2008年4月21日

5・15沖縄闘争-サミット決戦へ 本土と沖縄の労働者は一つ 階級的団結発展させ闘おう

週刊『前進』06頁(2340号5面1)(2008/04/21)

5・15沖縄闘争-サミット決戦へ
 本土と沖縄の労働者は一つ 階級的団結発展させ闘おう
 革共同沖縄県委員会

 3・16イラク反戦全世界一斉行動は、4人の青年労働者の不当逮捕をものともせず打ち抜かれた東京を先頭に全国で闘いぬかれた。沖縄では、さらに1週間後の3月23日、「米兵によるあらゆる事件・事故に抗議する県民大会」が豪雨の中6000人の結集をかちとった。県民大会実行委員会は14〜15日、65人の東京要請行動を展開している。昨年9・29県民大会の12万人決起—11月労働者集会5700人結集—3・16闘争—3・23県民大会と闘われてきた。この闘いのさらなる発展をかけて、5・15沖縄闘争の勝利から6〜7月サミット決戦へ、青年労働者と学生を先頭に闘おう!

 第1章 青年労働者・労働組合が3・16−3・23の中軸担う

 6000人の結集でかちとられた3・23県民大会の意義は何か。
 第一に、9・29県民大会の12万人決起の地平の発展か、その圧殺かという激しいせめぎ合いの中で、断固として闘いを発展させていくという沖縄の労働者階級人民の固い意志が3・23県民大会の成功を切り開いた。今回、仲井真県政と自民党県連がずり落ちたことは重要な意味がある。大会参加者は異口同音に仲井真と自民党県連を徹底弾劾していた。これは、「超党派」という形式を超えて闘いが階級的に前進しているということである。むしろ追いつめられているのは仲井真であり自民党なのだ。
 第二に、闘いの中軸に労働組合がしっかりと屹立(きつりつ)していることである。高教組・沖教組はこの闘いの一切を担いきった。自治労も全力で動員を行った。9・29県民大会実行委員会の中心的な団体と労働組合との連帯は一層前進した。21世紀の沖縄の階級闘争を前進させていく新しい形の運動が始まったのである。
 第三に、3・16闘争の決定的な意義である。沖縄においても3・16闘争は従来のイラク反戦の枠組みを完全に作り替える新たな闘いとして実現した。この闘いが3・23県民大会と呼応するものとして闘われた。労働者とりわけ青年労働者が闘いの牽引(けんいん)役として沖縄の階級闘争に歴史的に登場したことは、沖縄闘争の新たな激動期を決定的にたぐり寄せている。
 第四に、その対極としてあった塩川一派を始め脱落・逃亡分子の「野合」とも言うべき醜悪な姿である。結局のところ沖縄闘争に利用主義的に「乗っかり」「乗り移る」という一点で彼らは「同じ穴のむじな」である。
 そしてその感性は、今回「全国動員」をかけたカクマルとまったく同じである。プロレタリア革命なき「沖縄闘争」などというのは、沖縄の労働者階級に対する侮辱以外の何ものでもない。
 5・15闘争は、こうした中で9・29—11・4—3・16—3・23と発展してきた階級闘争のさらなる発展をかけた日本労働者階級の決戦である。
 「本土復帰」——基地の島の現実を固定化するペテン的「返還」から36年を迎える沖縄。労働者階級が直面する沖縄の現実とは何か。それは一言で言って米軍再編・イラク戦争下で戦場と化しつつある沖縄ということである。2月10日の少女暴行事件は、その現実を衝撃的に突きつけた。

 第2章 米軍再編・イラク戦下で戦場と化す沖縄の現実

 沖縄の米軍基地はイラクに直結している。かの2004年のファルージャ戦を含め、在沖米軍はイラクへ繰り返し派兵されている。2004年8月13日に沖縄国際大に墜落したヘリコプターもまた、イラクに派兵されようとしていたのだ。
 米軍のイラク侵略戦争の泥沼化と敗勢は、そのまま基地の島=沖縄に直結する。それはあたかもベトナム侵略戦争が泥沼化する中で、米兵によるありとあらゆる事件・事故が激発した時代へと沖縄を引き戻している。
 2月10日の事件以降も、フィリピン人女性に対する暴行事件(2月18日)、酒に酔った米兵の民家への侵入や飲酒運転、基地の中で酒に酔った米兵がフェンスを乗り越えて基地外で事務所への侵入事件を起こすなど、事件・事故は続発している。米軍の発表でも米兵の性暴力は2688件に上るという(06年10月〜07年9月)。
 3・23県民大会後も、3月27日に沖縄高等養護学校に米軍車両が侵入する事件が起きている。同様の事件は昨年7月18日にも発生した。そして3月26日にはキャンプ・ハンセンで民間地600㍍に迫る大規模な山火事が発生、翌日はキャンプ・シュワブでも山火事が発生している。
 さらに3月16日に発生したタクシー強盗で米軍人の息子4人が逮捕され、この事件で米軍の憲兵(!)が主導的役割を果たしていたとして逮捕された。また3月31日、米軍属がコンビニ強盗で逮捕されている。06年のタクシー強盗で2人の海兵隊員を米軍が拘束していることも4月11日までに判明した。
 こうした中で、米軍再編下の軍事要塞(ようさい)として沖縄の基地は日々強化されている。キャンプ・ハンセン「レンジ3」にグリーンベレーが使う小銃射撃場建設が新たに開始されている。金武町議会は伊芸区の基地撤去を要請した。有事即応訓練に向けて韓国クンサン基地からF16戦闘機が3月10〜11日にかけて嘉手納基地に飛来し、周辺に爆音をばらまいている。
 3月17日からはキャンプ・ハンセンで陸上自衛隊が米軍専用施設で単独訓練を初めて実施した。在沖米軍と自衛隊の一体化という歴史的事態である。4月14日には空自が米軍と空中給油訓練を行った。これは03年に訓練が始まって以来7回目である。
 辺野古新基地建設は、3月17日からアセス調査に本格的に着手。当日はジュゴンが現れたということで調査は見送られたが、翌日からは本格的な海上攻防が闘われている。4月3日には、辺野古の沖縄工業高専上空でヘリコプターがホバリング訓練を強行。「第二の沖国大事件」がいつ起きてもおかしくない情勢だ。
 「基地の島」「戦争の島」が「戦場と化しつつある島」へと激烈に変貌(へんぼう)しつつある。9・29県民大会とそれ以降の沖縄の階級闘争の激動を規定しているのは、この沖縄の現実そのものである。

