階級的団結を拡大して帝国主義倒せ 新入生歓迎特集
階級的団結を拡大して帝国主義倒せ
第1次世界大戦をプロタリア革命へと転化したレーニン『帝国主義論』
新入生歓迎特集
第1章 ①帝国主義は革命前夜である
革命のチャンスが到来した! サブプライムローン問題の爆発から世界金融大恐慌のプロセスが音を立てて始まっている。他方で労働者階級は、ストライキを武器に世界中で闘いを爆発的に開始している。いまの資本主義社会に対し、誰もが怒って決起し始めている。08年は資本主義が堤防決壊を始める年だ!
革命の時代だからこそレーニン(1917年ロシア革命の指導者)を武器に闘おう。いまレーニンの『帝国主義論』が輝きを増している。『帝国主義論』は1916年、第1次世界大戦の真っただ中で書かれた「革命の書」である。
第1次世界大戦直前にメンシェビキと決別したレーニン・ボルシェビキは、帝国主義戦争をプロレタリア革命へ転化するために真一文字に労働者階級の団結をつくり出していった。社会主義者の国際組織である第2インターナショナルの指導部が、世界戦争を目の前に自国の戦争に賛成して、帝国主義に総屈服する中で、ロシアのボルシェビキだけが戦争反対と国際主義を貫き、自国帝国主義を打倒しロシア革命に勝利できた。
なぜか。レーニンが、労働者自己解放の思想であるマルクス主義を復権し、『帝国主義論』として労働者階級の時代認識を闘いとったからだ。第1次大戦の最中、レーニンは帝国主義の時代は革命前夜であることを明らかにし、労働者階級に革命の展望を鮮明に指し示したのだ。
これまで『帝国主義論』は、「現代が帝国主義段階かどうか」という経済分析の書として読まれたり、「世界戦争の必然性」論として読まれてきた。しかし、レーニンが最も言いたかったことは「革命のチャンスが到来した」ということだ。
ドイツのカウツキーを始めとする第2インターナショナル指導部は、「マルクス主義」の用語を使い、「いまは労働者は闘う時ではない」と言って自国帝国主義の戦争に賛成・協力し、労働者階級の団結を徹底的に破壊した。
これに対してレーニンは『帝国主義論』を、マルクスの『共産党宣言』として復権し、労働者階級に「いまこそ革命に立ち上がろう」と訴えた。これがレーニンの最大の目的だった。
レーニンの革命へのほとばしる情熱は、『帝国主義論』の第10章に鮮やかに示されている。
「独占資本主義が資本主義のあらゆる矛盾をどれほど尖鋭化したかは、周知のところである」「矛盾のこの尖鋭化は、世界金融資本の終局的勝利の時代のときからはじまった歴史的過渡期の強力な推進力である」(岩波文庫版201㌻)
「矛盾の尖鋭化」をレーニンは「革命の原動力」として歓迎する立場に立っている。レーニンは「これこそ革命の現実性だ」と言い、「革命の客観的条件もそろっている。だから革命やろう」と最大のアジテーションを発しているのだ。
労働者が革命に立ち上がるのは、革命以外に戦争を阻止する方法がないからだけではない。革命こそ、労働者階級がすべてを奪い返す闘いだからだ。われわれが生きる現代も、世界中で侵略戦争が勃発(ぼっぱつ)し、貧困が拡大し、階級対立が先鋭化している。レーニンとまったく同じ時代状況に立っている。レーニンのように「革命がやりたい」というアジテーションを発していこうではないか。
第2章 ②帝国主義の延命助ける体制内労働運動
20世紀初頭からの帝国主義の時代は、帝国主義の基本矛盾の爆発によって、世界大恐慌を爆発させ、2度の世界大戦を引き起こした。この矛盾だらけの帝国主義がなぜ現代まで生き延びてきたのか? それは、体制内労働運動が労働者の団結を徹底的に妨害し、破壊してきたからだ。体制内労働運動は、労働者と資本家の階級対立を隠し、資本主義を擁護する。
