2008年4月14日

“さあ、日弁連の再建だ” 裁判員制度はいらない! 4・18集会へ

週刊『前進』06頁(2339号6面2)(2008/04/14)

“さあ、日弁連の再建だ”
 裁判員制度はいらない!
 憲法と人権の日弁連をめざす会 4・18集会へ
 

 法務省は4月8日、裁判員制度を来年5月21日から実施することを決定した。そのための裁判員候補者名簿の選定作業が今年8月にも始まろうとしている。憲法と人権の日弁連をめざす会主催の4・18弁護士・市民集会は裁判員制度を柱とする司法制度改革を粉砕し、新自由主義攻撃を打ち破っていく決定的な闘いだ。弁護士の闘いと大合流し、団結を固めよう!

 第1章 "人を裁きたくない"の声続出

 「人を裁くことはやりたくない」――裁判員制度に対する労働者の怒りや不満が続出している。法務省や最高裁が裁判員制度の宣伝のために作ったパンフやチラシは、計約1889万部、広告用DVDは計約38万枚。しかし、最高裁が1日に発表した意識調査では、「参加したくない」という人が82・4%にも上っている。しかも、全体の37・6%が「義務でも参加したくない」。労働者階級は裁判員制度・司法改革に絶対反対だ。
 司法改革攻撃の狙いは、新自由主義攻撃を貫徹し、戦時司法体制をつくり出すことであり、日弁連(日本弁護士連合会)を解体し、弁護士をその手先にすることだ。
 "国民も裁判所と一体となって主権者として国を統治できる"などと言われている。ふざけるな! 労働者階級はお前たち国家権力、支配階級とは非和解だ。それを「国民の司法参加」などと言いくるめるのは、体制内への取り込み以外の何ものでもない。 
 裁判所の本質は、資本主義体制を維持するための国家権力装置である。70年安保・沖縄闘争が革命に発展しようとしたその瞬間、恐怖した国家権力は報復、見せしめのために、星野文昭同志をデッチあげ逮捕し、無期懲役攻撃をかけてきた。
 労働者階級は、裁判所に「正義」を求め、救ってもらう気など毛頭ない。団結し、階級社会を自分たちの力で転覆し、社会の主人公となっていく存在なのだ。正義は、階級的に団結した闘いにのみ宿るのだ。

 第2章 有給扱い要求する連合方針

 連合は08春闘の方針に、「裁判員に選ばれた場合は、原則として辞退は許されない。したがって、労働時間中に、裁判員候補者として地方裁判所の呼び出しを受けた場合、および裁判員として地方裁判所に出席する場合は、全従業員を対象に有給扱い(特別休暇)とする労働協約の締結を進める」として、日産、東京電力などで次々と労働協約を締結し、裁判員制度導入を推進している。
 宮崎誠日弁連会長もまた8日の記者会見で、「市民のみなさんは最初は戸惑いを感じても、終われば有意義だったとの感想を抱かれるものと確信する。弁護態勢の確立をめざしてさらに努力する」と制度導入の最先頭をひた走っている。
 しかし、この日弁連執行部を打倒し、日弁連を再建していく闘いが大前進している。2月の日弁連会長選挙では、司法改革絶対反対派の高山俊吉弁護士が43%の得票率で勝利に肉薄した。
 この根底には、新自由主義攻撃に対する弁護士の決起、特に政府の弁護士激増政策で就職もできない状況にたたき込まれている青年弁護士の決起があった。「生きてやる!」という青年労働者とまったく同じ闘いが始まっているのだ。
 彼らは、司法改革における弁護士激増、裁判員制度、改憲といった新自由主義攻撃に全面対決する決意で4・18集会を呼びかけ、労働者民衆との団結を求めている。
 最末期帝国主義は、労働者、弁護士を国家権力に動員する以外に、もはや支配する手立てを失っている。逆に言えば、労組や日弁連の体制内執行部を打倒し、労働者と弁護士が充満する怒りをひとつに団結させて裁判員反対ゼネストをやれば、司法改革攻撃もろとも支配階級をぶっとばすことができる。4月18日(金)午後6時、弁護士会館(霞が関)2階クレオに大結集しよう!
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 第3章 裁判員制度

 裁判員は有権者からくじ引きで選ばれる。6人の裁判員と3人の裁判官が審理し、有罪・無罪ばかりではなく刑の重さも決める。殺人、強盗など重大事件が対象。
 密室で行われる「公判前整理手続き」によって公判の内容や進行はすべて決められ、ほとんどの事件が3日間くらいの法廷審理で終わる。迅速・重罪の裁判。被告は「裁判を受ける権利」を著しく侵害される。
 また、裁判員は原則として辞退できず、参加を強制される。評議内容を外部にもらしたり、出頭しなかったりすると罰せられる。