2008年4月 7日

今こそ石原・都教委打倒を 革共同教育労働者委員会

週刊『前進』08頁(2338号2面1)(2008/04/07)


今こそ石原・都教委打倒を
 不屈の闘魂が解雇うち破る
 階級的労働運動路線の新地平
 革共同教育労働者委員会

 08年卒業式闘争は、根津公子さん・河原井純子さんのクビを賭けた不起立闘争の貫徹を最先頭に東京と全国で大爆発をかちとり、階級的労働運動路線の新たな地平を切り開いた。何よりも今次卒業式闘争の天王山的攻防であった根津さんの解雇攻撃をうち破る偉大な勝利をかちとったことを徹底的に謳歌(おうか)しよう。ファシスト石原打倒、そして闘う日教組を奪い返す大チャンスの到来だ。入学式でさらに「日の丸・君が代」不起立を押し広げよう!

 第1章 大衆的怒りの追及連日都教委を圧倒

 「君が代」不起立を理由とする処分、ましてや停職処分など絶対に許せない。根津さんに対して毎年繰り返されている強制異動は二重処分以外の何物でもない。しかし、すでに停職6カ月処分を受けていた根津さんに免職処分を出せなかったことは、都教委の完全な敗北である。
 根津さんに対する再度の停職6カ月処分は、不起立1回で戒告、2回で減給10分の1・1カ月、3回で同6カ月、4回で停職1カ月、5回で同3カ月、6回で同6カ月という累積加重処分の破産を表明したものだ。都教委の03年「10・23通達」の核心である「不起立を繰り返せばクビ」の恫喝(どうかつ)はついに打ち破られた。
 この勝利は、不起立闘争の階級的労働運動としての攻勢的発展の道を開いた。そしてまた、新銀行東京の経営破綻(はたん)でグラグラになっている石原を、都労連を先頭とする労働者の決起で打倒する闘いを切り開くものである。
 「君が代」解雇をうち破った力は何か。何よりも根津さん自身の〈たとえクビになっても不起立を貫く>という断固たる決意であり、〈解雇されても生涯教育労働者として闘い続ける>という不屈の闘魂である。この決意と闘争心の前に、解雇攻撃は本質的にうち破られ、都教委はすでに敗北していたのだ。
 さらに、12万筆を超える署名、全国紙への意見広告、連日のマスコミ報道、国会での追及など、「解雇させない会」の運動が「君が代」解雇問題を一大社会問題に押し上げ、都教委を包囲していった。この闘いは、解雇攻撃を逆手にとった極めて攻勢的な闘いだった。都教委が「君が代」不起立解雇を争点にさせないために画策したトレーナー処分は、まったく逆に、解雇させない闘いの爆発の導火線となった。
 特筆すべきは、都教委への直接的大衆行動の威力である。2月から3波にわたって闘われた都教委闘争は、トレーナー処分を実力で粉砕した。続いて休む間もなく、都教委への抗議行動が3月28日の教育委員会まで、文字どおり連日連夜にわたって闘われた。
 根津さんを先頭とする追及は、不起立闘争の正義性と処分攻撃のデタラメさを暴きだし、都教委を圧倒した。警備員を前面に立てて逃げ回り、要請書も署名も握りつぶす都教委の卑劣な姿に、参加者の怒りが爆発した。
 警備に駆り出された職員がグラグラに動揺していく手応えを誰もがつかんだ。6台の警察車両に守られた28日の都教委定例会は、傍聴者の弾劾を浴び、会場直近から100人のシュプレヒコールがたたきつけられ、ほうほうの体だった。

 第2章 解雇させない闘いが階級的団結拡大

 闘いの最大の成果は、教育労働者の「解雇させない」闘いとして不起立闘争を拡大し、階級的団結をつくり出したことである。
 今年の卒業式でも、根津さん・河原井さんを先頭に20人が不起立などの抵抗を貫き処分された。うち9人は新たな処分だ。「10・23通達」以来5年間の被処分者はのべ408人。処分の脅しで一切の抵抗をたたきつぶすという石原・都教委の狙いは、5年間の闘いで完全に打ち破られた。
 東京の区市立学校では画一的な職務命令は出されず、不起立者に対しても現認・報告をしていない実態があった。都立学校でも、不起立闘争を封殺するために、被処分者や不起立の意思を表明する者に式場外任務を命じていた。その一方で、根津さんに対しては狙い撃ちで職務命令を発出し、累積加重による見せしめ解雇を狙ってきたのだ。
 不起立闘争の鎮静化を狙う敵の「黙殺」に甘んじることなく、都教委にファックスを送りつけ、あるいは記者会見で不起立を続けている事実を堂々と公表し、「根津さんをクビにするなら私を処分しろ!」と迫る教育労働者が登場した。不起立者・被処分者を分断する攻撃に対して、クビを賭けて闘う根津さん・河原井さんとの本物の階級的団結をつくり出していく闘いが始まったのだ。
 決定的なことは、根津さんや河原井さんの職場でも、管理職への抗議と追及の闘いが巻き起こったことだ。「職務命令と処分を引き出す」闘いに決起した教育労働者の職場でも、仲間の不起立決起をかちとり、職場全体の圧倒的な支持と共感をつくり出した。教育行政や管理職と「折り合い」をつけるのではなく、トコトン非和解的に闘ってこそ団結が拡大することを実証したのだ。
 不起立闘争・不起立宣言運動は、“根津さんを解雇させるな!”を合言葉に全国でさらに広がった。会場外の任務に甘んじることなく、意識的に式場内に入り不起立する労働者が拡大した。「君が代」未実施校を多く抱えた地域では、「君が代」強行に対して教組の組織的な不起立抵抗闘争がたたきつけられた。
 東京に先駆けて処分との攻防が闘われてきた広島でも、昨年を上回る不起立が闘われた。特筆すべきは、青年労働者が不起立闘争の牽引(けんいん)車として登場し、その自己解放的な闘いが不起立闘争に新たな息吹を持ち込んでいることだ。

