市東さん耕作権裁判、弁護側がNAA主張の根幹崩す証拠提出
5月11日、市東孝雄さんの耕作権裁判第11回弁論が千葉地裁で開かれ、三里塚反対同盟始め80人の労働者・農民・学生が傍聴席を埋めて、市東さん、弁護団とともに闘った。この日反対同盟顧問弁護団は満を持して、石橋政次反対同盟元副委員長の妹である関根とめさん、石橋の息子の妻である石橋恵美子さんそれぞれへの2007年の聞き取り報告書とその録音テープ、さらに反対同盟法対部による市東東市さん(孝雄さんの父・故人)への1988年の聞き取り調査を証拠として提出した。
いずれも市東家の耕作状況を明らかにし、戦前、戦後一貫して「南台41―9」の土地を市東家が耕したことはなく、石橋家が植木を植えていた場所だったことを確定する決定的な証拠だ。
さらに1966年に成田空港の事業認定申請が出された時の航空写真の提出を求めていたにもかかわらず、NAAが「68年より前のものは存在しない」と居直ったことなどについて、怒りの求釈明が行われた。NAAが自分たちの主張の根拠にしているのは、旧地主の手による「同意書」「確認書」などのインチキなものだけで、NAAの代理人はまともに答えることもできず、「次回までに......」とうなだれるばかりだ。
裁判終了後の記者会見と報告集会は、市東さんの力強いあいさつから始まった。「向こうは何も釈明できていません。これで裁判を維持できるのか。弁護士の先生方と皆さんの傍聴の力でこれからも闘います」。勝利への意気込みがあふれる決意表明に割れんばかりの拍手が起きた。記者の熱心な質問に、葉山岳夫弁護士らが要点を詳しく解説した。北原鉱治事務局長があいさつに立ち、「今日のようなデタラメの積み重ねが成田空港建設の歴史だった。徹底的に追及しよう」と呼びかけた。
最後に萩原進事務局次長が発言に立ち、「新型インフルを口実に航空機の乗客が近くのホテルに隔離されている。これも有事・戦争態勢づくりの一環であり、断固粉砕しよう。7月に現地闘争を闘い、誘導路供用開始の攻撃を迎え撃とう」と力強く提起した。次回耕作権裁判は7月27日。全力で駆けつけよう。(TN)