2008年3月31日

石原都知事の暴走を弾劾

週刊『前進』06頁(2337号3面2)(2008/03/31)

石原都知事の暴走を弾劾
 3・24 根津さんら都庁で記者会見

 3月24日午後、都庁記者クラブで、「日の丸・君が代」強制に対して不起立で闘っている東京の3人の教育労働者、根津公子さん、河原井純子さん、米山良江さんが記者会見を行った。
 この日午前の卒業式で不起立を貫いて会見に臨んだ根津さんが、米山さんを紹介しながら、記者会見にいたる思いを語った。
 「私が不起立を続けて昨年停職6カ月の処分を受け、次は免職と言われている。米山さんも不起立をずっと続けてきたのに、彼女には一切の処分はない。この違いは何なのかをはっきり説明してほしい、と都教委に迫ったが一切回答しない。これに納得できません」
 ここで、3月19日の都教委に対する追及行動を撮った数分のビデオが上映された。「納得のいく説明をしなさい!」と根津さんと米山さんが語気鋭く迫るが、職員らは能面のような無表情を崩そうとせず、最後にはいたたまれなくなって逃げ出すシーンがスクリーンに映し出された。
 米山さんは、「私は葛飾区の小学校教諭です。10・23通達が出される以前から『君が代』が流れる時に不起立してきた。だが私には処分はない。根津さんについて"今度座れば解雇"ということが危惧(きぐ)されている時に、同じ教員として何ができるか考えた。都教委がやっていることは、累積加重処分、再発防止研修、強制異動と全国的に見ても異例のもの。これは見せしめであり石原都知事の暴走だ。こんな理不尽を許してはいけないという思いで、要請書をしたためアピールした」と述べた。
 河原井さんは、「5回200秒の不起立で、停職3カ月という処分を受けた。東京都のやり方は全国でも突出しているが、その中でも根津・河原井に対する処分は際立っている。10・23通達を受け入れないのは私の人間としての良心だ」と述べた。
 さらに根津さんは、「不起立で累積加重処分をしているところは東京都のみ。停職処分を出したのも東京だけ」と石原都政の突出ぶりを強調した。またこの日の卒業式で副校長が不起立を「現認」し、学校の玄関先で事情聴取を受けた様子を明らかにした。根津さんが「あなた方はこういうことをやるために教員になったのか」と問い詰め、副校長らは沈黙するだけだった。
 記者からは「自分を処分してくれ、とも聞こえるが......」との質問が出された。これに対して米山さんは、自らの決起の意味を鮮明に語った。
 「不起立をアピールするにあたって、他の人からも同じことを言われた。今日初めて私に職務命令が出された。私は明日不起立するので処分を受けるだろう。だがこの理不尽に黙っていられない。一緒に闘って、『君が代』解雇を絶対に許さないということだ」
 「今、職員会議は校長の諮問機関になり、実のある討論ができなくなった。"教え子を二度と戦争に送るな"は私の原点。『日の丸・君が代』は戦前の皇民化教育の中心にあった。歴史に向き合い、この事実を若い人に伝える責任がある」
 3人の不退転の決意表明と固い団結は、集まったマスコミ記者を圧倒し、またそこに参加した数多くの支持者の胸を激しく打った。