迎賓館・横田爆取裁判差戻し審の極反動判決弾劾!
6月2日、迎賓館・横田爆取裁判差し戻し審の判決公判が東京地裁で開かれた。林正彦裁判長は断じて許せないことに、無実の3同志に逆転有罪判決を下した! 須賀武敏同志に懲役11年、十亀弘史同志と板垣宏同志に同8年という重刑だ。だがその論拠は何も示せない。すべては「……と推認できる」という推測と、虚構の積み重ねだ。しかし判決と同時に3同志を再収監することはできなかった! 10年前後もの重刑判決を出しながら、被告人の身柄を拘束しないのは異例中の異例だ。裁判所と検察が、自分たちがやっていることの犯罪性を熟知し、闘いの爆発におびえ切っている証拠ではないか! 被告団は即日、控訴した。さらに闘い、敵権力をとことん追いつめよう。
この日の法廷には、傍聴席を満杯にした上でさらにそれを倍する人々が詰めかけた。有罪と分かった瞬間、怒号がわきおこった。判決文を読み上げる裁判長の顔は蒼白で、声はか細く、聞き取れない。被告席から「そんなのは空想だ!」と弾劾の声が飛ぶ。「推測で人を有罪にするのか!」と、傍聴席からは紙つぶてが飛んだ。最後は86歳の益永スミコさんを先頭に、終了後も傍聴席に座り込んで抗議。怒りはおさまらない。
弁護士会館での総括集会(写真上)では、弁護団から、あまりにも理不尽な判決に「ここまで強引な認定をするのか。単なる想像だ。普通ならありえない」と激しい怒りとともに、被告団と団結して闘い抜く決意が述べられた。さらに、「裁判官がここまで腐敗するのは、この間の闘いが追い詰めた結果。高裁がどんなに反動であろうが、絶対に事実をもって覆していく」(須賀さん)。「今回の判決は過去のデッチあげをなぞったのではない。裁判所が新たなデッチあげをやった。判決の中に多くの弱点がすでに出ている。これをついていけばもっと大きな勝利が得られる」(十亀さん)。「この判決は、われわれにもっとでかい闘いをやれという、向こう側からの挑戦だ。権力をぶっ倒すような闘いをやれと。受けて立とうじゃないか」(板垣さん)。福嶋昌男さんからも力強い戦闘宣言が発せられた。
その後、被告団と弁護団は司法記者クラブでの記者会見に臨んだ(写真下)。 この同じ6月2日、鳩山政権はついに退陣に追い込まれた。労働者階級人民の怒りの決起が鳩山と小沢を打倒したのだ! 爆取裁判での超反動判決は、三里塚反対同盟への卑劣な弾圧や星野文昭同志への面会妨害と同じく、政治支配の総崩壊に直面しつつある日帝権力の絶望的なあがきそのものだ。階級的労働運動の力ある登場こそが一切を決める。6・13集会がいよいよ決定的だ。全情勢の革命的転換をかけ、6・13への大結集をかちとろう!(千)
▼被告団声明
2010年6月2日 迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判被告団
須賀武敏・十亀弘史・板垣宏
我々被告団は激しい怒りを抑えることができない。本日、東京地裁刑事第20部(林正彦裁判長)は我々3人に対して「有罪」を宣告した。これは、判決ではない。むき出しの治安弾圧そのものだ。過去のデッチあげの追認ではない。裁判所による新たなデッチあげそのものだ。この判決を我々は絶対に許さない。
我々は、無実である。1986年の迎賓館・横田の両事件に一切関与していない。権力は、迎賓館事件(東京サミット砲撃事件)という重大事件に虚構の決着をつけるために我々を逮捕・起訴し、未決のまま15年2カ月も東京拘置所に勾留した。被告団は、屈することなく闘い抜き、我々の無実を完全に明らかにして、2004年3月に無罪判決を勝ち取った(東京地裁・木口信之裁判長)。これに対して検察官が控訴し、東京高裁(中川武隆裁判長)は、あろうことか、全く証拠調べを行わないまま、たった2回の公判によって、16年をかけた綿密な審理の結論としての一審無罪判決を破棄し、地裁に差し戻した。証拠などなくても、頭から「警察・検察は正しい」とする、「判決」という形式を採った直接の政治弾圧だ。
こうして開始された差戻し審において、検察官は、証拠の不在をいっそう明らかにしただけであった。それに対して弁護側は、新たな証拠も提出して、我々の無罪を一切余すところなく立証した。判決は無罪以外にあり得なかった。 今回の「有罪」判決は、法と論理に基づくものではなく、もはや裁判所による政治的暴力の直接の行使というしかない。資本主義体制の命脈が尽きているからだ。階級的労働運動が大きく前進しているからだ。その勝利への最も卑劣な反革命、それが今回の判決である。階級闘争は常に、革命の前進が生み出す新たな反革命を粉砕することによって、躍動的に前進する。
我々は新たな闘いを開始する。国鉄労働者の闘い、沖縄の闘い、三里塚の闘いと共に、そして、星野文昭同志、法大闘争を闘う同志と共に、治安弾圧を打ち砕く我々の闘争を深め、強化し、拡大する。福嶋昌男同志と共に、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧を必ず粉砕する。その闘いに革命家としての生涯を懸ける。
我々は直ちに新たな闘いに突入する。共に闘おう!