2008年4月 7日

処分発令抗議闘争 “解雇阻めてうれしい”

週刊『前進』08頁(2338号2面2)(2008/04/07)


処分発令抗議闘争
 “解雇阻めてうれしい”
 10・23通達を撤回させよう

 「10・23都教委通達」以来5年目の卒業式で「日の丸・君が代」不起立などで闘いぬいた東京の教育労働者に対して3月31日午後、都立教職員研修センターで処分が発令された。この日午前に発令された根津公子さんへの処分で、都教委は解雇を強行できなかった。この一報を聞き、多くの教育労働者・支援者が喜びにあふれた笑顔で続々集まり、その数は270人にふくれ上がった。
 卒業式の「君が代」斉唱時の不起立などを理由に処分を受けたのは20人。根津公子さん、河原井純子さんの2人が停職6カ月、3回目の処分の2人が減給10分の1(6カ月)、2回目の7人が同(1カ月)、初めての9人が戒告である。うち2人は、退職後の非常勤や再雇用の合格が取り消された。しかし集まってきた教育労働者には敗北感は何一つなく、勝利感に満ちあふれている。
 処分を受けた教育労働者が次々とマイクを握り発言した。
 「これまでも不起立を続けてきた。『不起立していても自分は処分されず、根津さんは解雇? 黙っていられない』の思いで闘ってきた。戒告処分だけでなく非常勤教員の合格が取り消されたのは悔しいが、根津さんの解雇を阻めてとてもうれしい」(初めて処分を受けた小学校教員)
 「石原の任期はあと3年あるが、早期の退陣を求める。不起立・不斉唱を含む多様な行動を起こそう」(2回目の処分を受けた中学校教員)
 「学校に命令があってはいけない。人間を命令で動かそうとしてはいけない」(2回目の処分を受けた都立高教員)
 「目の前に生徒がいる以上、教員である私が立って歌うわけにはいかない。『これは憲法違反だ』と言い続けなければ憲法を守ることはできない。負けるわけにはいきません。勝つまで頑張りたい」(3回目の処分を受けた都立高教員)
 「処分を受けたら再任用拒否を覚悟しなければならないが、『それでもいい』と思って座った。『おかしいことはおかしいと言おう』という思いだけです」(初めて処分を受けた都立高教員)
 「母の介護のために定年まで2年を残して勧奨退職し、4月からの再雇用に合格していたが取り消された。戦争体験者の母と私、2人の思いが踏みにじられた。『教え子を再び戦場に送るな』が今、新しいフレーズになっている。今このまま放置したら、また同じことを繰り返してしまう」(初めて処分を受けた都立高教員)
 処分発令を受ける労働者を激励しながらシュプレヒコールを何度もたたきつけ、「都教委は処分をやめろ」「10・23通達を撤回しろ」と訴えた。

 第1章 報告集会、勝利感に満ちて

 全水道会館に会場を移し、午後4時から報告集会と記者会見が行われた。養護学校教員・河原井純子さんは今回、6回目の不起立で停職6カ月を受けたが、「根津さんの解雇阻止という大きな喜びにひたっています。『君が代』解雇を阻止しなければ改憲の道を許すことになる、という一念で闘ってきた。若者とつながっていけば、必ず変わる日がくる。『教え子を戦場に送るな』を体を張って表明する時です」と力強く述べた。
 記者会見の途中で、職場から急行した根津公子さんがはじけるような笑顔で登場すると、大きな拍手がわき上がった。根津さんは勝利感に満ちて「みなさん、一緒に動きましょう。そして『10・23通達』をなくしましょう」と呼びかけた(発言別掲)。
 「根津さん解雇阻止」の一報は全国を駆けめぐり、膨大な労働者に「闘えば必ず勝てる!」という自信と確信を与えている。この勝利をバネに、入学式でも頑張ろう!