三里塚反対同盟が成田市徹底弾劾の行動に決起
2月10日、三里塚反対同盟は、「第3誘導路」建設とそれに伴う団結街道廃道化の計画を打ち出した成田市に対して、徹底弾劾と撤回要求の闘いに立ち上がった。この日午前10時、反対同盟と三里塚支援連は成田市役所を訪れて小泉一成市長を呼び出した。だが「留守」を口実に、市長は出てこない。片山敏宏副市長を始め土木課、道路管理課、空港対策課などの8人が応接室に現れた。反対同盟の激しい怒りの前にすくみあがっている。北原鉱治事務局長が口火を切った(写真)。「現にそこに住む人がおり、親子3代農地を耕している。その営農に欠くことのできない生活道路を廃道にしようとは、行政のやることか!」
市東孝雄さんが立ちあがって、「団結街道の廃道化を徹底弾劾し、計画中止を要求する」と題した反対同盟の声明を読み上げた。「成田市が2月3日付で通告してきた市道廃道化は、天神峰における営農を妨害して移転を強要する悪質きわまる暴挙であり、断じて認めることができない」として、①廃道化計画の即刻中止、②第3誘導路の建設承認の撤回、③深夜・早朝の飛行制限緩和の撤回と住民の被害除去を要求し、2月17日までの文書による回答を求めた。
萩原進事務局次長が、「なぜこの時期に廃道化の計画を持ち出してきたのか」と厳しく問いただすと、片山副市長が口を開いた。「新誘導路を早期に整備したいという4者協議会(NAA、千葉県、成田市など地元自治体)の要請があったので、市としても空港の安全面、効率面から整備、改良を了承し、3月の定例市議会に付議することを市東さんにお伝えした」……。このくどくどした説明に市東さんの怒りが爆発した。「なぜ市とNAAが同じ地図をもって同じ車に乗って一緒に現れたのだ。まだ決まったわけでもないことを一方的に強要しているではないか!」。さらに萩原さんがたたみかけるように迫った。「東峰の森を壊して東側誘導路を造り使い始めたとたんに、今度は第3の誘導路だと?」。副市長はなおも「NAAから安全性確保のためにさらに誘導路が必要と……」と弁明する。「ふざけるな! どこが安全なんだ」「NAAの言いなりか!」「住民の生活はまったく考えないのか!」と怒りの声が次々と飛んだ。副市長は「市長には必ず伝える」とひたすら逃げの一手しかない。まさにNAAと一体で市東さんへの農地強奪攻撃に手を染めていることを自己暴露した。北原さんが「団結街道は現状のままにせよ」とぴしゃりと言い放った。
萩原さんは、「こんなやり方を進めれば、市が率先して強権をふるうことになるのを分かっているのか。今日は言いたいことの半分も言っていないが、われわれの怒りを伝え、もう一度考え直す機会を市に与える。廃道化の通告は一切認めず、なかったことにする」と突きつけた。
その後、庁舎内の記者室で記者会見が開かれた。市東さんが「こんな計画は絶対に認められない」と鮮明な決意を表した(写真下)。熱心にメモを取る記者たちの前で反対同盟は、2月25日の現闘本部裁判での反動判決粉砕に全力で決起することを宣言した。(TN)