2008年3月31日

4~5月入管闘争に立とう

週刊『前進』06頁(2337号4面1)(2008/03/31)
 

4~5月入管闘争に立とう
 階級的・国際的団結を固めサミット粉砕-改憲阻止へ
 革共同入管闘争委員会

 3・16イラク反戦5周年闘争は、世界の労働者人民が連帯する全世界一斉デモとしてかちとられた。労働者には革命をやる力がある。あらゆる差別・抑圧・分断を打ち破って団結できる。青年労働者・学生を先頭に、体制内労働運動を打倒し、階級的労働運動を階級の大地に実らせる闘いが始まった。権力の弾圧をはね返し、階級的団結を固め"絶対反対"の闘いを爆発させよう。

 第1章 入管闘争の革命的発展をかちとろう

 3・16に続いて4~5月入管闘争に全力で決起することを訴える。階級的労働運動路線と7月テーゼの真価をかけ、11・4集会=国際連帯闘争の地平を決定的に飛躍させる闘いである。プロレタリア自己解放の共産主義的普遍性に内在する闘いとして、入管闘争の革命的発展を実現しよう。
 第一に、民族を超え、国境を超えて全世界の労働者と団結し、帝国主義の新自由主義攻撃に怒りをたたきつけ、サミット決戦に突き進もう。4~5月入管闘争はその突破口である。3・16は、アメリカで200人の逮捕者を出す実力闘争が爆発したのを始め、韓国、イギリス、ドイツ、フランスなど全世界で闘われた。侵略戦争を止め、腐り果てた社会を打ち倒そう! 労働者は皆、同じ怒り、同じ思いで闘いに立ち上がったのだ。
 帝国主義の新自由主義攻撃は、むきだしの搾取・収奪で労働者に襲いかかり、この社会には強者と弱者が存在して当然として、全世界に貧困と格差、生きられない現実を強制してきた。また、アフガニスタンやイラクへの侵略戦争を強行し、抑圧民族と被抑圧民族の分断を極限化させ、国家主義・排外主義をまき散らして労働者を互いに憎しみ合わせ、殺し合うことを強制してきた。
 無数の労働者が日々職場や地域、戦場で殺されている。こうした「搾取と戦争」の現実は、一握りの支配階級=資本家が生き延びるために一切の矛盾を労働者に押しつけることで引き起こされているのだ。はっきりさせよう。この社会を動かしている労働者の団結した闘いこそブルジョア社会を転覆し、階級支配を廃絶して搾取や差別のない社会をつくり出し、戦争をなくすのだ。
 国際帝国主義は世界金融恐慌と世界戦争の破局に突き進む以外にない。7月洞爺湖サミットが決定的情勢である。すでに韓国人活動家が入国禁止とされる暴挙が行われている。入管体制による分断を打ち破り、全世界の労働者と団結してサミットを粉砕しよう。

 第1節 労働者自己解放の普遍性

 第二に、動労千葉労働運動=11・4集会の地平と同じ思想、同じ質で4~5月入管闘争を闘い、国際連帯闘争の前進をかちとることである。動労千葉は階級的団結を総括軸とし、マルクス主義の原則を貫いて新自由主義と闘い勝利してきた。それは同時に、労働者を分断して怒りを抑え込んできた体制内労働運動と徹底的に対決し打倒する闘いとしてある。
 動労千葉労働運動のマルクス主義的実践、プロレタリア自己解放=階級的団結の不屈性、普遍性こそアメリカや韓国の戦闘的労働運動と結び、11・4集会を国際連帯闘争としてかちとった核心的内実である。この立場で階級的労働運動を実践すること、職場・生産点で国際的階級的団結をつくり出すことが入管闘争そのものであり、ここに決定的な飛躍点がある。
 入管体制による民族差別、排外主義は、労働者階級を分断する攻撃である。したがって入管体制粉砕の闘いは、分断を打ち破って抑圧民族のプロレタリアートと被抑圧民族のプロレタリアートが階級的に団結し、プロレタリア世界革命に突き進むことを最大の推進軸とする。そしてこの闘いの中で、あらゆる民族差別を打ち破る闘いが発展していくのだ。
 そもそも7・7思想はプロレタリア世界革命論、国際的階級団結論としてあり、差別・抑圧との闘いの核心は、プロレタリア世界革命に向けて資本・権力による分断攻撃を打ち破って労働者階級の団結を強化・発展させることにある。7月テーゼは、06年の党の革命以来、血債主義・糾弾主義との闘いをとおしてこの7・7思想をマルクス主義的に再確立し、生きた階級的実践=階級的労働運動路線の土台にすえたものである。

