2010年2月26日03:43

現闘本部裁判、「仮執行宣言」を粉砕したぞ!

 2月25日、千葉地裁・仲戸川隆人裁判長は、三里塚反対同盟所有の天神峰現闘本部建物を撤去し成田空港会社(NAA)に土地を明け渡せと命ずる反動判決を出した。反対同盟の地上権を一切否定し闘争つぶしを狙った不当判決に、心の底からの怒りを抑えることができない。だが仲戸川は反撃に恐れをなし、判決確定前に強制撤去を行える「仮執行宣言」を付すことができなかった。力ずくでもぎ取った決定的勝利だ。反対同盟はただちに控訴し、闘いの継続を宣言した。(写真は判決後、千葉中央公園で「団結ガンバロー」の拳を意気高く突き上げる参加者)

 この日反対同盟顧問弁護団が再々度の裁判官忌避を申し立てたことに対して、仲戸川はまたしても自分自身が引き取って簡易却下するというデタラメを行って法廷に現れた。開廷を宣すると、すかさず葉山岳夫弁護士が口火を切り、判決言い渡しの中止、口頭弁論再開を求めた。続いて弁護団全員が仲戸川の違法不当な訴訟指揮を列挙して、判決の強行を阻んだ。そして、北原鉱治事務局長が「被告席」で立ち上がり、仲戸川と対峙した。「成田治安法で封鎖された時、私はあの建物に立てこもった。内部のつくりはすべてわかっている。建物の検証を再三にわたり求めてきたが、なぜ行わないのか!」と叫び、机をがんとたたいた。「これは裁判と言えない。一からのやり直しを求める」と迫った。
 その気迫に圧倒されて仲戸川は「合議のため暫時休廷」として左右の陪席裁判官とともに奥に隠れたが、ものの1分もせず現れて「弁論再開はしない」と言い放った。とたんに廷内は怒号に満たされた。反対同盟が全員立ちあがって裁判官席に迫った。傍聴者も廷吏の抑止を振り払って前へと殺到した。仲戸川があせりながら判決を必死に大声で読み上げる。「明け渡せ」という一語だけが聞き取れて怒りが一層高まった。主文だけ読み上げて逃げ去る仲戸川に、市東孝雄さんが「許さないぞ!」と追撃を浴びせた。
 この日千葉市中心部は早朝から、駅頭ビラまき、宣伝カーの巡回で「反動判決粉砕」一色に染められた。千葉市中央公園に全国から385人が結集し、反戦共同行動委員会の独自集会に続き、9時から反対同盟の総決起集会がかちとられた。北原事務局長に続いて発言に立った動労千葉の田中康宏委員長は、「敵のあせりに満ちた攻撃がかけられ、再び国鉄と三里塚が同時に決戦を迎えた。不当配転阻止に立ち上がる」と3・1スト決起を力強く表明した。集会後、反対同盟を先頭に市街を戦闘的にデモし(写真)、その勢いのまま裁判所になだれ込み、傍聴に入りきれない人びとは法廷前と1階ロビーにあふれた。「反動判決!」の怒りの報が伝わると、廷内と呼応して弾劾の声が上がった。再び全体が中央公園に集まり、記者会見と総括集会が開かれた。
 葉山弁護士を始め弁護団は、「成田空港廃港をかちとる日まで現闘本部を使用することを反対同盟の総意で決定したことについて、判決は『メモや覚書がない』から認めないという。まるで理由になっていない! 地代が支払われていたことをも認めないのは許せない」と厳しく批判した。支援団体の発言のトップで全学連の織田陽介委員長がマイクを握り、「仮執行宣言を付けさせなかったのは、重大な勝利だ。動労千葉、沖縄、法大にかけられた攻撃をひとつひとつ打ち返し、3・20反戦闘争から3・28三里塚に総決起を」と呼びかけた。最後に萩原進事務局次長が、「闘えば勝てることを確信した。この力で控訴審を闘おう。市東さんにかけられた第3誘導路・団結街道廃道化の攻撃の粉砕へ向け、成田市議会に対する闘い、現地での闘いが問われる。3・28全国総決起集会に仲間を連れて大結集をかちとろう」と奮起を呼びかけた。最後に、司会の鈴木謙太郎さんのリードで団結ガンバローを三唱し、決戦の三里塚への全力決起を誓い合った。(TN)

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