひとりが主体になり、責任をとり、自分自身を階級に高めている。私が革命を訴えるのは、今の社会に対する答えが革命しかないからだけではない。私はこんな社会で生きたくない。革命をしたい!ということです。職場・生産点で資本との非和解的な闘いが進めば進むほどそのことがはっきりし、革命欲が高まっている」
 また、この闘いの過程で不当逮捕された仲間は多くが初逮捕だったが、釈放後、「自分と国家、自分の中にあるあいまいなものが吹き飛んだ。この闘いをとおして私は完全に国家の外に立った。楽しかった。どうみても私たちは勝てる!ということがはっきりした」と述べている。
 ここには、革命運動そのものの現実の発展過程が、闘いの渦中での自らの変革をとおして見事に語られている。
 革命は困難な事業だ。このことから、それは普通の労働者にはとてもできないことであり、革命運動は少数の特別な人間がやることだという奇妙な常識が長い間支配していた。だがここには、「プロレタリアの運動は、圧倒的多数者の利益のための、圧倒的多数者による、自立的な運動である。……プロレタリアートは、公的社会を形成しているいくつもの層の上部構造全体を空中に吹きとばさなければ、起きあがることも、身をのばすこともできない」(『共産党宣言』)というマルクスの主張が豊かに脈打っている。
 事実、歴史上すべての労働者の闘いは、改良の要求のために血を流し、職を失い、生命まで失うという、英雄的自己犠牲によって貫かれてきた。改良闘争がすべて改良主義であったわけではない。そして革命闘争がすべて革命的に闘われたわけでもない。小ブルインテリの知識としてしか歴史を知らない塩川らは、労働者階級への絶望を組織し、民同以下の改良主義に血債主義と空疎な「革命的」言辞を接ぎ木して、マルクス主義の革命的核心を破壊する。
 だが3・16闘争を頂点とする闘いの中には、こうした卑劣な階級闘争からの逃亡と鮮明な対比をなして、労働者階級が本来もつ革命的精神があふれている。ここには、資本や国家権力との非和解的闘いを貫くことをとおして労働者階級としての団結・共同性を取り戻し、自らのもつ力を自覚することの決定的な意味が鮮明に示されている。

 第1節 最後的破局が進む帝国主義

 資本主義の最後的な破局が激しく進行している。帝国主義の死の苦悶(くもん)が、全世界で何十億人という労働者や農民を虫けらのように犠牲にし、戦争を引き起こしている。1917年のロシア革命によって、共産主義か資本主義かをめぐって全世界が政治的に衝突する世界史的過渡期の時代が始まったが、それはスターリン主義によって裏切られた。そして帝国主義とスターリン主義の世界体制は、全世界に無数の悲劇をもたらしながら延命した。
 残存スターリン主義国をものみ込んで展開された新自由主義政策は、帝国主義の最後の延命策であった。今、その破綻(はたん)が資本主義の時代が終わろうとしていることを告げ知らせている。世界金融大恐慌が始まっている。貪欲(どんよく)な資本家どもは、全世界の労働者を貧困にたたき落とし、年金や医療、家を奪い、穀物や原油、金属の値をつり上げて食物を奪い、そして戦争に突進している。
 アメリカ帝国主義の世界支配が崩れ落ちようとしている。底知れぬサブプライムローン問題−ドル暴落の危機、イラク戦争−中東支配の完全な破綻、社会的崩壊の激しい進行、南米支配の崩壊、国内外で燃え上がるアメリカ帝国主義への労働者・人民の大反乱。中国の途方もないバブル経済が崩壊を始め、それがスターリン主義支配の危機を決定的に促進している。もはやアメリカ帝国主義の世界支配は現実に崩壊している。日本帝国主義は、支配・統治能力を喪失して帝国主義の最弱の環としての姿をさらしている。
 一方、新自由主義攻撃は、階級対立の歴史的な先鋭化を生み出し、国際階級闘争の地殻変動的な変化をもたらしている。何よりも新自由主義攻撃は、全世界に「資本主義の墓掘り人」たる膨大な労働者とその闘いを生み出した。生きぬくためのストライキ、デモ、「暴動」、民族解放・革命戦争が、時代の最前線に躍り出ている。闘いは激しい路線的分岐と衝突を生みながら、その中からマルクスの革命思想が復権しようとしている。
 新自由主義攻撃は、全世界の労働者を「最底辺へ落ちてゆく泥沼の競争」に駆りたてた。しかしその現実そのものが、マルクスが「労働組合—その過去、現在、未来」で述べた、労働組合は「避けることのできない労働者の仲間同士の競争」によってつくり出される「労働者の分裂を阻止する企てから生まれた」という原点に世界の労働者を引き戻した。階級的団結の思想がものすごい生命力を帯びてよみがえろうとしている。
 われわれが地をはうような努力の中で、日々自らの変革をかけて、資本や体制内労組幹部たちからの激しい攻撃と非和解的に対決し、階級的団結と職場細胞(地区党−産別委員会建設)をつくり上げる闘いを確信をもって推し進めることができるのは、全世界の労働者の燃えるような息吹とひとつのものとして自らが存在していることを知っているからである。われわれは、11月労働者集会によって、労働者の国際主義的団結を自らの階級性の発現としてつくり出したことに不動の確信を持ったのだ。

