2008年4月21日

国会と職場での闘い結び共謀罪を永久に廃案に!

週刊『前進』06頁(2340号6面3)(2008/04/21)

国会と職場での闘い結び共謀罪を永久に廃案に!

 第1章 サミットまでに成立ねらう

 共謀罪法案は、2006年5〜6月の政府・与党による「民主党案丸のみ詐欺」の挫折以来、国会審議がストップしているが、いつでも審議再開を強行できる状態にある。昨年1月の通常国会では安倍首相(当時)の指示で「テロ等謀議罪」と名称を変えて登場(2月)し、8月には法相に就任した鳩山が「サミットまでに成立させたい」と叫んだ。
 共謀罪法案は、03年に国会に提出されて以来、足かけ6年にわたり成立が阻まれてきた。13回目の今国会では、福田政権の危機でその審議すら阻まれている。95年破防法団体適用阻止、99年組対法(盗聴法)反対運動の爆発、そして03年法案提出以来の共謀罪反対闘争の力が、労働者階級の団結を破壊する共謀罪の成立を実力で阻止してきたのだ。
 鳩山法相は、来年5月の裁判員制度の実施を前に、一方で死刑執行を乱発し、他方で共謀罪成立をもくろんでいる。鳩山は7月サミットを前に開かれる6月11日〜13日の内務・司法閣僚会合の議長を務めるが、共謀罪導入の“国際公約履行”を押し出している。
 今こそ共謀罪を廃案に追い込む時だ。あらゆる職場闘争を基盤に、会期末の6月15日に向けて国会闘争を強化し、共謀罪の永久廃案に向けて、労働者階級の階級的団結を強化しよう。
 1978年のボン・サミットで「ハイジャックに関する特別声明」を打ち出して以来、国際帝国主義は治安問題を毎回のようにサミットの課題としてきた。2000年の沖縄サミットでは「国際的(越境)組織犯罪条約」を起草し、以後世界的に共謀罪・参加罪という労働者階級の団結権を破壊する攻撃が展開されてきた。
 2001年の9・11反米ゲリラ戦後、米帝は「12のテロ防止関連条約の批准」を世界各国に強制、昨年のハイリンゲンダム・サミットでは「グローバル化時代の安全保障」が採択され、治安対策の強化をエスカレートさせた。
 このようにG8は、政治経済問題では激しく争いながら、世界的な治安政策=ブルジョア階級支配の維持という一点では強く共同歩調を取っている。まさに全世界の労働者階級を敵に回す帝国主義強盗会議なのだ。
 その中心実体がG8の内務・司法閣僚会議で、今年は6月11日〜13日に東京で「組織犯罪とテロ問題」(3月官房長官談話)にして開催される。7月洞爺湖サミットに向けて東京を厳戒態勢下に置き、労働者階級の決起を弾圧して「サミットまでに共謀罪の成立」を図ろうとしているのだ。
 労働者階級の革命に向かった階級的団結を世界の労働者人民に告げ知らせる大きなチャンスだ。弾圧には完黙・非転向を武器に、共謀罪攻撃には労働者の「共謀」=団結と連帯を武器に闘おう。

 第2章 新自由主義と治安体制強化

 1970年代後半からの新自由主義政策の全世界的展開は、世界に戦争と民営化・労組破壊をもたらした。世界は富めるものはますます富み、貧しいものはますます貧しくなった。それを拒否するものには、南米諸国や中東諸国のように米軍のハイテク兵器で襲撃し焦土にしていった。
 新自由主義政策に対する労働者民衆の反撃を受け帝国主義は、特に1991年ソ連崩壊以後、一方で国家主義と排外主義を強め、他方で世界的に治安体制を強化して階級支配を貫いてきた。
 こうして、1990年代中期から「国際犯罪」「テロ対策」が各国帝国主義者の一級の課題になり、戦争政策と一体のものとして治安法攻撃が推進されていく。特に2001年の9・11以降の米愛国者法がモデルとなって、日本でも労働法改悪と一体となった新たな治安法攻撃が強まった。99年組対法・盗聴法、団体規制法、02年マネーロンダリング規制法、04年「テロの未然防止に関する行動計画」の決定と実施、さらに07年11月からは、入国者に対して2指の指紋押捺(おうなつ)と顔写真提供が強制された。
 また99年に改悪された住基台帳法によって総背番号制を導入し、これを軸に監視カメラ、Nシステム(ナンバー読み取り装置)の拡充などの監視体制が強められた。これら全体の頂点的攻撃が共謀罪導入なのである。
 だがその新自由主義政策は破綻(はたん)し、米帝や諸帝国主義国自身がサブプライムローン問題やイラク戦争の泥沼であえいでいる。最末期帝国主義の現実だ。

 第3章 目的は労働者の団結破壊

 国際的(越境)組織犯罪条約の必要条件と強弁して推進されている共謀罪攻撃は、階級的労働運動を対象とした弾圧体系だ。新たに設定した619の類型に相当すれば、実行行為ではなく会話だけで最高5年の罪に問える。思想・信条を弾圧する「現代の治安維持法」だ。究極の狙いは労働者の階級的団結の破壊にある。ゆえに法体系がきわめて「予防」的で、労働者階級の「国際性」を問題にしている。
 階級的労働運動の前進は、日帝の危機を促進している。職場と国会での闘いを結び、全力で共謀罪の成立を阻止し、永久に廃案に追い込もう。
------------------------
     *
■共謀罪阻止闘争のスケジュール
4月25日(金)午前8時30分〜午後1時 国会前行動(昼休み集会)
5月16日(金)午前8時30分〜午後3時 国会前行動(昼休み集会)