2008年4月21日

日研総業に抗議行動 さいたまユニオン 退職強要はねつけ闘う

週刊『前進』06頁(2340号3面4)(2008/04/21)

日研総業に抗議行動
 さいたまユニオン 退職強要はねつけ闘う

 3月22日、大手派遣会社の日研総業は、一般合同労組さいたまユニオンの組合員、Oさん(35)を不当にも契約解除し、解雇しました。さいたまユニオンは、Oさんへの不当解雇攻撃が始まった1月末から、Oさんとともに団体交渉を行ってきましたが、会社は労働者を見下した態度に終始し、団交は決裂。3月21日、東京・大田区西蒲田にある日研総業本社に抗議行動をたたきつけました。地元の合同労組なんぶユニオンの支援を受けて、昼休みの1時間は本社前で、その後は蒲田駅前で、マイクで訴え、ビラを配りました。
 日研総業本社がある日研第一ビルから昼食をとりに出てくる労働者が次々にビラを受け取りました。「日研総業はOさんの不当解雇を撤回しろ!」「退職強要と不当労働行為の責任をとれ!」の訴えに反応はストレート。本社前でのビラは受け取りが悪いのではないかというのは、杞憂(きゆう)にすぎませんでした。
 周辺住民の関心も高く、通行人は自ら手を伸ばしてビラを受け取っていきます。その中のひとり、中年の男性は、自転車を止めてビラを取っていったと思ったら、しばらくたって戻ってきて、2千円のカンパを差し出すではありませんか。Oさんが「僕が本人です」と自己紹介すると、感激した面持ちで握手を求め、激励の言葉をかけてくれました。蒲田駅前でも、女性が「息子が首になった。本当にひどい」と訴えて話しかけてくるなど、予想を上回る大きな反響に驚きました。
 昨年6月からキヤノン電子美里工場に派遣され勤務してきたOさんに、日研総業は、契約途中の1月、契約期間を2カ月も残しているのに「もう仕事はない」と退職を強要してきました。管理者のMが「会社の上の方から言われて、ここに退職届(用紙)を持ってきている」と言い、夜の8時過ぎから11時まで3時間近くも車の中で退職を迫ったのです。
 Oさんは、以前にも同様の手口で退職届に判を押させられた経験がありました。日研総業は、このようにして「自己都合退職」に見せかけて、たくさんの労働者をほうり出してきたのです。しかし、合同労組の組合員になって戦いを開始したOさんは、これを毅然(きぜん)としてはねつけました。
 許せないのは、それだけではありません。Mは「組合に相談すると、派遣会社は横のつながりが広いから、ブラックリストに名前が載って就職に支障をきたす」と、Oさんを脅したのです。こんな露骨な不当労働行為があるか!
 団交の場で日研総業は「不適切な行為だった」と言いつつ会社の責任は認めず、「退職強要はしていない」「不当労働行為ではない」と開き直りました。そして、日研総業で数年も働いている実績があるのに「Oさんにスキルがない」と言い放ちました。労働者が声を上げることを抑圧し、都合が悪くなり、もうけにならないとなれば、本人の責任にデッチあげて使い捨てにする。物だってもっと大切に扱われる!
 これが「派遣・請負」の実態だ。絶対に許すことができません。Oさんは怒りに燃えて解雇撤回闘争を闘い続けています。
 (投稿/一般合同労組さいたまユニオンK)