2008年4月14日

〈焦点〉 統治能力喪失した日帝・福田 政治危機と「3つの空白」

週刊『前進』06頁(2339号3面4)(2008/04/14)

〈焦点〉 統治能力喪失した日帝・福田
 政治危機と「3つの空白」
 

 福田政権は完全に破産している。日帝は未曽有の政治危機を深めている。政府の支持率は30%を切り、労働者階級人民が誰も支持していないだけでなく、ブルジョア政治委員会としての統治能力を完全に喪失している。連合指導部を取り込んだもう一つのブルジョア政党である小沢・民主党が参院で多数を制して、そもそも支配階級自身が分裂してしまっている。
 福田政権の危機と統治能力の喪失を象徴する事態が「三つの空白」だ。第一は、日本銀行総裁ポストの空席、第二はガソリン税・暫定税率の3月末期限切れ、第三は在日米軍への「思いやり予算」の空白=3月末期限切れだ。
 日銀総裁ポストは、4月9日に白川副総裁を衆参両院の承認で総裁に昇格させ、かろうじて「空白」を脱したが、政府・自民党が新たに提案した財務省出身の副総裁候補は、参院で否決されている。日銀総裁の空席は戦後初の事態であり、世界金融大恐慌という大嵐のただ中で、日本の中央銀行の総裁が短期間だが空席となったことは、日帝の政治的体制的な危機をまさに象徴している事態だ。
 ガソリン税の暫定税率も、参院の反対で期限切れ・廃止となり、4月1日から全国でガソリン価格が20円以上さがるという情勢に入っている。だが福田が道路特定財源の一般財源化を提唱する一方で、自民党は衆院での再議決を狙い暫定税率も復活させようとしている。今さら何をか言わん。「ふざけるな!」ということである。
 ガソリン税は本則税率(本来の税率)の約2倍の暫定税率が適用されてきたが、今後も10年で59兆円(国交省が出した道路整備中期計画)に及ぶ道路予算を、自民党、高級官僚、建設・道路業界などが食い物にしようというのだ。
 ロシア革命後の1918年の米騒動が示すように、そもそも労働者にとって、物価上昇は生活にかかわる深刻で根本的な問題だ。空前の原油高によって、寒い冬の間、北海道や東北地方では高齢者が暖房に必要な灯油も買えなかった。4月から政府が製粉会社に売る輸入小麦価格も3割値上げされた。食料品とエネルギー関連の物価上昇、4月の一斉値上げで、労働者の生活が痛撃されている。
 労働者を食わせることも生きさせることもできない支配階級は去れ! 労働者や農民は実力で生きてやる! 権力を取ってやる! 革命をやろうということだ。
 日帝が在日米軍の駐留経費を負担する「思いやり予算」も3月末に期限が切れ、08年度分の1438億円が4月から空白状態だ。福田政権は条約・協定の衆院可決から30日での自然成立を待っているが、これも日米同盟という日帝の死活的領域で統治能力の危機をさらけ出した重大事態なのだ。
 さらには4月1日から始まった後期高齢者医療制度、不明年金問題、イージス艦事件、沖縄米軍少女暴行事件など、労働者階級人民の大衆的な怒りが爆発している。
 まさに日帝の政治危機は、同時に革命的情勢の成熟だ。階級的労働運動の発展とサミット決戦の爆発で、日帝・福田を打倒しよう。