 第3章 「復帰」闘争こえ新たな沖縄闘争の高揚ひらけ

 71年の沖縄「返還」協定批准阻止闘争は、ベトナム反戦闘争の高揚と一体の闘いとして闘われた。米軍のベトナム侵略戦争が泥沼化し敗走を重ねる中、アメリカ労働者階級を始めとした全世界でのベトナム反戦闘争の爆発に米帝はグラグラになっていた。この中で、米軍政下の沖縄は、「基地の島」としての極限的矛盾を爆発させていた。沖縄の労働者階級の闘いは日本(本土)の労働者階級との連帯と団結の中で、「基地の島」の現実を根底から覆す闘いとして爆発した。米軍基地で働く労働者の組合=全軍労のストを先頭に、全島ゼネストを闘い、戦闘的デモを闘った。
 この闘いを71年11・14渋谷暴動闘争として闘った全学連と反戦青年委員会に対する日帝国家権力の圧殺攻撃が、星野文昭同志への無期懲役という大弾圧だった。33年間も不屈に闘う星野同志と獄壁を越えて団結し、必ず奪還しよう。
 そしてまた、71年の階級闘争の内乱的発展に恐怖して闘いを圧殺しようとしたのが、体制内労働運動指導部(総評)であり、社会民主主義の「左」の支柱=カクマルだった。
 今日問われている課題もまさにそのことである。あの時の「復帰」をめぐる闘争で打ち破れなかった壁に対して、今度こそ分断を打ち破って勝利するのだという沖縄の労働者階級の熱い思いが噴き出したのが、9・29県民大会12万人決起であり、3・23県民大会だ。
 この地平をわれわれは絶対に敵に明け渡してはならない。いやむしろ切り開いた地平にふさわしい階級的な団結をより一層打ち固め、今こそ「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」の巨万の労働者階級人民の決起を実現しよう。
 日帝は沖縄と日本(本土)の労働者とその闘いを分断してきた。さらに労働者を職場においてもバラバラに分断して労働者の支配を貫徹しようとしている。体制内指導部はこの分断攻撃に屈服し、その先兵役を買って出ている。
 なぜ労働者階級は沖縄闘争を闘うのか。それは沖縄と日本(本土)の労働者階級が分断されている現実をのりこえ、団結したいという心の底からの欲求があるからだ。それは職場において隣で働く労働者と団結したいという欲求と同じものである。職場生産点で資本と闘い労働者の団結を形成していく闘いは、沖縄と日本(本土)の労働者階級の分断をのりこえて団結していく闘いそのものである。そしてその団結が基地撤去を実現するのである。階級的労働運動路線こそが沖縄闘争の勝利への道だ。
 沖縄における3・16闘争の意義は、まさにこのような階級的団結を基礎にした新たな闘いに青年労働者を先頭として断固として挑戦したことにある。それは9・29—3・23の闘いに相呼応しつつ、さらにこの歴史的革命的な沖縄の階級闘争の激動を真の勝利に導く路線を実践的に提起する闘いとしてあった。
 だからこそ、この3・16の切り開いた地平をめぐって激烈な党派闘争が闘われている。あらゆる既成の体制内指導部がこの地平の圧殺に襲いかかってきている。しかしこの構造こそ、沖縄闘争の勝利に向かって絶対に突破しなければならない試練なのだ。またそれは9・29の地平の圧殺か発展かをかけた最も鋭い攻防点でもある。
 この試練にふさわしい階級的な団結を打ち固めた時、われわれは「復帰」闘争をのりこえる沖縄の階級闘争の高揚を自らの手で切り開くことができる。11・4—3・16と9・29—3・23が真に一体となった時に、われわれは革命をたぐり寄せることができる。
 08年5・15沖縄闘争は、11・4—3・16の地平と9・29—3・23の地平を一体のものとして闘う新たな沖縄闘争の開始を宣言する闘いである。「5・15体制」はもはや風前の灯である。われわれは自らの団結した闘いで「5・15体制」を最後的に粉砕するのだ。
 そしてこの力で6〜7月サミット決戦の大爆発をかちとろう。沖縄—日本(本土)—全世界の労働者はひとつになって闘い、反帝国主義・反スターリン主義世界革命の勝利を実現しよう!