2008年4月21日

農地取り上げ違憲訴訟 市東さん「デタラメ認めぬ」

週刊『前進』06頁(2340号4面2)(2008/04/21)

農地取り上げ違憲訴訟 市東さん「デタラメ認めぬ」
 千葉地裁 労農学100人が傍聴決起

 千葉地裁で4月15日、三里塚芝山連合空港反対同盟の市東孝雄さんが千葉県を相手取って提訴した農地取り上げ違憲訴訟の第3回口頭弁論が開かれた。
 成田空港会社(NAA)は市東さんが祖父の代から耕し続けてきた天神峰の耕作地を「NAAの所有だ。農業をやめ出ていけ」と迫っている。堂本知事はこれにお墨付きを与える「耕作権解除許可決定」を出した。権力を笠に着た農地強奪そのものだ。反対同盟を始め傍聴席の数をはるかに上回る100人を超す労働者・農民・学生らが怒りに燃えて駆けつけた。
 顧問弁護団の葉山岳夫弁護士が準備書面を陳述しNAAの土地取り上げの企みを全面的に暴いた。NAAの前身である空港公団は市東家が耕している土地を88年に旧地主から買収した。ところがそれを市東さんに15年間もひた隠しにしてきたのだ(旧地主は何食わぬ顔で市東家から地代を受け取り続け、値上げまでしていた!)。
 こんな違法・無法をやっておいて今さら「地主だ」と名乗り出て市東さんに「出ていけ」とは、厚顔無恥の極みだ。
 また市東さんと弁護団は耕作地の位置決定がデタラメであることを指摘してきたが、被告・千葉県は「仮にその土地が原告の賃借地ではないとすれば、決定取り消しを訴える利益がない」、よって「原告適格を欠く」と主張してきた。
 自分の間違いを逆手にとって、市東さんに向かって「原告適格がない」だと? 冗談ではない!畑の位置の特定は契約解除決定の大前提だ。それが間違っている以上NAAの申請は無効であり、決定も取り消されるべきなのだ。
 ところが堀内明裁判長は、この被告・県のとんでもない主張に肩入れする姿勢を示し、弁護団から弾劾された。市東さんの怒りを思い知れ!
 終了後に場所を弁護士会館に移して、記者会見と報告集会が開かれた。市東さんが冒頭にあいさつを行い、「弱い者に対して法律がくるくる変わる。こんなデタラメを認めるわけにはいかない」と怒りを表明し、一層の支援を訴えた。
 弁護団の報告には会場から熱心な質問が相次ぎ、NAAのやり口が違法・脱法の積み重ねであることがあらためて浮き彫りになった。
 北原鉱治事務局長は、30年前の開港阻止決戦で自らが横堀要さいに立てこもり闘ったことを感慨深く語り、「もう一度あの流血の実力闘争をやる気概がなくては三里塚の勝利はない」と一同に檄を発した。これにこたえて、農地取り上げに反対する会代表と全関西実行委の永井満さんが、農地強奪攻撃と闘いぬく決意を表明した。
 動労千葉の滝口誠さんは、三里塚と連帯して民営化阻止、サミット粉砕の大決戦に立ち上がることをアピールした。
 萩原進事務局次長がまとめのあいさつを行い、「3・30全国集会で参加者が増えたがまだまだだ。秋にはさらにこの2倍に増やそう。後期高齢者医療と称する収奪が始まり、お年寄りも決起している。形を変えた”代執行決戦”が日本全国で続々と起きるだろう。三里塚で勝つことがあらゆる闘いにとって決定的だ。秋に向けて攻めの闘いを」と訴え、参加者を奮い立たせた。
 次回期日は6月24日。反対同盟が訴える6・8現地集会・デモを爆発させ、裁判の傍聴・支援に全力で駆けつけよう。