 第2章 血債主義・糾弾主義の根底的のりこえ

 第三に、4~5月入管闘争は血債主義・糾弾主義を根底的にのりこえ、塩川一派を打倒する闘いである。何よりも、全国部落青年戦闘同志会の一部指導部による「広島差別事件」のねつ造に塩川一派が野合し、これを使って入管戦線を分断し、4~5月入管闘争の破壊を策動したことを徹底的に弾劾する。
 「広島差別事件」はまったく存在しない「差別事件」をねつ造し、自民党や解同本部派とも手を組むという糾弾主義の極致である。差別糾弾闘争をゆがめ、部落解放闘争を反動的に変質させるものだ。旧与田一派の同志会一部指導部は、プロレタリア革命に敵対し、階級的労働運動と7月テーゼに敵対するために「広島差別事件」のねつ造に走ったのだ。
 塩川一派は、プロレタリアートの特殊階級的解放が同時に全人間の普遍的解放であるというマルクス主義のプロレタリア自己解放論に反発し、「賃労働と資本を廃絶しても差別・抑圧はなくならない」として反マルクス主義に転落した集団である。「賃労働と資本」が階級支配の根幹をなすことを否定し、「差別・抑圧が階級支配の支柱」とする塩川一派の階級的本質は、帝国主義を資本主義と別の社会であるかのよう描き出し、「資本主義の最高の発展段階としての帝国主義」というレーニン主義に敵対するものだ。その思想的根幹をなすものは「労働者階級への絶望」を組織する小ブル自由主義であり、体制内思想そのものである。
 11・4~3・16として階級的労働運動路線=7月テーゼが実践的に発展する対極で、塩川一派は血債主義・糾弾主義に純化し、プロレタリア革命への敵対を深め、入管闘争・部落解放闘争の歪曲・変質に突き進んでいる。4~5月入管闘争は、血債主義・糾弾主義を根底的にのりこえ、塩川一派を打倒し、「広島差別事件」ねつ造と対決する闘いである。西郡住宅闘争を断固支持し、階級的団結の力で新たな部落解放闘争の前進を闘いとろう。

