萩原富夫さんの勾留理由開示公判、怒りと声援飛び交う
6月3日、千葉地裁で5月24日のデモで不当逮捕された萩原富夫さんの勾留理由開示公判が開かれた。反対同盟を先頭に労農学が怒りを胸に傍聴と激励に駆けつけた。この日も傍聴席はわずか18席。傍聴者は金属探知器で身体チェックされ、廷内は厳戒態勢がしかれた。萩原富夫さんが入廷してきた。いつもの人なつこい笑顔だが両手錠、腰縄で拘束されている。拍手と声援、怒りと激励の声が交差し、たちまち廷内は騒然となった。「今すぐ釈放しろ!」「不当勾留を許さない!」と怒りをたたきつけた全学連の坂野陽平委員長代行と倉岡雅美副委員長に真っ先に退廷命令が出て、暴力的に連れだされた。(写真は総括集会で報告する葉山岳夫弁護士)
栃木裁判官の人定尋問に、萩原さんは一切黙秘を貫いた。栃木は逮捕・勾留の理由を棒読みするが、「関係人と口裏を合わせて罪証を隠滅する」「逃亡のおそれがある」などと怒りなしには聞けない内容だ。弁護団は当日のデモに対する警察の過剰な規制や不当逮捕の態様を問いただしたが、栃木は「釈明の要なし」と、一切の応答を拒否した。「ふざけるな!」「どこが勾留理由開示だ!」との猛抗議が爆発した。うろたえる栃木は、反対同盟の萩原進事務局次長、鈴木加代子さん、伊藤信晴さん、太郎良陽一さんら6人を、次々と暴力的に退廷させた。
デモで萩原さんは片手にプラカードを持っていた。ところが逮捕理由では機動隊に対して「両手拳で2回突いた」ことになっている。あり得ないことだ。東峰で進さんら家族とともに農業を営み反対同盟員として闘う富夫さんには「逃亡のおそれ」は存在しない。これらの事実に対し栃木は「釈明しない」と繰り返し、逮捕・勾留の違法を完全に居直った。弁護団は、「被疑事実は存在しない。デモを妨害し過剰な規制を行った警察に詰め寄り抗議しただけだ。第3誘導路計画こそ市東孝雄さんを追い出すための国家的地上げ屋攻撃だ。反対の意思表明は当然の権利だ」と、黙秘を貫く萩原さんに代わり頑として主張した。
裁判官が閉廷を宣しても、最後まで萩原さんに声援が送られた。裁判官に対し厳しい表情で対峙していた萩原さんも、一転笑顔で応じた。その表情に、市東孝雄さんの決起に心から連帯して闘う自信と決意があふれていた。
総括集会で北原鉱治事務局長は「現地では今、団結街道廃道化の攻撃に対し昼夜の監視態勢をとっている。6月27日に現地集会開催を決定した。市東さん宅近くの畑が会場だ。天神峰が残るか残らないかに全国の農業の存亡もかかっている。全力で結集を!」と訴えた。萩原進事務局次長は、「敵は、市東さんがいない間に閉鎖することまで考えている。今日明日に奇襲攻撃があってもおかしくない状況だ。これで“閉鎖されてしまった、市東さん申し訳ない”ではすまない。現地での実力阻止闘争で市東さんの決起にこたえよう」と一同の奮起を促した。
市東さんの渾身の決起と獄中での完黙非転向の闘いが、闘う労働者・全人民の心を揺さぶっている。6月8日の市東さん勾留満期に向け、支援・激励をさらに強めよう。白熱する現地攻防に駆けつけ、援農、監視活動に参加しよう。市東さん、萩原さんと現闘員を一日も早く奪還し、6・27現地闘争の大爆発へ!(TN)