英労働組合会議がイスラエル商品のボイコットを決議
9月17日、650万人を擁するイギリスのナショナルセンターTUC(労働組合会議)が、イスラエル商品不買運動とイスラエルとの武器取引禁止の提案を圧倒的に可決した(写真はパレスチナの旗を掲げて賛成の挙手をする代議員)。TUCは、典型的な帝国主義的労働運動の組織だ。「労働組合」の名で労働者の闘いを抑えつけ、イスラエルの準国家機関であるヒスタドルート(イスラエル労働組合会議)との密接な友好関係を長い間結んできた。だが、このTUCでさえ、ついにイスラエルのガザ虐殺戦争とガザ封鎖を弾劾し、商品をボイコットする決議をあげるにいたったのだ。
昨年末から今年初めの3週間のイスラエルによるガザに対する侵略戦争ではパレスチナ人1540人が虐殺され、5000人が負傷した。全世界的に抗議行動、デモが闘われた。抗議行動は、現在も闘われつづけていて、イスラエル商品不買運動もその一つである。
今回の議案は、FBU(消防士組合、48000人)によって提出された。FBUの2004年大会では、体制内派執行部の反対を押し切って、ランク&ファイルが提出した労働党脱退決議案が圧倒的に可決された。消防の合理化、低賃金に対する大ストライキへの労働党ブレア政権の弾圧に、怒りが爆発したのだ。その翌年には執行部選挙でついに体制内派指導部を打倒した。このように体制内派と闘ってきた組合だからこそ、帝国主義の死活にかかわる中東石油支配の戦略拠点=イスラエルと正面から闘う決議を出すことができたのだ。そして、TUC指導部の必死の妨害にもかかわらず、FBUの決議案は満場一致に近い賛成で可決された。反対はGMB(英一般労組)だけだった。イスラエルをめぐる力関係は激変している。
この議案を提出したFBUミック・ショー議長は提案説明の中で次のように語っている。
「年末年始のテレビを見て心を動かされなかった者がいただろうか。しかしイギリス政府は心を動かされなかった。そしてヒスタドルートはこの攻撃を『正当化できる自己防衛行動』だと語った。ヒスタドルートは本当に労働組合なのか、イスラエル政府の代弁人なのではなかろうか。FBUはイスラエル軍の撤退と壁の撤去を呼びかけた。われわれは今、次のように要求している。TUCはガザに対する戦争の結果を見るならばさらなる行動を推進しなければならないと。われわれはイスラエル商品の不買運動を呼びかける。この行動はパレスチナ人とパレスチナの労働組合に対して全世界がこの問題に重大な関心を払っていることを示すものとなる」
またRMT(鉄道・海運・運輸労組)も今年の年次総会で、パレスチナと連帯するがイスラエルボイコットはしないという従来の方針を転換し、ボイコット決議を可決した。
帝国主義の世界支配は崩壊を開始した。世界の闘う労働者と連帯して11月集会1万人結集をかちとろう。(K)