 第2章 階級的団結と共同性を取り戻せ

 われわれが党の変革・革命の渦中で確立した階級的団結論は、プロレタリア革命論の本質にかかわる決定的地平だ。
 「万国のプロレタリア、団結せよ!」——ヨーロッパに革命の嵐がとどろいている最中、マルクスがどれほど万感の思いを込めて『共産党宣言』の最後に、一見何の変哲もないこの言葉を記したのか。そして、第一インターナショナル規約の「労働者の解放は労働者自身の事業である」というあの力強い洞察をなしえたのか。今われわれは、明確にその意味を理解することができる。
 「労働力の商品化」——労働という人間社会を成立させている最も基本的な行為が「疎外された労働」として労働者に強制され、人間の共同性を破壊し、資本を生かし増殖させている。これが資本主義であり、その矛盾の当事者たる労働者は、それゆえ革命の担い手なのである。
 われわれが求めるのは「貧困」に対する「豊かさ」、「不平等」に対する「平等」ではない。「労働力の商品化」=賃金奴隷制そのものを廃絶することだ。それは、国家権力を打倒してプロレタリア独裁を樹立し、資本家的私有財産を積極的に止揚するという自らの革命的飛躍の過程である。全世界を獲得する根源的エネルギーは、打ち砕かれた階級的団結と共同性を取り戻すことによって生み出されるのだ。
 本多延嘉革共同前書記長は、この点を次のように提起している。「われわれはブルジョアジーの政治的暴力をぶちやぶって、はじめて前進していくことができる。……しかしわれわれは、こういう手段性においてのみ、暴力革命を理解しているのではない。……そういうたたかいをやることによって、プロレタリアートは、自分自身の革命的な共同性、ブルジョアジーを打倒し、社会の主人公となっていくたたかいの力を、がっちりとつかみとることができるのです」「ブルジョアジーにたいする革命的暴力として、階級を一歩一歩団結させ、その力によってブルジョアジーを打倒し、そうしてプロレタリア独裁を樹立するというかたちをとって、資本家的私有財産の積極的止揚のための第一歩は、しるされる」(「革命的共産主義運動の歴史について」本多延嘉著作選5巻)。
 革命のスターリン主義的変質は、革命後の困難に負けて、一国社会主義論をもって世界の労働者との連帯・団結を断ち切ったところに生まれた。それは、帝国主義との「平和共存政策」となって世界の労働者の闘いを圧殺した。そしてそれは、その必然的結果として党の官僚的疎外とスターリン主義的圧政をもたらした。階級的団結論はわれわれの綱領的立場にとっても決定的な意味をもつ地平なのである。

 第1節 職場・生産点での勝利土台に

 この間われわれは、職場・生産点での勝利の上に階級闘争全体を推進する立場をあいまいさなく鮮明にさせてきた。それは、マルクス主義を現実の階級関係、生きた運動の中で鍛え上げ、何よりも革命の主体そのものの創造(階級的団結の形成と階級そのものとしての党・労働者細胞の建設)に全力を傾注することで革命の現実性をたぐり寄せる決断であった。
 激しい諸事件のうねりとしぶきを浴びる革命の経過の中では、どんなに整備された理論も木っ端のように浮き沈みする。ここで、本当の革命家と革命に酔う「革命主義者」とが分かれる。われわれは、現実の政治と資本の支配の中で苦しんでいる労働者の姿をけっして忘れない。絶対に信頼し、ここで勝負する。そうした決断でもあった。
 それは、新自由主義攻撃と真正面から対決し、固い団結を守って勝利し続けてきた動労千葉労働運動という画期的な経験と地平から学ぶことによって実現されたものであった。同時にわれわれは、レーニン労働組合論を革命論的にとらえ返すことで、革命の全過程において労働組合が果たす決定的な役割を明らかにしてきた。レーニンは「解党主義」や「召還主義」との闘いをとおして「組合と党との緊密な接近」に全力をあげ、全工場に非合法の社会民主党細胞をつくり、党が労働組合と「共働」して労働運動の巨大な高揚期に対応した。こうした努力なしにロシア革命の勝利はなかったのだ。
 階級的労働運動路線の白熱的な実践の一歩を踏み出すことによって、革命党としてのわれわれ自身の飛躍と変革が始まったのである。時代の精神を最も敏感に感じとった青年たちがその先頭を担っている。われわれは断固たる確信をもってこの道を進む。

