動労千葉が高裁で逆転勝利判決かちとる
東京高裁は9月30日、動労千葉組合員に対する運転士登用差別事件について、東京地裁が出した一審判決を破棄し、組合側完全勝利の判決を出した。高裁判決は当該の動労千葉組合員を「1998年1月1日付けで運転士に発令したものとして取り扱わなければならない」としている。これは、同じ運転士登用差別事件を巡って昨年12月に出された動労水戸に対する最高裁勝利判決に続く決定的勝利だ。(写真は動労千葉の10・1スト貫徹総決起集会で勝利の報告をする川崎執行委員と当該組合員)
この事件は、1980年、81年、82年に国鉄に採用された動労千葉組合員が、国鉄時代に運転士免許を取得していたにもかかわらず、動労千葉の組合員であるというだけの理由でJRになってからも運転士に登用してこなかったというものだ。この極悪の不当労働行為を巡って、千葉地労委は93年6月に組合側勝利の救済命令を出した。しかし、中労委は11年11カ月にわたってこの問題を放置したあげく、2006年11月に千葉地労委の救済命令を取り消すとんでもない反動命令を出したのだ。そして、東京地裁は08年に、この中労委命令を追認する反動判決を出していた。
動労千葉は国鉄分割・民営化以来、本務からの排除=駅や売店への強制配転攻撃とともに、この運転士登用差別事件の解決を最重要課題と位置づけ、闘いの中心に据えて闘い続けてきた。この事件の当該組合員は、分割・民営化の後、長い間、駅や売店をたらい回しのように強制配転され続けてきた組合員が多い。JR東日本当局と東労組カクマルが結託した異常な労務支配の中で、20数年にわたって動労千葉組合員への露骨な差別・選別がくり返されてきたのだ。希望する職場で働くことさえ否定し、「動労千葉にいたら運転士にはなれない」という恫喝で組合弱体化を狙い、強制配転先で「塩漬け」にするという卑劣きわまりない攻撃だ。一人ひとりの組合員がこうした攻撃に激しい怒りを燃やし、労働者としての誇りを守り、動労千葉のもとに団結して闘い抜いてきた。
今回の高裁判決は、あまりに当然の判決だ。動労千葉のゆるぎない鉄の団結、そして不当労働行為徹底追求の粘り強い闘いが、反動の牙城=東京高裁をしてJR資本の悪行を断罪せざるを得ないところに追い込んだのだ。JR東日本は、当該組合員を直ちに運転士に登用しろ!(O)