米カリフォルニア州で全大学が一斉授業放棄へ
全米最大の州カリフォルニアで9月24日、州立大学が一斉授業放棄に突入する。州の教育予算カット、解雇・強制休暇(賃金カット)、学費値上げに対する実力反撃だ。これまでは、州都サクラメントでの全州結集デモや各大学での抗議行動はあったが、全州一斉に大学で大規模な実力行動をするのは初めてだ。参加するのは、カリフォルニア大学(ロサンゼルス校、バークレー校など多数のキャンパスをもつ)や他のいくつかのカリフォルニア州立大学である。
ストライキ決議をしたのは、AAUP(全米大学教授協会)、UPTE(大学専門職・技術職労組、1万2千人)、UCSA(カリフォルニア大学学生協会、20万人)だ。また、UCB(カリフォルニア大学バークレー校)連帯連合は、9月24日に授業放棄とティーチインをすることを呼びかけ、またすべての大学職員、学生、その他の関係者にピケットラインを越えないよう呼びかけた。UCSB(カリフォルニア大学サンタバーバラ校)では、90人の教授が学部スタッフの授業放棄に参加する団結署名をした。
州の教育費カットによって、たとえばサクラメント州立大学の教授は、月に2日の休暇を取ることを強制されている。その分だけ賃金が減らされる。同大学の学生は、今学期は2400ドルの学費を要求されている。06年の同学期1200ドルの2倍だ。退職教授の不補充と教授や講師の解雇、強制休暇で講義数が減り、どこも満員状態。授業を申し込んでも何期も待たされる状態なのに、学費だけが値上げされている。今期中にさらに学費を10%値上げする案が浮上している。
カリフォルニア大学当局は、今後2年間で定員の4万人削減を達成するとしている。これは、低所得層を大学から排除する攻撃だ。
州政府は、生活関連の予算をカットする一方で、それに対する怒りを警察と監獄の力で強引に押さえ込もうとしている。カリフォルニア州は、1984~85会計年度から2009~2010会計年度に、刑務所予算を685%も増加させた。同期間の高等教育予算は159%増加にすぎない。カリフォルニア大学の赤字は、5・6億ドルというが、それは、カリフォルニア州の刑務所が投獄している16万7千人のうちの1万1千人分の費用でしかない。アメリカの刑務所人口は、人口比で世界一だ。これら一切への怒りが本格的に爆発する時代が始まった。(S)
写真は州の予算カットに抗議するロサンゼルス技術短大の学生(09年6月)