フランスで100万人が「反サルコジ」の全国スト・デモ!
フランスで与党が地方選で大敗した2日後の3月23日、5大労組全国組織による公務員労働者の全国一斉ストライキと街頭デモが闘われた。労働者・学生ら約100万人が職場・学園でストに突入し、177カ所でデモを行った。サルコジ政権の世界大恐慌と国家財政危機の突破をかけた反動攻勢に対する反撃だ。労働者たちは「政府の政策は雇用、賃金、年金、労働条件、生活水準を破壊・悪化・低下させる」と怒りを爆発させて立ち上がった。スト参加率は国鉄で28・3%。サルコジによって2007年に導入されたストライキ中の最低限サービス保障制度(スト破り法)にもかかわらず、長距離高速列車の50%、TGV(仏新幹線)の35%が運休するに至った。(写真 仏西部レンヌで、年金問題や雇用問題などに対する全国規模の抗議活動に参加する人びと 3月23日)
教育労働者は小学校で52%、中高等学校で40%がストに参加した。学校現業職員・事務職員、高校生・大学生もストとデモに参加し、多くの小学校が一日中休校になった。財務省、裁判所の職員も労働条件の悪化に反対し、郵便労働者はリストラ・人員削減に反対してストに決起した。仏テレコムの労働者は強制配転など職場のストレスによる自殺の急増に抗議した。電気・ガス労働者や農民も闘いに加わった。パリの劇場も公演を中止。ラジオフランスの労働者も仕事を停止し、多くの局で昼間の番組が放送中止となった。
あらゆる産別・職種の労働者が街頭をデモした。公務員や公共サービス労働者、教育労働者らがストの中心となり、店員や消防士、労働許可証のない外国人労働者(サンパピエ)、失業者なども隊列に加わった。私企業の労組・労働者も連帯してデモに出た。パリでは6万人、ボルドーで2万人、マルセイユで5万人、ナントで2万5千人、ルマンで3万人がデモ行進した。
デモの横断幕には「投機屋を助けても労働者は助からない」「学校は商売(経営)ではない。子どもは商品ではない」「医療は商品ではない」「6万人の教員削減、殺人的訓練、死に向かう公教育」「不平等を終わらせろ」「やつらの恐慌と億万長者の危機はわれわれの血と汗と涙だ」というスローガンが書かれていた。
3・23ストは昨秋のストを大きく上回り、昨年3月の300万人ゼネストに次ぐ規模に達した。体制内労組指導部の当初の予測を超えた大衆決起だ。それだけ労働者階級、ランク&ファイルの怒りは激しいということだ。
ところが、2大労組CGT(フランス労働総同盟)とCFDT(フランス民主労働同盟)の両書記長はスト後、サルコジ大統領に「社会的サミット」を早急に開くように要求した。2月16日に行われた社会的サミットでは、金融機関救済で赤字を膨らませた国家財政を救うために労組側が歳出削減に協力することで合意していた。次の社会的サミットがより反動的で反労働者的なものになることは確実だ。地方選で大勝した社会党ももとより民営化推進、ブルジョア国家救済路線だ。
このようななか反資本主義新党(NPA)の反動的立ち回りも許せない。彼らはフランス・トロツキスト派主流の歴史的大転向として昨年の2月に結成された。なんと彼らは今回の地方選で社会党支持を公然と打ち出しはじめた。このことの反動性は、この間スペインやポルトガル、ギリシャで社民政権が行っている攻撃を見れば一目瞭然である。NPAは社会党政権への入閣も狙っている。
まさにEUの主要国フランスでも、労働者の怒りの大爆発と、これを押しつぶす体制内派の裏切りに勝利する革命的綱領と指導部、党の建設が焦点になっている。フランス全国ストと連帯し、3・28三里塚闘争から4-5月国鉄・沖縄・法大闘争を革命的に闘い抜こう!(KW) (写真上 パリで行われた抗議活動で、「不法移民労働者」に対する支持を訴える人びと。 写真下 仏南部マルセイユでは5万人のデモ。先頭に立つ港湾労働者。 いずれも3月23日)