 第3章 動労千葉と民主労総の闘いに学び

 革命は遠い将来のことではない。全世界で怒りを爆発させたデモ、ストライキ、暴動の一切合切が「ひとつの階級」「ひとつの闘い」として団結することをとおして、プロレタリア世界革命は前進していく。革命的情勢の急速な到来という時代認識を鮮明にすることが一切の土台である。
 労働者が職場で殺され、侵略戦争で被抑圧人民が虐殺されている現実。この帝国主義の攻撃に対して、全世界で労働者階級と被抑圧人民が続々と闘いに立ち上がっている。この「血と硝煙」の中にこそプロレタリア世界革命の現実性があり、人類史の未来を切り開く条件が圧倒的に成熟している。マルクス主義者であるわれわれは、労働者階級の自己変革性、根底的決起、普遍性を全面的に信頼し、権力・資本の弾圧や処分に屈せず、労働者のどんな小さな反乱や抵抗をも革命以外に解き放たれない根底的欲求としてとらえ、職種、産別、人種、民族などあらゆる形での分断を打ち破り、労働者の闘いを階級的国際的な団結へとまとめあげる努力に情熱を傾けなければならない。
 この点で、プロレタリア自己解放闘争と入管闘争(民族解放闘争)の路線的並立の思想的根拠として、レーニン主義の小ブル的理解があったこと、それを7・7思想の歪曲としてはっきりさせ、06年「党の革命」以来の血債主義・糾弾主義との闘いをとおして階級的労働運動路線=7月テーゼへと結実させたこと、この革命的意義を鮮明にすることが重要である。
 さらに、「在日の存在と闘いの措定」について。一つには抑圧民族プロレタリアートによる自国帝国主義打倒の実践こそ第一義的な問題であり、その立場に立ちきるものとして「70年7・7自己批判」はあった。われわれは真摯(しんし)に自己批判することによって断固として反帝・反スターリン主義世界革命の旗を降ろさず掲げきり、プロレタリア世界革命論の深化としてこたえたのだ。
 二つには、「学ぶ」という契機の重要性を再確認することである。血債主義は、プロレタリアートの階級形成において「学ぶ」契機を一面的に強調し、「排外主義との闘いなくして一切なし」という方向にワンポイント主義的に狭めてしまうことから生まれた。しかし、それは本来、抑圧民族と被抑圧民族のプロレタリアート人民が「相互に学び合う」関係をつくり出すという意味で決定的な意義をもっている。今日、われわれが民主労総から学んで階級性=国際性を研ぎ澄まし、それによって勇気と確信を得て決起していくのと同様に、民主労総が動労千葉三里塚反対同盟から学んで自らの闘いを飛躍させ、信頼関係を形成し、団結を深めているということである。入管闘争の飛躍は、この動労千葉と民主労総ソウル本部の国際連帯闘争の具体的実践から学ぶことをとおして実現される。

 第4章 在日はプロレタリア世界革命の主体

 三つには、「在日の措定」を、ストレートに階級的同一性・同質性においてとらえきれない限界があった。在日を「日帝の植民地支配、侵略戦争の歴史的生き証人」としてとらえることは決定的に重要なことであり、入管体制下の過酷な民族差別のもとで不屈に生きかつ闘う存在として在日をとらえることが7・7思想の根幹である。しかしその一方で、われわれ自身の実践的弱さや二重の内戦下でのさまざまな制約から、階級的試練を十分に受けることなく限界が固定化されざるを得なかった。
 その限界を突破することを目指して80年代末から入管闘争が再建され、その中で生きた在日の実践と結びつくさまざまな機会を得た。4~5月入管闘争の中で出会った在日は、自己を階級として組織し、あるいは階級移行を不断に闘いとりながら労働運動を闘いぬき、同時に民族差別反対・撤廃を闘いぬいていた。国際的階級的団結を求めて日本労働者階級に結びつこうとした人たちが4~5月入管闘争に合流してきたのだ。
 戦後革命以来のスターリン主義による「在外公民」規定や「内政不干渉」路線などの限界を、在日自身が自己解放的に突破して階級的共同闘争は形成されてきた。それは、階級的民族的存在として在日を全面的にとらえ、プロレタリア世界革命の主体として措定し、入管闘争をプロレタリア自己解放闘争に内在する闘いとして発展させる決定的チャンスを意味している。
 しかし、それは一直線には行かなかった。労働者党建設と階級的労働運動の5月テーゼ路線に対し、血債主義・糾弾主義が阻害物として立ちはだかった。それは94年「二つの論文」以来、19全総、20全総を経て01年6回大会へ進んでなお、岩盤のように存在し続けた。5月テーゼ路線=プロレタリア革命を拒絶する小ブル自由主義と民族主義、階級への絶望的な不信が巨大に堆積(たいせき)していたのだ。
 06年「党の革命」はこうした血債主義・糾弾主義を根底的に粉砕し、以来2年に及ぶ党内闘争と階級的実践によってついに階級的労働運動路線と7月テーゼを闘いとった。われわれは、マルクス主義・レーニン主義のプロレタリア自己解放闘争を実践することが入管闘争であることを決定的につかみとった。この地平に揺るぎない確信をもち、4~5月入管闘争の歴史的勝利をかちとろう。