市東さん耕作権裁判、NAAの暴論を徹底粉砕
2月1日千葉地裁で、市東孝雄さんの耕作権裁判が開かれ、三里塚芝山連合空港反対同盟と支援の労働者・学生・市民70人が傍聴しともに闘った。
市東さんが祖父の代から90年も耕してきた農地の一部を成田空港会社(NAA)が「不法耕作」としてその明け渡しの訴訟を起こしたのがこの裁判だ。NAAが“地主”の顔をして市東さんを被告席に座らせたこと自体、絶対に許しがたいことだ。これまでの反対同盟と顧問弁護団の闘いで、市東さんの賃借地がどこからどこまでか、という肝心要の点においてNAAがまったく誤っていることが明らかになった。
NAAは旧地主・藤崎によるデタラメな「メモ」をもとに、市東家が一度も耕作していない土地を契約地だと主張した。この点を緻密かつ徹底的に追及されたNAAが今回出してきた準備書面は、「認否をしない」というとんでもないものだった。つまり、まともな反論ひとつできないことを自認しながら「土地を買ったことは間違いない」とする、まさに強盗の居直りそのものだ。
さらに「不在地主」問題(NAAの前身である空港公団が旧地主・藤崎から秘密裏に土地を買収した1988年当時、公団は東京に本社があり、農地法第6条が禁じる不在地主である)に対しては、「農地を公共目的に使う場合は不在地主でも問題ない」という暴論を持ち出してきた。農民の農地を強奪して軍事空港をつくることが「公共の目的」だと! まさに国家暴力をふりかざして、法さえもねじ曲げて非道の限りを尽くしてきた権力者の論理そのものだ。
NAA代理人弁護士のこうした傲慢かつ苦し紛れの破綻した論理を、菅原崇裁判長はなんとかテコ入れしようとしたが、それを許さずとことん追いつめ粉砕する断固たる姿勢を弁護団は突きつけた。
閉廷後、千葉県文化センターで記者会見と報告集会が持たれ、鈴木謙太郎さんが司会を努めた。冒頭に市東孝雄さんが「2月は大変忙しい月になる。私の裁判がもうひとつ16日にあるが、25日の現闘本部裁判判決が最大の山場だ。みんなが打って一丸となって闘うべき時。お忙しい中でしょうが、昨年にもまして今年も傍聴に駆けつけてください」と簡潔な決意を表し、一同が大きな拍手でこたえた。続いて葉山岳夫弁護士を始め弁護団各位が、法廷での応酬を解説した。萩原進事務局次長は、「市東さんの農地をめぐる問題は日本農業の問題そのものだ。本日この同じ建物の別の階でストに突入した動労千葉が総決起集会を行っている。車の両輪としてわれわれも同じ決戦の渦中にある。2・25現闘本部裁判判決へ向け闘おう」と全員の奮起を促した。
動労千葉の滝口誠さんはこれにこたえて、「本日からストに突入した。3・28三里塚全国総決起集会は春闘の一つの柱の闘いだ。3・6には千葉三里塚集会が開かれる。若者が三里塚闘争を継承し、動労千葉も次の世代が闘いを担うことを実現していく」と決意を述べた。次回の耕作権裁判は4月26日。
今月は裁判闘争のラッシュだ。2月16日の市東さん農地法裁判と行政訴訟を闘い、2月25日の現闘本部裁判反動判決粉砕の大決戦へ突き進もう。(TN)