第1次世界大戦下で生まれた社会排外主義(言葉の上では社会主義、行動の上では排外主義)は、帝国主義戦争に賛成し、労働者の味方のふりをしながら、帝国主義の利害に立っていた。
レーニンは、社会排外主義を「ブルジョアジーの社会的支柱」と批判しつくし、社会排外主義と徹底的に闘う目的で『帝国主義論』を執筆した。
序言に「帝国主義との闘争は、それが日和見主義に対する闘争と不可分に結びついていないならば、一つの空疎で虚偽な空文句にすぎない」(同203㌻)と書き、カウツキーや社会排外主義と徹底的に闘う意識を全体に貫いている。それだけではない。日和見主義が発生する基盤を明らかにすると同時に、労働者階級が革命的な存在であることを明確にさせる。
「帝国主義は、労働者のあいだでも、特権をもつ部類を遊離させ、これをプロレタリアートの広汎な大衆から引き離す、という傾向をもっている」(同172㌻)
これは「プロレタリアートは資本や権力に買収されるような存在ではない」という労働者階級への熱い信頼が込められているレーニンの言葉だ。労働者階級は、社会排外主義=体制内派と決別して闘う存在なのだ。
いま青年労働者の職場闘争が体制内労働運動との大激突になっている。80年代の国鉄分割・民営化に対し、全員クビをかけて2波のストライキを闘った動労千葉(国鉄千葉動力車労働組合=JRの運転士やエンジニアの労働組合)は、この体制内労働運動との熾烈(しれつ)な闘いに勝ちぬき、団結を守りぬいている。
「今日では、労働運動の歴史は、不可避的にこの二つの潮流の闘争を通じて展開されるであろう」(『帝国主義と社会主義の分裂』)
これこそ、われわれの闘いにピッタリと来る言葉だ。体制内労働運動と階級的労働運動がぶつかり合いながら革命はたぐり寄せられるのだ。レーニンが強調し、全力をあげた体制内労働運動との闘いは、歴史的にも今日的にも最重要の課題なのだ。
第3章 ③労働者階級は革命をやって社会を運営できる
資本主義の歴史には始まりがあり、そして終わりがある。資本主義は「重商主義段階」「自由主義段階」「帝国主義段階」と進んできた。しかし、これは経済的変化だけではなく、「生成・発展・没落」という契機を持っている。われわれの生きる帝国主義段階とは、資本主義の歴史の中で最末期の時代なのだ。その帝国主義が発生したメルクマールは、独占の形成だ。
「救いは独占にある-―資本家たちはこういいながら、カルテルやシンジケートやトラストを設立した。救いは独占にある-―ブルジョアジーの政治指導者たちはこうくりかえし、世界の分割されていない部分の占取を急いだ」(同130㌻)
独占は、資本主義の危機から生まれ出たのだ。19世紀の世界的大不況の中で、独占が飛躍的に形成された。国家さえも支配するような大独占も生まれた。しかしこれこそが資本主義の危機の表れなのだ。1871年パリ・コミューンを頂点とするプロレタリアートの内乱的決起によって、資本主義が体制的危機にのたうちまわる中で、独占が形成されていったのだ。
「少数独占者のその他住民に対する圧迫は、いままでの百倍重く、きびしく、たえがたいものになる」(同43㌻)
独占は、労働者階級に対してさらなる支配-強制をもたらす。これは、生産が社会化される一方、所有は私有だからだ。
そして独占は、生産を社会化し、「資本主義の墓掘り人である」組織されたプロレタリアートを激増させた。「工業の進歩は......競争による労働者の孤立化ではなく、組織による労働者の革命的団結をもたらした」(『共産党宣言』)。マルクスの言葉がますます現実になっているのだ。
