2008年4月 7日

不起立闘争根津さんの解雇阻止したぞ

週刊『前進』08頁(2338号1面2)(2008/04/07)


不起立闘争根津さんの解雇阻止したぞ
 支援者らとともに勝利宣言

 「解雇処分を粉砕したぞ!」と一同の歓喜が爆発した。
 3月31日、冬に戻ったような氷雨の中、早朝から教育労働者を始め100人もの支援者が全国から都立南大沢学園養護学校前に結集し、出勤する根津公子さんを送り出した。都教委は根津さんにだけ「君が代」不起立処分発令の日時・場所を指定していない。
 午前9時半、都教委の2人がタクシーで門前に乗りつけ校内に入った。「根津さんのクビを切るな」と怒りの声が浴びせられるが、振り返りもせず校舎内に消えた。やはり今日ここで通告だ。
 校舎2階の職員室の窓から根津さんが顔を見せ「校長室に呼びだされた」と知らせた。「いよいよ…」。緊張が極度に高まった。
 広島で不起立を貫いた青年教育労働者、1月に根津さんを講演に迎えた北教組を始め全国から駆けつけた人びとがマイクを握り「解雇阻止」を絶え間なく必死に訴えた。
 10時半、職員室の窓が開き、根津さんの同僚が手を振り笑顔でこちらへ何か言っている。遠くて聞き取れない。すぐに根津さんが姿を見せ、叫んだ。「クビにすることはできなかった!」
 誰もが一瞬耳を疑った。すぐさま「うおーっ」という言葉にならない叫びが広がった。
 根津さんが興奮の面もちで門前に現れた。処分内容は卒業式での不起立と「君が代反対」トレーナー着用で停職6カ月。「みんなが声を上げたから都教委は私をクビにできなかった!」。再び大きな歓声が上がり、多くの人が涙を流し手をたたいた。この2~3月だけでものべ何千人の人びとが都庁に詰めかけ、都教委に抗議・申し入れを行っただろう。つねにその先頭に立っていた根津さんは今、満面笑みで握手攻め、取材攻めだ。
 「処分書の受け取りには数人が一緒に付いてきて、結果をともに喜んでくれた」「停職はまったく不当だけど、解雇させなかったのは本当にうれしい。私たちの勝利!」と小さくガッツポーズ。そして4月からの異動先に思いをはせ、「停職期間もまた毎日門前に通いますよ」と宣言した。(関連記事2面)