2009年10月17日12:55

広島の青年教育労働者 「8・6処分」に怒りの反撃

 原爆の日の8月6日に設定されていた官制研修(10年目研修)に参加しなかったとして、広島の青年教育労働者・倉澤憲司さん(8・6ヒロシマ大行動よびかけ人)に戒告処分を発した広島県教委(榎田好一教育長)に対し、怒りの大反撃が始まった。10月15日、倉澤さんと「倉澤さんへの『8・6処分』を撤回させる会」は、広島県人事委員会への不服申し立てと県教委への抗議申し入れを行った。

当日朝には県教委のある県庁舎に「不当処分を撤回せよ」と訴えるビラをまき、800人以上の職員が次々とビラを受け取った。抗議申し入れと記者会見には、年休をとってかけつけた広教組の組合員や青年部員、地域の労働者、被爆二世、長年8・6ヒロシマ大行動のよびかけ人をつとめてきた広大名誉教授の北西允さんら20人を超える人々が集まった。
 県教委事務室で行われた抗議申し入れでは、まず「撤回させる会」を代表して広教組の組合員が抗議文を読み上げた。続いて倉澤さんが、年休権を侵害した今回の処分の不当性を全面的にあばき、「8・6」という日にあえて研修日を設定した広島県教委の反動的政治性、階級的労働運動への敵対を徹底的に弾劾した。とくに多忙化攻撃をしかけながら「処分書を市教委まで取りに来い」と言ってきた教委の姿勢を語気を強めて追及。「文部省是正指導」以来、教育現場のことなどそっちのけで不起立闘争弾圧、組合破壊、思想管理・統制のみに汲々としてきた県教委への怒りを爆発させた。県教委職員は神妙な面もちで聞き入るしかなかった。反戦被爆者の会・下田礼子さんの「被爆地の教師が被爆の日に、8・6ヒロシマ大行動に参加することが悪いなどということは、私たち被爆者の平和運動をつぶすことになります。そのことのほうが不当だと思います」というメッセージが紹介され、被爆二世の労働者は「今回の処分は、ヒロシマと全世界の反戦反核をたたかう労働者への挑戦状だ」と処分撤回を迫った。
 抗議申し入れ、記者会見の後、「倉澤さんへの『8・6処分』を撤回させる会」の初会合をもち、広島県内を物販オルグ中の動労千葉の高石さんもかけつけ、動労千葉もともに闘うと倉澤さんを激励した。
 倉澤さんへの8・6処分に対して、広教組本部は「個人的な問題だから組織としては取り組まない」とし、県教委に「遺憾の意」のみを表明しただけだ。一人の組合員への不当な処分・弾圧を全組合員への攻撃だとして、団結して闘うのが労働組合ではないか。広教組本部の屈服の中で、しかし現場組合員は、倉澤さんの決起に勇気づけられ、こんな処分は絶対に許せないと処分撤回署名に応じ、怒りのメッセージを続々と寄せている。
 倉澤さんへの処分撤回の闘いを、現場組合員の積年の怒りを爆発させ、職場・地域から階級的団結をつくっていく闘いに発展させよう。何よりもこの闘いを11・1労働者集会への教労1000人組織化のバネにしよう。そしてオバマに「ノーベル平和賞」、闘う広島の青年教育労働者には「戒告処分」という許しがたい現実を全国、全世界の労働者に暴露し、大恐慌と新たな世界戦争情勢の切迫下で焦点化する「核」「ヒロシマ」をめぐる帝国主義と全体制内勢力との攻防に勝ち抜いていこう。(広島R・H)

※「倉澤さんへの『8・6処分』を撤回させる会」(連絡先:8・6ヒロシマ大行動実行委員会 広島市中区幟町14-3-303 電話・FAX082-221-7631)
 ホームページアドレスhttp://hiroshima100.net/kuraken/index.cgi  年会費1口1000円(郵便振替口座01360-1-62222  通信欄に「撤回させる会」と書いて下さい)

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