2008年4月21日

後期高齢者医療制度撤廃を ガソリン暫定税率「再議決」許すな

週刊『前進』06頁(2340号3面1)(2008/04/21)

後期高齢者医療制度撤廃を
 ガソリン暫定税率「再議決」許すな
 福田政権打倒し革命やろう

 後期高齢者医療制度で年金からの保険料天引きが始まった。またガソリン税暫定税率の再議決も狙われている。労働者の生活はますます逼迫(ひっぱく)し、福田政権への怒りは日増しに高まっている。世界金融大恐慌の現実化の前に、福田政権の政治危機はさらに深刻だ。階級的労働運動の実践で、福田政権を倒し、7月洞爺湖サミット粉砕決戦で世界革命への道を切り開こう!

 第1章 “年寄りは死ね”という攻撃

 後期高齢者医療制度で保険料の年金からの天引きが15日から始まった。高齢者を始め労働者家族の怒りはもはや沸点に達している。「このままでは餓死しかない」(81歳男性)「保険料が引かれると月6万円くらいの年金収入になる。年寄りは早く死ねということなのか」(71歳男性)
 「厚生年金が消えたままなのに、先に保険料が天引きされるなんて……」と年金記録の訂正を求めている79歳の女性は憤る。「消えた年金」のため月5万円余の年金が唯一の収入源だ。そこから介護保険料4800円と医療保険料1800円が天引きされた。食費は月1万円に切り詰め、蓄えを少しずつ取り崩しながら暮らしていくしかない。高齢者の「生きてやる!」の怒りが日本全国を駆けめぐっている。
 後期高齢者医療制度は許し難い制度だ。高齢者は財政圧迫のお荷物だと言わんばかりの医療切り捨てだ。名称からしてふざけている。「後期高齢者」の「後期」とはなんだ! 年寄りは早く死ねとでもいうのか! 舛添厚労相は「保険料も7〜8割の人は下がる」と言うがデタラメだ。扶養家族の高齢者は新たに保険料を徴収される。国保の減免措置を受けていた高齢者も国保自体から脱退するため、減免措置が適用されず、保険料は増額する。将来的にも負担が際限なく増加していく。
 新制度の財源は、1割が75歳以上の払う保険料、4割が医療保険からの支援金、5割が国や自治体からの公費だ。したがって全体の医療費が上がれば保険料も増大する仕組みになっている。
 極めつけは、貯金を切り崩して生活している高齢者が保険料を滞納したら、保険証が取り上げられ、医療費を全額負担しなければならないことだ。年金もまともにもらえない収入の少ない高齢者に自己負担せよとは、医者にかかるなということに等しい。こんな制度は絶対廃止以外にない。

 第1節 医療も崩壊し始めている

 そもそも後期高齢者医療制度は、いかに政府の財政負担を軽減するかという観点で導入された。バブル崩壊による90年代の長期不況、97〜98年金融恐慌ののりきり策の結果、国と地方を合わせて1000兆円の財政赤字を抱えるに至った。大銀行救済のために税金を湯水のごとく注ぎ込み、そのつけを社会保障の全面解体で労働者人民に回してきているのだ。
 小泉政権発足以来、リハビリの打ち切り、介護保険料の値上げ、診療報酬の引き下げを強行、06年には医療改革法で25年までに医療給付費を8兆円削減することを目標に後期高齢者医療制度を制定した。高齢者は医療費負担が現役世代の4〜5倍もかかっているから自己負担せよというのだ。
 また診療報酬の引き下げは病院経営を圧迫し、医療現場に崩壊をもたらした。06年度は病院の43%が赤字、公立病院に限れば92%。入院日数が長いと病院収入が下がる。だから経営者は早く患者を退院させて患者数を増やした。手術は増え、書類を書く仕事も増えた。病院勤務医の平均勤務時間は週70・6時間。労災基準で月100時間残業の「過労死ライン」を軽く超える。看護師は非正規職に置き換えられた。現場は医師も看護師も足りない。要員不足だ。
 医療、年金、社会保障制度が崩壊している。労働者人民の怒りは、日帝の新自由主義攻撃に対する積もりに積もったものなのだ。そして、追い討ちをかけるのが物価急上昇と食料品やガソリンの値上げだ。ガソリン暫定税率の再議決が4月30日に狙われている。どうやって労働者家族は生活しろというのか。

 第2章 労働者の団結が勝利の道だ

 資本主義は今や労働者人民を食わせることも住まわせることもできなくなった。いよいよ団結した労働者階級が革命をやり、資本家階級に代わって社会を運営していく時がきた。今、その決定的チャンスが到来している。世界金融大恐慌が現実化している。4月8日、国際通貨金融基金(IMF)は、世界の金融機関の損失が全体で最大9450億㌦(約96兆円)に上ると報告した。しかもこの損失はこれから際限なくどんどん膨らんでいくのだ。日帝の銀行や保険会社など国内金融機関の米サブプライムローン関連の損失も巨大だ。08年3月期連結決算で1兆2000億円規模に膨らんでいる。
 日帝経済は、そもそもバブル崩壊以来の長期不況とデフレから一歩も脱却できていない。95年日経連プロジェクト報告路線で労働者階級への超低賃金、不安定雇用の強制、労働組合破壊による労働者への資本の専制支配の強化などの攻撃を激しく進めることで資本の利益を確保してきた。同時に米帝バブルとそのもとでの中国バブルへの依存でのりきってきた。
 しかし、小泉—奥田、安倍—御手洗による資本の意図をむきだしにした「構造改革」攻撃は、「革命やって資本主義をぶっ倒そう」という2000万人の青年労働者を日本階級闘争の中に生み出した。こうした日帝の脆弱(ぜいじゃく)性が世界金融大恐慌の中で日帝を七転八倒の状態に追い込んでいるのだ。
 まさに時代は革命情勢だ。日帝・福田政権の政治危機はすさまじい。ガソリン税・暫定税率の期限切れや日銀総裁空席問題で統治能力の崩壊があらわとなり、内閣支持率も2割台に急落した。
 だが日帝にはどんなに支配がガタガタになろうとも、国鉄分割・民営化以来の新自由主義政策—戦争と改憲、民営化=労組破壊の道を突き進む以外にない。動労千葉を始め階級的労働運動と4大産別の労働組合をつぶす攻撃、分断と競争による職場の団結破壊の攻撃に照準を据えている。
 だからこそ逆に敵のもっとも恐れる闘いをやって日帝・福田をぶっ倒そう! 4大産別を軸に全職場で階級的労働運動−動労千葉労働運動をトコトン実践し、洞爺湖サミット粉砕決戦に総決起しよう!