2010年5月29日22:07

鳩山政権支持路線の破産示した自治労中央委

 5月27―28日に浜松で自治労中央委員会が開かれた。全国労組交流センター自治体労働者部会と静岡労組交流センターは、結集する組合員に国鉄・沖縄決戦、鳩山民主党・連合政権打倒を訴える宣伝活動を行った。1047名闘争での「政治和解」が動労千葉争議団を排除して国鉄闘争を終わらせようとする大裏切りであり、なんら雇用は保証されないことを初めて知った自治労組合員に衝撃が走った。中央委開始前の1時間半の間に組合員ら6人が6・13集会賛同署名に応じ、議場では本部議案そっちのけで労組交流センターのビラや討議資料が読まれた。

 中央委では、すでに労働者人民から見放されている鳩山民主党・連合政権をあくまで支えようとする本部の裏切り路線がますます明らかになった。徳永秀昭委員長は冒頭のあいさつで、普天間問題についての見解を表明した。日米合意を「問題を残す内容」と言い、鳩山批判のポーズをとって現場労働者の怒りをかわしつつ、民主党政権をなおも支持せよと迫った。民主党・連合政権を「安定政権」化させるために参院選で自治労組織内候補「えさきたかし」ら連合の候補を高位当選させようと呼びかけた。拍手はまばらだ。自治労本部の民主党・連立与党支持路線は大ピンチだ。
 討論では「米軍基地はどこにも要らない」(青年部)、「安保をなくせ」(高知)というまっとうな意見も出される一方、鳩山首相擁護に終始し「対等な日米関係で基地をなくすことができる」とする意見さえ出た。日米同盟強化で基地撤去!? という驚くべき見解だ。社民党の連立参加を維持しようという思惑だが、中央委員会終了後の午後6時すぎの福島みずほ党首の大臣罷免で空しく終わった。安保粉砕・日帝打倒の闘いの爆発で米軍基地を撤去させる以外ないことは明らかだ。
 国鉄問題に関する自治労本部の見解はまったく示されなかった。唯一、北海道本部が「国鉄闘争は20年で大きく前進した。自公政権では望めなかったことだ」と述べた。1047名当該を最も多数含む北海道で国鉄闘争を支援してきた自治労・日教組組合員を裏切る発言だ。
 だが現場組合員の怒りは抑えることができない。人事院が公務員連絡会との交渉で日々雇用職員(国家公務員)の雇用期間の上限を3年とする回答を出したことを本部が評価したことに、臨時・非常勤職員協議会議長をはじめ厳しい本部批判が続出した。
 本部は、自治体における非正規職化、外注化・民営化攻撃と対決するどころか、「財政再建のために」それらをむしろ促進する立場をとっている。中央委の「当面の闘争方針」は、公共サービス基本条例・公契約条例制定運動を打ち出した。昨年の熊本大会で廃止を求める意見が続出した指定管理者制度については「抜本改革」と称して延長と改悪を提案した。中央委の最後に「普天間基地の国外移転と新たな日米関係の構築を求める決議」と「闘争宣言」が採択された。前者は鳩山政権の「対等で緊密な日米同盟」路線の自治労版でしかない。後者は「地域主権改革」の名で道州制=公務員360万人首切りを推進する宣言だ。
 このような自治労本部に未来はない。「大恐慌を革命へ」のスローガンを掲げ、国鉄大運動と反合理化闘争を展開し、その力で自治労本部と鳩山民主党・連合政権を打倒し、自治体労働運動をよみがえらせよう。(KW)

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