レーニンは、独占のもとで労働の社会化が進み、生産・分配の一定の組織化にいたることを鮮明にさせた。帝国主義は社会主義を実現するための客観的条件をつくり出している。大きな工場になればなるほど資本家の姿は見えず、すべてを労働者が運営している。独占資本による支配がなければ「計画経済」に近い。労働者が団結して、資本家の支配を排除すれば、労働者は自ら社会的生産を組織し、管理し、運営できるのだ。
だから、資本家階級は、労働者の分断、支配に必死になる。逆に労働者階級が団結し資本家階級を打倒して、自ら支配階級になれば、社会主義を実現することは完全に可能なのだ。
独占による支配は、労働者階級の革命の団結を量・質ともに飛躍させた。例えば、独占は、日本の戦後革命期のようにプロレタリアートが完全に生産を管理・運営するところまで行き着いた。資本家はノータッチだ。また新植民地体制国である韓国では、帝国主義国からの資本輸出によって、工業化が進み、民主労総という世界最強のプロレタリアートをつくり出した。これは、レーニンの時代には想像できなかった事態だ。独占による世界支配をぶち破る、闘う労働者階級の世界的団結をつくり出したのだ。
第4章 ④戦争に革命の現実性がある
レーニンは『帝国主義論』をつうじて〈世界革命か世界戦争か>という20世紀的現実に真っ向から向き合い、ロシア革命をもって実践的に闘いぬいた。
レーニンは『帝国主義論』で、帝国主義の基本矛盾が世界戦争として不可避的に爆発することを論証した。しかし、レーニンは世界戦争の必然性を「説明」したかったわけではない。レーニンは、世界戦争がつくり出す革命的危機を(帝国主義打倒の)世界革命に転化しようとしたのだ。
レーニンは『帝国主義論』をもって革命の現実性を解き明かし、「世界の労働者階級は、団結して、プロレタリア世界革命をやって戦争を止める力を持っている」と訴えたのだ。マルクス・エンゲルスの『共産党宣言』の結びの言葉どおり、「万国の労働者団結せよ!」を復権したのだ。
帝国主義は、全世界の労働者階級を搾取し、分断して支配する。19世紀末の帝国主義列強による世界の分割は、国際労働者階級を、抑圧国の労働者人民と被抑圧国の労働者人民に分断した。戦争は最大の団結破壊だ。帝国主義は戦争で労働者人民を互いに殺し合いに駆り立てる。帝国主義は、自国の労働者階級への階級戦争を激化させながら世界戦争に突き進んでいく。
帝国主義国の労働者階級のすべてが「愛国主義」や「排外主義」にからめとられていくわけではない。帝国主義は、矛盾を激化させながら、世界戦争に突き進んでいくしかないのだ。事実、イラク侵略戦争は、米労働者階級の貧困化を果てしなく推し進めながら、拡大している。
帝国主義は、帝国主義同士の争闘だけではなく、全世界の労働者の闘い、民族解放闘争を爆発させる。世界戦争は労働者階級の世界的団結をつくり出す。
そして、歴史上一貫して、この世界的団結を「一国でも社会主義は実現できる」と言って分断して、敵対し続けてきたのがスターリン主義(一国社会主義の名のもとにロシア革命と世界革命を裏切り、労働者自己解放のマルクス主義の思想を破壊し尽くした反革命)だ。
イラク侵略戦争の開始は、全世界の労働者階級の団結を生み出した。ソ連崩壊以降のスターリン主義による分断をぶち破る団結がつくられ始めた。新自由主義攻撃に対して、世界中の労働者が体制内労働運動をぶち破り、国境をぶち破り、団結を求めて世界とつながり、それが11月労働者集会に結集している。
「団結の究極の拡大が革命」とは、帝国主義の世界戦争に対する労働者階級のスローガンなのだ。いよいよレーニン『帝国主義論』で全世界の労働者が団結できる時代が来た! 団結して帝国主義を打倒しよう!