 第3章 自己解放闘争としての新たな不起立

 われわれは、塩川一派打倒の闘いをも通じて〈7月テーゼと階級的労働運動路線>を鮮明にし、〈階級的労働運動の白熱的実践=体制内労働運動との分岐・激突>の推進軸として新たな不起立闘争を創造することを確認してきた。血債主義・糾弾主義と決別した教育労働者の自己解放闘争としての不起立闘争を新たにつくり出すこと、「不起立から始める」職場闘争を巻き起こして〈絶対反対>の階級的団結をつくり出すことに挑戦してきた。そのことにより、もはやいかなる弾圧・処分でも押しとどめることができない、石原と日帝を打倒するまでやまない非和解的闘いが始まったのだ。
 「10・23通達」下の不起立闘争は全国の現場組合員の闘魂に火をつけ、教基法改悪反対闘争の爆発をつくり出した。そして根津さんを先頭とするクビを賭けた闘いが、改悪教基法との非和解的激突を切り開いてきた。
 1万5千人の処分をのりこえて24年ぶりの1時間ストライキをうち抜いた北教組、12万決起の最先頭で政府・文科省の歴史偽造・戦争教育と非和解的に対決する沖縄高教組の闘いは、日教組本部のパートナー路線をぶち破り、日教組権力そのものの階級的奪還を現実の課題としてたぐり寄せた。不起立闘争は、まさに本格的ストライキへと発展するランク・アンド・ファイルの「40秒間のストライキ」なのだ。
 「君が代」解雇をめぐる攻防は、体制内労働運動との鋭い激突を生み出した。日教組本部は全国教研から根津さんを始めとする「君が代」レポートを排除し、全体会を中止するという前代未聞の裏切りに走った。東京教組執行部は、中央委員会の抗議決議を突きつけられてなお日教組本部と対決せず、都教委に「窓口閉鎖」と恫喝されるや、解雇させない会への弾圧の先兵として現れた。
 だが、現場組合員は日教組本部に怒りを爆発させ、全国教研の平和教育分科会で解雇させない闘いのレポートを実力で復活させた。東京教組の屈服をのりこえて、闘う単組が都教委行動を呼びかけ、現場組合員は解雇させない会の行動に結集した。現場組合員は、日教組を自分たちの手に取り戻しつつあるのだ。

 第4章 3・16決起と結合し勝利の展望つかむ

 08年卒業式闘争は、3・16イラク反戦5周年闘争、それを集約点とする階級的労働運動路線の全産別・全戦線にわたる発展と一体で闘われた。
 不当逮捕、解雇、統制処分、退学処分を恐れず、階級的団結をつくり出して闘う青年労働者・学生が、都教委闘争に連日駆けつけて根津さんとともに闘った。根津さんを先頭とする不起立闘争と、「労働運動で革命をやろう」の闘い、動労千葉の闘い、国際連帯の力が3・16集会で合流した。ここに教育労働運動の勝利の道がある。
 3月28日に官報告示された小中学校の改訂学習指導要領は、改悪教基法を冒頭に掲げ、総則に「愛国心」を盛り込み、小学・音楽では「君が代」斉唱指導について「歌えるように」と到達目標を明記している。
 政府・支配階級は改悪教基法―愛国心教育の中軸に「日の丸・君が代」攻撃を据えている。これとの対決が戦争国家体制との闘いの中心軸であることが改めて明らかとなった。改訂案の「修正」で「君が代」(音楽)、神話教材(国語)、「国際貢献」(中学校社会)をどさくさ紛れに盛り込んだのは、日本会議や教育再生機構の圧力に支配された文科省の姿を暴露するとともに、敵の脆弱(ぜいじゃく)性を突き出している。
 「軍強制」記述を削除した密室の教科書検定を白日のもとに引きずり出したのは、沖縄高教組の不退転の闘いだった。教育労働者が戦争教育に絶対反対を貫き、教育をめぐる非和解的階級対立を顕在化することが勝利の道なのだ。「日の丸・君が代」闘争を通年化し、卒・入学式闘争を職場の団結と抵抗で闘おう。
 入学式闘争を断固闘い、全国一斉学テ反対闘争、評価制度=査定昇給、新職=新級設置に対する阻止・抵抗の闘いを継続しよう。青年教育労働者を闘いの戦列に獲得し、6~7月サミット決戦から8・6ヒロシマへ突き進もう。