2008年4月14日

イギリスからの報告 石油奪う流血やめろ 5万人がイラク反戦デモ

週刊『前進』06頁(2339号5面3)(2008/04/14)

イギリスからの報告 石油奪う流血やめろ
 5万人がイラク反戦デモ
 

 3月15日にイギリスのロンドンで闘われたイラク反戦デモの現地からの報告を紹介します。
(編集局)
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 イラク戦争開戦5周年を前に、イギリス反戦連合、CND(英国核廃絶運動)と英国ムスリム・イニシアチブの呼びかけで、ロンドンのトラファルガー広場に数千人が集まり、イラクとアフガニスタンからの英軍撤退、イランへの武力攻撃阻止などを訴え、集会を行いました。主会場のトラファルガー広場は、プラカードを掲げた参加者で埋まり、身動きできない状態でした。(主催者発表では5万人の参加)
 ロンドンでは、2003年3月のイラク戦争開戦時に100~200万人が参加する空前の反戦デモがありましたが、今回はそれ以来の大規模な行動として報道されました。
 会場正面に掲げられた横断幕のメイン・スローガンは、こうです。
 「軍隊はイラクとアフガニスタンから出て行け
/イランへの攻撃をやめろ/ガザの包囲を解け/パレスチナに自由を/兵士を家に戻せ」
 主催団体であるイギリス反戦連合のトニー・ベン議長は「不正義に対する怒りの炎、より良い世界を創っていこうとする希望の炎は誰にも消すことはできない。私たちはこの闘いを、何度も何度もくり返し闘っていかなければならない。私たちの後に続く世代が闘いを引き継ぎ、担っていかなければならない......議会の代表者はもう過去のものとなった。未来は街頭が担っている」と発言。
 フセイン統治時代に父親を暗殺され、亡命してきたサミ・ラマダーニさんはこう発言しました。
 「占領を終わらせるという、とてつもない大仕事を成し遂げるために、イラク内の占領に反対する勢力、解放と民主主義、社会の安定に尽力しようとするすべての政治勢力の幅広い連帯が必要だ。アメリカがこれを妨害している。世界中の、とりわけアメリカとイギリス国内での反戦運動が死活的に重要だ」
 国会議事堂をぐるりと一周したデモのシュプレヒコールは「われわれが欲しいものは? 正義!/われわれが欲しくないものは? 戦争!/自由を! パレスチナに!/占領は犯罪だ!」と叫んでいました。揚げられていたプラカードは「軍隊はイラクから出て行け/イラク攻撃をやめろ/ガザから出て行け/石油のための流血はもうやめろ/パレスチナ連帯/流血を止めろ」等々。
 近くにいた人と少し話をしてみました。「イギリス人のほとんどは戦争に反対だけど、多くの人はデモや集会に出て来る暇がないか忙しすぎる」「この国でデモクラシーとは単なるジョークだ」「ものすごくたくさんの人が参加してうれしい。この戦争をやめさせるために政府に圧力をかけなくては」「デモは、世界に少なくとも自国政府の政策にすべてのイギリス人が賛成しているのではないことを示すことにはなったと思う」
 家に帰ってニュースを見ましたが、何の報道もありませんでした。その次の日もありませんでした。集会で国会議員のジョージ・ギャロウェイが「この国のメディアはすべて、特にBBCは『戦争翼賛勢力』と化している」と言っていたのは本当だと思いました。
 (K・S)