 第3章 階級の指導部としての党の建設

 さらに、階級的団結論は党建設論の核心にかかわる問題でもある。階級的労働運動路線は、革命的労働者党を創造するための闘いの決定的一環として打ち出されたものでもあるのだ。その根底には、「貧困と格差」の急速な拡大という労働者が置かれた現実のもとで、すべての日常的スローガンのなかに革命の火種が弁証法的に内在しているという確信がある。それは、マルクス主義を学び、職場で資本との闘いを開始した青年労働者が、たちまち「労働運動の力で革命をやろう」という画期的スローガンを生み出したことによって証明された。
 またわれわれは、極限まで腐り果て、資本の手先、帝国主義の手先に転落した一切の体制内的勢力やスターリン主義のイデオロギーから、労働者を思想的、政治的、組織的に解き放つという困難な闘いと結合することによってのみ、革命的労働者党を創造できる。われわれが労働者階級から「独立」した革命的共産主義者の党を創造しようとしているのは、階級に代位して階級の利益のために闘おうとしているからではない。それどころか、われわれの究極の目標は、先にも述べた「労働者の解放は労働者自身の事業である」を実現する点にある。「共産主義者は、プロレタリア階級全体の利益から切り離された利益をもたない。……共産主義者が他のプロレタリア党と違う点は、一つは、プロレタリアのさまざまの国民的な闘争において、国籍と無関係な、プロレタリア階級全体の共通の利益を強調し貫徹すること、もう一つは、プロレタリアートとブルジョアジーのたたかいが経過していくさまざまな発展段階で、つねに運動全体の利益を代表すること」(『共産党宣言』なのだ。
 その場合、党と階級の弁証法的関係を確認するだけでなく、何よりも党の路線をマルクス主義で徹底的に鍛え上げること、労働者階級の最高の団結体として党をつくりあげていくこと、一切の犠牲を恐れず労働者階級とともにその先頭に立って闘うことこそが求められる。労働者階級の闘いの歴史は、階級自身が自らの指導部を生み出すことによって団結してきた歴史である。実践から学び、検証されることをとおして、われわれ自身が階級の指導部として屹立(きつりつ)しなければならない。
 われわれがこの間、強力に推し進めてきたマル青労同・マル学同建設、産別委員会の建設も、階級的労働運動路線とその前進を土台にして初めて実現することのできた組織的前進であった。われわれは、階級的労働運動路線の白熱的実践の渦中で、マル青労同・マル学同、産別委員会と地区党建設を有機的、相互発展的に結びつけていかなければならない。中央労働者組織委員会はその最先頭に立つ決意である。
 われわれの決意は鮮明だ。第2次国鉄決戦を中心とした4大産別決戦を、党の総力をあげてさらに前進させよう。4大産別こそ階級攻防の焦点であると同時に、体制内労働運動の最後の牙城でもある。ここでの革命派の前進は、間違いなく全労働者の革命的決起を生み出す。それだけに闘いは困難だ。そのことは、1047名闘争の現状や「日の丸・君が代」不起立闘争を見てもわかる。革命的精神で断固として非和解(絶対反対)の闘いを貫徹し、階級的団結をつくり上げよう。
 第節 7月サミット粉砕し11月へ
 7月洞爺湖サミット粉砕闘争が、当面する最大の政治決戦だ。全世界の労働者と固く団結して、5・18沖縄現地闘争から、6〜7月、東京—北海道現地を席巻する大デモでサミットを迎え撃とう。危機に揺らぐ福田反動政権を打倒しよう。サミット闘争を突破口に、11月労働者集会への1万人結集をかちとろう。