国労5・27臨大闘争弾圧裁判、弁護側最終弁論始まる
6月19日、国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第110回公判が東京地裁刑事第10部(植村稔裁判長)で開かれ、弁護団が最終弁論を行った。5・27裁判は次々回7月17日の公判で結審という大詰めの局面を迎えている。2月27日、検事は暴力行為等処罰法違反として国労組合員である各被告に懲役1年、向山被告に懲役1年6月を求刑した。弁護団の最終弁論は、これと真っ向から立ち向かうものになった。判決は早ければこの秋にも予想される。権力は有罪判決を狙い、JR資本はそれを口実とした懲戒解雇を振り下ろそうとたくらんでいる。5・27臨大闘争弾圧との闘いは、こうした攻撃と全面的に激突する新たな段階に突入した。
公判の冒頭、富田益行被告団長が意見を述べ、暴処法を打ち破って勝利すると宣言した。さらに富田さんは、松崎博己被告とその弁護団による7被告との弁論併合請求が6月15日に却下されたことに触れ、4者4団体路線に転落した松崎被告とその弁護団を渾身の怒りを込めて弾劾した。彼らは、裁判所に提出した意見書で、7被告の黙秘方針を非難して「一刻も早く悔い改め、反省し、関係者とりわけ5・27裁判を支援してきた多数の関係者に対して謝罪すべきである」などと放言している。富田さんは、彼らのあらゆる妨害を粉砕して勝利すると断言した。
弁護団が格調高く最終弁論を行った。「はじめに」で検察論告を包括的に批判し、第1章では新自由主義の戦略的攻撃として強行された国鉄分割・民営化の全体像を暴くとともに、02年5・27国労臨時大会に至る国労本部の裏切りの歴史と、これに抗して闘ってきた国労共闘の闘争史が語られ、5・27臨大における被告の決起の正当性が明らかにされた。第2章で、暴処法の制定過程と戦前・戦後をつうじてのその発動の状況が具体的に明らかにされ、労働者階級の団結破壊を目的とする暴処法の本質が説得力を持って語られた。弁護団は、暴処法自体が憲法違反であり、暴処法による起訴自体が棄却されるべきだと声を強めた。
第3章では、この弾圧が国労本部と公安警察の結託によってつくり出されたデッチあげであることが、具体的事実に基づき全面的に暴かれた。酒田充東京地本委員長(当時)や吉田進長野地本書記長(同)ら国労幹部は、傘下の本部派組合員に対して「被害届」を出させ、被害者証人となることを強要した。「証拠」となるビデオを撮って警察に提出したのは、東京地本執行委員だった鈴木勉だ。被告団と傍聴者は、あらためて国労本部への怒りを燃やし、国労本部を打倒して国鉄闘争に勝利する決意を固めた。
弁護団の最終弁論は、次回7月3日の公判に続行される。7月17日の最後の公判では、各被告が最終意見陳述を行い、弾圧への怒りと国鉄闘争勝利-階級的労働運動再生にかけた思いを縦横に語る。また7月17日は、午前中にJR東日本本社と鉄道運輸機構本社に対する抗議行動、公判終了後に有罪判決粉砕に向けた総決起集会が闘われる。最終盤に突入した公判闘争に総結集しよう。(K)