2009年11月12日23:15

三里塚現闘本部裁判/結審強行した仲戸川裁判長を徹底弾劾

 11月12日、千葉地裁において現闘本部裁判の口頭弁論が開かれ、ついに仲戸川隆人裁判長の強権的な訴訟指揮による結審が強行された。だが、三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団を先頭に、支援に駆けつけた労働者・学生・市民が一致団結してこれを徹底弾劾して闘いぬき、「農地死守・実力闘争」を貫く三里塚闘争の真骨頂を見せつけた。(写真は、口頭弁論を前に千葉市内デモを行う反対同盟と支援)

 開廷に先立つ午前9時、千葉市中央公園で反対同盟が呼びかける集会が始まった。司会の鈴木謙太郎さんが第一声で、裁判官忌避申し立てが仲戸川自身によって却下されたことを報告すると、たちまち参加者の怒りに火が付いた。北原鉱治事務局長が発言に立ち、「どんな判決が出されようと、屈せずに闘う。正義はわれわれにある」と揺るぎない立場を示してこの日の闘いの方向を決定づけた。続いて動労千葉の田中康宏委員長が「三里塚の絶対不屈の頑強な闘いを全国に広げよう。新しい階級闘争のうねりが確実に始まっている。その先頭に反対同盟の旗を押し立てよう」と訪韓闘争の熱気を携えてアピールした。
 関実の山本善偉さん、三里塚現闘、各支援党派の発言が続き、ただちにデモに出発。強い寒風が吹きすさぶ千葉の市街に「仲戸川弾劾」の声が響いた。
 10時半に開廷。ただちに顧問弁護団は仲戸川裁判長に弾劾の集中砲火を浴びせた。原告の空港会社(NAA)は10月末になって「訴状の訂正」として、現闘本部建物の本体に加えて便所、蛇口および水道管(埋設部分を含む)4個、小便器、流し台の「付属物」を収去対象物件とし、これに応じて明け渡し対象地を8・9坪も広げるという申し立てを突如行ってきた。これを最終準備書面とともに提出したのだ。こんなコソ泥的ごまかしは絶対に認められない。まともな裁判なら最初から全部やり直しだ!
 ところが仲戸川は平然とこれを受け付け、反対同盟側に認否・反論の機会を一切与えぬまま結審するというのだ。裁判を受ける権利が、完全に踏みにじられている!
 法廷は怒りで充満した。市東孝雄さんは被告席から「なぜ最初から付属物のことを言わなかった!」と弾劾の声を浴びせた。仲戸川は「争点としては影響はない」などと突っぱね、弁護団が脱法的訴訟指揮に対して申し立てた異議を「棄却」の一言で切り捨てた。
 北原さんが最終弁論に立った。裁判官席に立ち向かい、「われわれは法律家ではないが人としての道理はわかっている。これは裁判とは言えない!」と心の底からの糾弾を突きつけた上で、用意した陳述書を読みあげた。収去対象地の拡大、石橋恵美子証人のビデオリンク方式での採用、実地検証の一貫した拒絶、裁判官忌避申立却下などの暴挙を一つひとつ挙げて弾劾し、11月4日には裁判官訴追委員会に対して仲戸川罷免の訴追請求を行ったことを明らかにした。
 続いて葉山岳夫弁護士を先頭に弁護団が次々と陳述を行い、仲戸川の常軌を逸した訴訟指揮を徹底的に断罪し、これが40年を超えて不屈の闘いを続ける反対運動への破壊攻撃であることを明らかにした。傍聴席からの怒りも高まる一方だ。婦人行動隊の鈴木加代子さんは「農民殺しに加担するのか!」と叫んだ。
 仲戸川は鉄面皮を装いながら、権力の手先に成り下がった自らの違法・脱法を自覚し、内心の動揺を隠しきれない。最後に結審を宣し判決日を2月25日と告げ、怒りが沸騰点に達した法廷から逃げるように立ち去った。
 場所を近くの千葉市文化センターに移して、記者会見と総括集会が持たれた。2時間をゆうに超える法廷闘争で仲戸川を徹底的に追いつめた勝利感で、士気は高い。北原さんが「弁護団に拍手を」とその奮闘を心からねぎらった(写真上)。動労千葉新小岩支部長の佐藤正和さんと関実の永井満さんが連帯のあいさつを行った。佐藤さんは、「来年春闘の生きさせろの闘いと一体で、三里塚の勝利へ!」と力強く訴えた。
 最後に事務局次長の萩原進さんがまとめの発言に立った。「今日はわれわれの正義の主張を全面的に展開し、仲戸川の悪行をとことん引きずり出した。どんな判決が出てもわれわれは驚かない。利はわれわれにある。怒りを反撃に転化していこう。現地へ、全国へ、市東さんの農地裁判へと闘いを引き継いでいこう。2月は目の前だ」と、一段の奮起を訴えた。
反対同盟の「農地死守」を貫く不屈の闘いが日帝・NAAを決定的に追いつめている。市東さんの農地と現闘本部の存在が、への字に曲がった誘導路の現実を強制し続けている。絶対に守りぬこう! 裁判、現地攻防を全力で闘いぬき、成田を廃港に追い込もう。(TN)

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