ベルギーで鉄道労働者が列車衝突事故に抗議のスト!
2月15日、ブリュッセル郊外で起きた列車衝突事故(写真)をめぐって、鉄道労働者の抗議ストが3日目に突入している。スト参加者は運転士のみならず、信号通信から整備・技術者にまで広がっている。死者18名(運転士1名を含む)、重軽傷者200名を出した大惨事の責任をめぐる激烈な闘争だ。事故直後からベルギー国鉄当局(SNBC)は「運転士の赤信号の見落とし」だとするキャンペーンを張っている。これに対してストに決起した労働者は「このような事故は以前から続いていた」「そのたびにわれわれは自動列車停止装置を付けるべきだと要求してきた」「安全が保証されるまで運転できない」と怒りを表明している。
実際、線路には自動列車停止装置が付いていたのに、事故を起こした列車にはその装置は付いていなかった。ベルギー国鉄が利益を優先して安全を犠牲にしてきたことが事故を招いたのだ。鉄道労働者の怒りはベルギー南部を中心に広がり、EUの動脈である高速鉄道・ユーロスターやタリスもドイツ・フランス・オランダ間という重要区間の運休にたたき込んでいる。ストライキは国境を越え始めているともいわれている。まさに国境を越えて、安全と合理化をめぐる激烈な階級闘争が闘われているのだ。(写真はストライキで止まったユーロスター)
このストライキのもう一つの特徴は、組合指令に基づかない現場労働者の自発的なストライキが、しかも直ちに翌朝から始まっているということだ。それほどまでに現場の安全がないがしろにされており、やむにやまれぬ決起が始まったのだ。この期に及んでも、ベルギー鉄道の主要労組であるCGSPとSLFPの体制内幹部らは「労働者の怒りは分かるが状況が悪い。どうして今ストライキで当局に戦争を仕掛けるのか理解できない」などと、ストライキの意義を否定している。体制内指導部を乗り越えて、安全のために立ち上がっているベルギー労働者の決起こそ、大恐慌に立ち向かい、闘う労働組合を作り上げる闘いそのものだ。ベルギーの決起と団結し、国鉄分割・民営化による1047名の解雇撤回、JR検修合理化粉砕闘争に勝利しよう!(SG)