ロサンゼルス統一教組、解雇阻止の実力闘争
UTLA(ロサンゼルス統一教組)は5月15日、全学校でのピケット闘争とロサンゼルス統一学区当局前での抗議集会、道路座り込み闘争に決起した。座り込みによって、当局本部ビル前の道路は封鎖され、ダフィーUTLA委員長、ペシュトールト副委員長ら46人が警察機動隊に逮捕された。カリフォルニア州の財政破綻・教育予算削減を理由に学区当局・教育委員会が約4000人の教師・学校スタッフの解雇計画を策定した。これに対してUTLAは、4月末のスト権投票の結果、圧倒的多数で5月15日にストライキを行うことを決定していた。20年ぶりの全日ストライキだ。
学区当局は、スト差止め命令を出すようにPERB(カリフォルニア州公務員雇用関係委員会、日本の人事院に当たる)に申請していたが、却下された。だがロサンゼルス高裁は当局の申請を認め、スト差止めの仮処分命令を出したのだ。大恐慌、財政破綻の犠牲を労働者に押し付けようとする資本・権力に対して、あらゆる部門の労働者の怒りが沸騰している。この時、UTLA4万8千人がストライキに決起したら、その影響は燎原の火のように燃え広がる。権力はこれに恐怖し、全力で圧殺してきたのだ。UTLAは、裁判所の仮処分命令への違反を口実にして教員免状(各科目ごとに免状がある)まで奪う弾圧もありうるなかで、5・15ストを中止し、各学校でのピケット闘争と学区当局前の実力座り込みに切り替えると発表した。
UTLA本部は組合員に対して、授業放棄はしないようにとの通達を出した。だが、ロサンゼルスタイムズなどの報道によれば、「病欠」などで授業にでなかった教師が通常より700人以上多かったという。また、当局ビル前での座り込み部隊と座り込み支援部隊に参加した教師たちは、臨時教員を雇って、自分の授業を代替した。そして、高校生が、「先生を守れ」と叫びながら集団で教室を去り、校庭に座り込んだり、街頭に出てデモをした。東ロサンゼルス地区のガーフィールド高校では、授業を放棄した約500人の高校生が構内で討論集会が開いた。学校は、討論集会のためにスピーカーセットなどを貸し出した。UTLAの教育労働者は、保護者・生徒=地域の労働者と団結して闘っている。(TZ)
写真は各学校でのピケットと、学区当局前での座り込み。プラカードには「学区当局は恥を知れ!」「解雇・学級多人数化に反対」などと書かれている。
【UTLAは、07年、08年の11月集会に参加した募兵反対団体、CAMS(校内の軍国主義に反対する連合)の教育労働者が所属する組合である。UTLAは、「日の丸・君が代」闘争支持・処分反対の書簡を都教委、日教組本部などに送っている】