ギリシャのゼネストが革命勝利の時代を告げ知らせる
5月20日、ギリシャ労働者は再びゼネストに立ちあがり、8万5000人が街頭デモと集会に決起した(写真はゼネストに決起してアテネをデモ行進する労働者)。今回のゼネストは世界を震撼させた5月5日のゼネストへの大反動をぶち破って、あくまで絶対反対のギリシャ労働者の意志を決然と示した圧倒的なストライキである。ストに決起した労働者は「われわれの怒りはますます激しくなっている。ゼネストはまだ始まりにすぎない。来週は電力スト、地方議会に対する緊縮法案に対する抵抗闘争を始める」「われわれは闘い続ける。絶対に譲歩しない」と誇り高く語っている。
機動隊と大激突して銀行を焼き討ちし放送局を占拠した5・5ゼネストは、世界中の資本家階級を恐怖のどん底にたたき込んだ。EUとIMFは総額1100億ユーロ(約12兆円)の融資を決定し、ギリシャ政府にさらなる増税、年金と公務員給与の削減を指令した。パパンドレウ政権は3人のマーフィン銀行の労働者が亡くなった責任をゼネストになすりつける卑劣なキャンペーンを繰り広げたが、マーフィン銀行の労働者は「すべての責任はストに決起しようとした労働者を銀行に幽閉していた銀行資本と政府にある」という声明を出し、今回のゼネストにも先頭で立ちあがった。政府の緊縮財政案を棄権し与党PASOKから除名される国会議員も生まれ始めている。(写真は5月20日、EU、IMFとギリシャ政府に怒りの声をぶつける労働者たち)
ポルトガルからギリシャのゼネストに参加した革命的左派の仲間からの報告では、「ギリシャではゼネストの集会で、現政権を支持する指導者の発言に石、果物、卵などが投げつけられるので、ピケ隊が高い防壁を作って発言者の姿を見ることもできない」「ギリシャでは大多数の参加者が与党や他の政治潮流に関係がない人々だが、集会自体は与党に近い活動家によって指導されている」「もう一つの特徴は、ギリシャ人がランク&ファイル組合と呼ぶ組合の組織化が急増していることである」「マルクス主義・レーニン主義、アナーキスト、ギリシャ共産党からのいくつもの分派など何十もの政治グループが活性化している」「ギリシャの大学はゼネストの呼びかけが行われると普通に封鎖されるので学生総会など開く必要もない」「授業は中止になり、大学の食堂では食事がタダ」「無料の公教育、とりわけ貧困層への無料公教育を堂々と行使する学生たちをうち負かす方法を誰も知らない」「ギリシアは革命に接近していると言える」とギリシャにみなぎる革命的気分を生き生きと伝えている。
まさに国家(資本主義)が滅びようとも絶対反対を貫くギリシャ労働者階級の闘いは、体制内指導部の制動をぶち破りながらプロレタリア革命勝利の炎へと燃えさかり始めている。今回のゼネストで直ちに世界中の株価が暴落した。まさに死の苦悶にあえぐ資本主義を葬り去るのは労働者自身の主体的闘いにかかっているのだ。これこそ国鉄赤字の責任を労働者になすりつけた1047名解雇への絶対反対を貫く新たな6・13大運動への限りない連帯のメッセージである。ギリシャ労働者と団結して総決起しよう!