2009年11月29日20:15

フランス全土でサルコジ教育改革反対のスト

 アメリカ・カリフオルニアに引き続いて、オーストリアからドイツに波及した教育労働者と学生のストとデモは、このかん大学占拠闘争などを続けてきたフランスで学期明けの第一回の全国ストとして爆発した。11月24日、教育関係労組(FSUとFerc-CGTなど)の呼びかけで、サルコジ政権の教育改革に反対して、「幼稚園から大学まで」、ほとんどすべての教育機関の労働者がストに決起した。学生もこれに合流、全国的な教育ストとなった。

 8000人のパリのデモの先頭には高校生が立って、「高校生は怒っているぞ!」という横断幕をかかげ、旗をなびかせて行進した。同時に、郵便労働者が郵便事業の株式会社化(民営化)に反対して、パリでは無期限スト、地方では期限付きのストに突入。教育労働者や学生とともにデモを闘った(写真は11月24日、レンヌ市。高校生を先頭に、教育労働者、郵便労働者がデモ)。また、ソシエテ=ジェネラルとHSBCなどの金融機関の労働者が賃上げストに入っており、世界大恐慌下のフランス労働者階級の怒りを全社会に示した。
 ストの中心的テーマは、文部大臣シャテルの計画している教育改革が最重点としている教職員削減の大攻撃への反撃である。高校の教育制度の改革などという名目で実は、今後5年間に教職員5万人の削減を行う計画で、2010年には1万6千人の首切りが予定されている。このほか、教員養成制度の改革への反対、賃上げ要求、労働条件改善要求などが掲げられている。
 ルモンド紙のブログには、スト参加者の声が掲載され、教育労働者の怒りがマスメディアにさえもおしよせている。「選別化教育反対」「教育における格差の拡大反対」「ベルトコンベアーから出てくる生徒という生産物の品質管理をやるような教育はごめんだ」「生徒の数が増えているのに、教員の数をへらすことは許せない」「授業が終っても、会議だ、研究会だ、研修会だ、懇談会だ……。これではとてもやっていけない」「私の中学校では、仲間の教師が仕事に疲れ果て、力を出しつくし、ぼろぼろになっている」「学校当局は言う、あんた達に説明したり、討論するつもりはない。こちらの指示にしたがいなさい」「権威主義、軍隊的ヒエラルキーに反対するために、私はストをやる」等々。
 生命の尽きた帝国主義=資本主義に対する教育労働者と学生の怒りは、国境をこえた共通の階級性をもっている。(OS)

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