2009年7月 6日21:31

佐世保で裁判員制度に反対する集会

 7月4日、佐世保で「裁判員制度に反対する佐世保集会」を開催しました。正午から佐世保のアーケード街で、裁判員制度反対と集会への参加を訴える街頭宣伝を行いましたが、ビラや風船の受け取りの反応は素晴らしく、「裁判員制度反対」と書かれた風船がまるでデモ行進をしているように並んで次々とアーケード街を進んでいる状況になりました。

 集会では、李博盛弁護士が「裁判員制度の問題点」と題する講演を行いました。李弁護士は、審理機関の短縮、多数決による有罪無罪と刑期の決定などによる公正な裁判を受ける権利が侵害されること、裁判員制度は「苦役の強制」にほかならないこと、裁判員選出過程での思想信条の調査は意見であること、そして有権者の8割が反対していることを指摘し、この裁判員制度が財界の意向を受けて改憲攻撃と一体で決められたこと、そして断じて被告人のための制度ではないうえに、裁判員は義務となっていること、したがってこんな制度は絶対に廃止できるということを力強く講演されました。
 質疑応答や討論も、すごく活発でした。「死刑反対を主張することで、裁判員を逃れることができるのか?」という問いに対して、「それだけでは無理でしょう。しかし、それを主張する自分の思想信条のすべてを包み隠さず裁判所に明らかにすれば、『偏向がある』と判断されて、もしかしたら免除になるかもしれません。要するに裁判員制度とは、裁判所に対して、本来自由であるべき自分の思想や信条を丸裸にさせる制度であり、明らかに思想信条、良心の自由を侵害するといえるのです」。「裁判員が有罪と決めた冤罪事件は、再審ができるのか?」「制度としては残るでしょうが、門はますます狭くなるのでは、と思います」などなど、議論をすればするぼど、裁判員制度の問題点が明らかになってきました。
 そして李弁護士は、「この制度は絶対に廃止できると確信しています。8割が反対しているという現実、そして検察も裁判所も次々と出てくる問題点と破綻に追われている。運動を広げることで、必ず廃止できますので頑張りましょう!」と訴えました。
 5月21日に始まった裁判員制度は、すでに多くの問題点をあらわにしています。労働者を分断させ、労働者を体制側に取り込んで、他の労働者を拙速主義で裁かせるこんな制度は絶対に許すことはできません。
 今年の8月長崎反戦反核行動を成功させるとともに、長崎からも裁判員制度反対の行動をさらに進めていきたいと思っています。(長崎K)

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